ヘリオステクノHD Research Memo(8):M&A/戦略的提携は同社本体が主導し推進。新製品開発は順調に進捗
[19/01/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
1. 成長戦略の全体像と進捗状況
ヘリオステクノホールディング<6927>は、中長期の成長戦略に向けたグループ全体の基本方針として、以下の3つを掲げている。すなわち、1)M&A、他社との戦略的提携、2)新製品の開発・拡販、3)既存事業分野のサービス収入の拡大、の3点だ。この3項目は従来から変更はない。
これらの成長戦略は同社傘下の各事業会社によって実行されてきており、2019年3月期第2四半期においてはフェニックス電機がLED新製品を発表したほか、人材サービス事業の領域でM&Aが1件進捗した。また製造装置事業でも、HRPに続き、高精細PI印刷機の開発や曲面印刷技術の確立で進捗があり、現在は事業化に向けた準備が進められている状況だ。
こうしたなか同社は、2019年3月期第2四半期の決算説明会において、今後はM&Aと事業提携について同社本体が自ら主導する体制へと変更したことを発表した。また、具体的な最初のアクションとして、M&A・事業提携の推進のための専任部署の設置と情報収集拠点としての東京事務所の開設について明らかにした。
同社がこうした決断に至った背景には、将来への強い危機感があると弊社ではみている。現時点の同社は、MLSやその補修用光源ランプ、配向膜製造装置、HRPなどが順調に販売を伸ばし業績的には極めて順調な状況にある。しかしながらこれらの製品群の需要先は中国の液晶パネル設備投資関連で共通している。中国の液晶パネルの設備投資については、同社自身が2019年〜2020年をピークにその後は縮小していくという見通しを従来から示してきた。2019年3月期第2四半期の利益上振れを単純に喜んでいられる状況にはなく、現在の収益を活用して次世代の成長事業を早期に育成しなければという強い危機感が同社の行動原理を読み解くカギということだ。
こうした同社の行動は極めて妥当なものだと弊社では評価している。1つ注意を要するのは、M&Aや事業提携の推進に前のめりになりすぎて、案件の審査・査定、シナジー効果などの先行きの見通しについて、判断が甘くならないようにすることだ。M&A自体に対する市場参加者の評価の目が厳しくなりつつあることに加え、M&Aや事業提携に失敗はつきものとはいえ、同社の規模・体力では失敗を簡単に受け入れられる余裕はない。今後はこの点に注意しながら進捗を見守りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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1. 成長戦略の全体像と進捗状況
ヘリオステクノホールディング<6927>は、中長期の成長戦略に向けたグループ全体の基本方針として、以下の3つを掲げている。すなわち、1)M&A、他社との戦略的提携、2)新製品の開発・拡販、3)既存事業分野のサービス収入の拡大、の3点だ。この3項目は従来から変更はない。
これらの成長戦略は同社傘下の各事業会社によって実行されてきており、2019年3月期第2四半期においてはフェニックス電機がLED新製品を発表したほか、人材サービス事業の領域でM&Aが1件進捗した。また製造装置事業でも、HRPに続き、高精細PI印刷機の開発や曲面印刷技術の確立で進捗があり、現在は事業化に向けた準備が進められている状況だ。
こうしたなか同社は、2019年3月期第2四半期の決算説明会において、今後はM&Aと事業提携について同社本体が自ら主導する体制へと変更したことを発表した。また、具体的な最初のアクションとして、M&A・事業提携の推進のための専任部署の設置と情報収集拠点としての東京事務所の開設について明らかにした。
同社がこうした決断に至った背景には、将来への強い危機感があると弊社ではみている。現時点の同社は、MLSやその補修用光源ランプ、配向膜製造装置、HRPなどが順調に販売を伸ばし業績的には極めて順調な状況にある。しかしながらこれらの製品群の需要先は中国の液晶パネル設備投資関連で共通している。中国の液晶パネルの設備投資については、同社自身が2019年〜2020年をピークにその後は縮小していくという見通しを従来から示してきた。2019年3月期第2四半期の利益上振れを単純に喜んでいられる状況にはなく、現在の収益を活用して次世代の成長事業を早期に育成しなければという強い危機感が同社の行動原理を読み解くカギということだ。
こうした同社の行動は極めて妥当なものだと弊社では評価している。1つ注意を要するのは、M&Aや事業提携の推進に前のめりになりすぎて、案件の審査・査定、シナジー効果などの先行きの見通しについて、判断が甘くならないようにすることだ。M&A自体に対する市場参加者の評価の目が厳しくなりつつあることに加え、M&Aや事業提携に失敗はつきものとはいえ、同社の規模・体力では失敗を簡単に受け入れられる余裕はない。今後はこの点に注意しながら進捗を見守りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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