アンビション Research Memo(3):東京都心部の投資用デザイナーズマンションに特化
[19/01/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
1. 東京都心で投資用デザイナーズマンションのトータルサービスを行う
AMBITION<3300>は投資用マンションの開発からサブリース、入居者サービスまでを一気通貫で行うことができる稀有な企業である。創業からの中核事業はサブリース(転貸)であるが、その後入居者探しを担うルームピア、バローを、さらには投資用マンションの土地の仕入れから企画・開発・販売を行うヴェリタスをグループ化した。扱う物件は、東京23区、なかでも利便性の高く資産価値の高い都心に特化している。
2. 不動産業界における不祥事の影響は軽微
2018年は一棟ものの投資アパート販売物件の不祥事が発生し、市場全体への懐疑の目が向けられた。同社のワンルームマンション事業も個人向けの不動産投資という点では共通性もあるが、一方で立地・物件、入居率などで大きく異なる。不祥事が発覚したのは、主に地方や郊外のマンションと比較すると耐用年数が低い賃貸アパート(シェアハウス含む)だった。この背景には地方や郊外における入居率の低迷がある。本来、入居率が低下すると賃貸物件の採算が取りにくくなるため融資基準は厳しくなる。無理をして貸し出そうとするなかで不祥事が発生するからくりである。
一方で、都市部のマンションの入居率は相対的に高く安定している。少子高齢化が進むなかで、便利な都市部に人口が集中していることが背景にある。同社の扱うマンションは、東京都、特にプレミアムエリアと言われる渋谷区、港区、中央区、千代田区、品川区、新宿区、文京区などに集中しており利便性に優れる。その結果、同社が管理するマンションのサブリース入居率は95%から99%前後で安定して推移している。ロケーションの価値に加え、内外装や機能面でも差別化されているため資産価値が落ちない点も“アパート経営”とは一線を画する根拠である。実際に、一連の不祥事の後においても同社のマンションの販売は好調であり、金融機関の融資姿勢に変化はない。
3. 強みは“客付け力”
一般論として、サブリース(転貸)事業には空室リスクが伴う。同社が成長に向けて積極的なサブリース物件の取得を行える背景には、空室リスクを避ける“客付け力”がある。借り上げ物件に入居者を付けられる自信があるからこそ、物件を増やせる。客付け力は、(1)自社店舗、(2)スタッフのノウハウ、(3)良質な仕入れ、(4)IT活用の4つの要素がある。
(1) 自社店舗
ルームピア、バローの首都圏19店舗で顧客の的確なニーズを把握し提案する体制が整っており、サブリース物件の約6割を成約させている。
(2) スタッフのノウハウ
“立地”重視で選びがちな風潮のなかで、“物件”の魅力をきちんと伝える営業手法に定評がある。また適正な賃料設定ができるよう訓練されたスタッフがいることも強みだ。
(3) 良質な仕入れ
上場を機に物件オーナーからの信用力も向上し、一棟で任されることも増えた。首都圏のDINKS・単身向け、デザイナーズマンションに注力してきたことによる“目利き力”も有利に働く。
(4) IT活用
インターネット広告を積極化するとともに、顧客の利便性を追求するためにAIチャットやITによる重要事項説明などを採用し、常に先進的な不動産取引の姿を追求している。
4. 主要経営指標(サブリース事業)
同社のプロパティマネジメント事業の主要な経営指標は、サブリース戸数とサブリース入居率である。サブリース戸数は、ストックビジネスの特徴そのままに右肩上がりに推移してきた。2014年9月末から2018年9月末までの4年間に年率23.5%で増加し、9,631戸(2018年9月末)、総管理戸数は17,578戸(前期比12.4%増)に達している。物件を積極的に仕入れると入居率は一時的に下がるという関係にある。例年、4月から12月までの期間は物件仕入れを優先し入居率は低め、繁忙期の1月〜3月に契約を増やし入居率が上がる。2018年9月末のサブリース入居率は95.2%となり9月末時点の入居率では過去最高を記録した(2014年以降)。その理由としては、プレミアムエリアの人気物件を仕入れられていることに加え、物件の仕入れと営業体制の両輪がうまく噛み合っていることが挙げられる。
5. インベスト事業:ヴェリタス
インベスト事業の主体となるのは、2017年10月に連結した投資用デザイナーズマンションを開発・販売するヴェリタスである。ヴェリタスは、東京23区のプレミアムエリアと呼ばれる地域を中心に投資用マンションの開発及び販売をしており、この領域におけるリーディングカンパニーの1社。「ヴェリタス」は「本物」を意味するように、高付加価値で個性的なマンションを手掛けるプロ集団として定評がある。世界的なインテリアデザイナー森田恭通(もりたやすみち)氏やトップモデルとして活躍する押切もえ(おしきりもえ)氏、日本を代表する女性写真家・映画監督でもある蜷川実花(にながわみか)氏などがプロデュースするデザイナーズマンションの開発実績がある。
一例として、東京都品川区で開発を手掛ける新築投資用デザイナーズマンション「PREMIUM CUBE 大井町 #mo」(竣工予定日:2019年2月下旬予定、入居予定日:2019年3月上旬予定)は、予定を上回るスピードで全46戸が早期完売となった。本物件は、3路線活用可能な大井町駅徒歩9分と利便性の高いロケーション。デザインは押切もえ氏によるもので、#moシリーズ第7弾となる。外観はホワイトとダークブラウンのタイルでシックな落ち着きと強いインパクトを表現。内装ではキッチンやバスのカラーバリエーションも多く、“デザインが息づく日常”という、美しさと機能性の調和のとれたスタイリッシュライフを演出する。さらに外出先から各種IoT機器をスマートフォンから操作できる入居向けサポートアプリ「VERIOT」も標準搭載している。
6. 今後期待される保険事業
同社は2017年7月に金融庁から認可を受け、「(株)ホープ少額短期保険」として、保険事業を開始した。第1ステップは、同社の管理物件の顧客に対し、賃貸住宅入居者向け家財保険・賠償責任保険、賃貸オフィス・飲食店入居者向けの保険などを販売する。17,578戸(うちサブリース9,631戸)に及ぶ管理物件及び今後の取扱物件の入居者が販売対象であり、確実性の高い追加収入が見込むことができる。さらに第2ステップとしては、販売代理店による同社管理物件以外への外販である。既に数社の販売代理店との提携が計画されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 東京都心で投資用デザイナーズマンションのトータルサービスを行う
AMBITION<3300>は投資用マンションの開発からサブリース、入居者サービスまでを一気通貫で行うことができる稀有な企業である。創業からの中核事業はサブリース(転貸)であるが、その後入居者探しを担うルームピア、バローを、さらには投資用マンションの土地の仕入れから企画・開発・販売を行うヴェリタスをグループ化した。扱う物件は、東京23区、なかでも利便性の高く資産価値の高い都心に特化している。
2. 不動産業界における不祥事の影響は軽微
2018年は一棟ものの投資アパート販売物件の不祥事が発生し、市場全体への懐疑の目が向けられた。同社のワンルームマンション事業も個人向けの不動産投資という点では共通性もあるが、一方で立地・物件、入居率などで大きく異なる。不祥事が発覚したのは、主に地方や郊外のマンションと比較すると耐用年数が低い賃貸アパート(シェアハウス含む)だった。この背景には地方や郊外における入居率の低迷がある。本来、入居率が低下すると賃貸物件の採算が取りにくくなるため融資基準は厳しくなる。無理をして貸し出そうとするなかで不祥事が発生するからくりである。
一方で、都市部のマンションの入居率は相対的に高く安定している。少子高齢化が進むなかで、便利な都市部に人口が集中していることが背景にある。同社の扱うマンションは、東京都、特にプレミアムエリアと言われる渋谷区、港区、中央区、千代田区、品川区、新宿区、文京区などに集中しており利便性に優れる。その結果、同社が管理するマンションのサブリース入居率は95%から99%前後で安定して推移している。ロケーションの価値に加え、内外装や機能面でも差別化されているため資産価値が落ちない点も“アパート経営”とは一線を画する根拠である。実際に、一連の不祥事の後においても同社のマンションの販売は好調であり、金融機関の融資姿勢に変化はない。
3. 強みは“客付け力”
一般論として、サブリース(転貸)事業には空室リスクが伴う。同社が成長に向けて積極的なサブリース物件の取得を行える背景には、空室リスクを避ける“客付け力”がある。借り上げ物件に入居者を付けられる自信があるからこそ、物件を増やせる。客付け力は、(1)自社店舗、(2)スタッフのノウハウ、(3)良質な仕入れ、(4)IT活用の4つの要素がある。
(1) 自社店舗
ルームピア、バローの首都圏19店舗で顧客の的確なニーズを把握し提案する体制が整っており、サブリース物件の約6割を成約させている。
(2) スタッフのノウハウ
“立地”重視で選びがちな風潮のなかで、“物件”の魅力をきちんと伝える営業手法に定評がある。また適正な賃料設定ができるよう訓練されたスタッフがいることも強みだ。
(3) 良質な仕入れ
上場を機に物件オーナーからの信用力も向上し、一棟で任されることも増えた。首都圏のDINKS・単身向け、デザイナーズマンションに注力してきたことによる“目利き力”も有利に働く。
(4) IT活用
インターネット広告を積極化するとともに、顧客の利便性を追求するためにAIチャットやITによる重要事項説明などを採用し、常に先進的な不動産取引の姿を追求している。
4. 主要経営指標(サブリース事業)
同社のプロパティマネジメント事業の主要な経営指標は、サブリース戸数とサブリース入居率である。サブリース戸数は、ストックビジネスの特徴そのままに右肩上がりに推移してきた。2014年9月末から2018年9月末までの4年間に年率23.5%で増加し、9,631戸(2018年9月末)、総管理戸数は17,578戸(前期比12.4%増)に達している。物件を積極的に仕入れると入居率は一時的に下がるという関係にある。例年、4月から12月までの期間は物件仕入れを優先し入居率は低め、繁忙期の1月〜3月に契約を増やし入居率が上がる。2018年9月末のサブリース入居率は95.2%となり9月末時点の入居率では過去最高を記録した(2014年以降)。その理由としては、プレミアムエリアの人気物件を仕入れられていることに加え、物件の仕入れと営業体制の両輪がうまく噛み合っていることが挙げられる。
5. インベスト事業:ヴェリタス
インベスト事業の主体となるのは、2017年10月に連結した投資用デザイナーズマンションを開発・販売するヴェリタスである。ヴェリタスは、東京23区のプレミアムエリアと呼ばれる地域を中心に投資用マンションの開発及び販売をしており、この領域におけるリーディングカンパニーの1社。「ヴェリタス」は「本物」を意味するように、高付加価値で個性的なマンションを手掛けるプロ集団として定評がある。世界的なインテリアデザイナー森田恭通(もりたやすみち)氏やトップモデルとして活躍する押切もえ(おしきりもえ)氏、日本を代表する女性写真家・映画監督でもある蜷川実花(にながわみか)氏などがプロデュースするデザイナーズマンションの開発実績がある。
一例として、東京都品川区で開発を手掛ける新築投資用デザイナーズマンション「PREMIUM CUBE 大井町 #mo」(竣工予定日:2019年2月下旬予定、入居予定日:2019年3月上旬予定)は、予定を上回るスピードで全46戸が早期完売となった。本物件は、3路線活用可能な大井町駅徒歩9分と利便性の高いロケーション。デザインは押切もえ氏によるもので、#moシリーズ第7弾となる。外観はホワイトとダークブラウンのタイルでシックな落ち着きと強いインパクトを表現。内装ではキッチンやバスのカラーバリエーションも多く、“デザインが息づく日常”という、美しさと機能性の調和のとれたスタイリッシュライフを演出する。さらに外出先から各種IoT機器をスマートフォンから操作できる入居向けサポートアプリ「VERIOT」も標準搭載している。
6. 今後期待される保険事業
同社は2017年7月に金融庁から認可を受け、「(株)ホープ少額短期保険」として、保険事業を開始した。第1ステップは、同社の管理物件の顧客に対し、賃貸住宅入居者向け家財保険・賠償責任保険、賃貸オフィス・飲食店入居者向けの保険などを販売する。17,578戸(うちサブリース9,631戸)に及ぶ管理物件及び今後の取扱物件の入居者が販売対象であり、確実性の高い追加収入が見込むことができる。さらに第2ステップとしては、販売代理店による同社管理物件以外への外販である。既に数社の販売代理店との提携が計画されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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