タマホーム Research Memo(6):注文住宅の施工能力次第で、19年5月期は上方修正値をさらに上回る可能性も
[19/02/06]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2019年5月期の業績見通し
タマホーム<1419>の2019年5月期の連結業績は、売上高が前期比11.4%増の187,000百万円、営業利益が同61.2%増の7,500百万円、経常利益が同78.7%増の7,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同80.7%増の3,700百万円と期初会社計画を上方修正し、3期連続で増収増益となる見通しだ。
修正要因は、主力の住宅事業において受注が好調に推移し、豊富な受注残に伴い売上高及び売上総利益が期初計画を上回っていること、並びに不動産事業において計画外であった販売用不動産の売却益3,362百万円を計上したことが主因となっている。なお、営業利益の修正額が2,200百万円と販売不動産の売却益よりも小さくなっているが、これは注文住宅の受注拡大に伴って広告宣伝費や販促費、人件費(主に歩合給)が当初計画を上回っていることが要因だが、これら費用については、下期以降の販売棟数増加による収益増につながるため、先行投資的な費用増と位置付けられる。
住宅事業については上期に損失額が拡大したものの、下期に注文住宅の販売が伸びることで通期では増収増益となる見通しだ。国土交通省が発表している毎月の持家着工戸数は2018年後半から前年同月比でやや回復傾向となっているが、同社の受注額は業界平均を上回る伸びが続いている。前述したように地域特性に合わせた戦略商品である「地域限定商品」がほぼすべてのエリアにおいて好調なためだ。課題は豊富な受注残をこなしていくための施工能力の確保が挙げられる。受注から販売までの期間はおおむね6ヶ月程度が目安となっているが、工事認可等の手続きを早めに済ませるなどで期間を短縮できるほか、地域の協力会社を開拓することで施工能力を増強し、豊富な受注残をこなしていく考えだ。同業他社の施工がピークを越す第4四半期に施工能力を引き上げることができれば、業績の更なる上積みも可能と弊社では見ている。
また、「地域限定商品」については引き合いが好調なことから、2018年12月より3%程度の値上げを実施したが、それでも受注額は前年同月比で26%増と予算を達成したようだ。今後、受注する物件の売上貢献は2020年5月期以降となるため、今後は収益性の向上も期待できることになる。なお、2019年10月から実施予定の消費増税の影響に関しては、多少販売が落ち込む可能性があるが、早期にキャッチアップできると見ている。同社では、2年前から消費増税が実施されたケースを想定して対策を練っており、こうした対策を実施することでマイナスの影響を最小限に食い止めていく方針となっている。
不動産事業のうち、戸建分譲事業については小規模で良質な分譲地の仕入・販売を行うことで、増収増益が続く見通し。また、オフィス区分所有権販売事業については都心5区を中心にオフィスビルの需要が依然旺盛なことから、適正価格での仕入(営業利益率で10〜20%)を行いながら数十億円規模の売上高を目指していく。販売実績として上期に1棟を売却、4プロジェクトが契約完売、新規に2棟を仕入れており、通期で3棟の販売を行う予定になっている。
その他の事業セグメントでは、金融事業が注文住宅の販売棟数増加とつなぎ融資案件の提案力強化により、通期では増収増益となる見通し。また、その他事業も住宅周辺事業の拡大と不採算事業撤退の効果により、2019年5月期は黒字転換が見込まれる。エネルギー事業については発電能力が変わらないため、前期比横ばい水準で計画に織り込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2019年5月期の業績見通し
タマホーム<1419>の2019年5月期の連結業績は、売上高が前期比11.4%増の187,000百万円、営業利益が同61.2%増の7,500百万円、経常利益が同78.7%増の7,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同80.7%増の3,700百万円と期初会社計画を上方修正し、3期連続で増収増益となる見通しだ。
修正要因は、主力の住宅事業において受注が好調に推移し、豊富な受注残に伴い売上高及び売上総利益が期初計画を上回っていること、並びに不動産事業において計画外であった販売用不動産の売却益3,362百万円を計上したことが主因となっている。なお、営業利益の修正額が2,200百万円と販売不動産の売却益よりも小さくなっているが、これは注文住宅の受注拡大に伴って広告宣伝費や販促費、人件費(主に歩合給)が当初計画を上回っていることが要因だが、これら費用については、下期以降の販売棟数増加による収益増につながるため、先行投資的な費用増と位置付けられる。
住宅事業については上期に損失額が拡大したものの、下期に注文住宅の販売が伸びることで通期では増収増益となる見通しだ。国土交通省が発表している毎月の持家着工戸数は2018年後半から前年同月比でやや回復傾向となっているが、同社の受注額は業界平均を上回る伸びが続いている。前述したように地域特性に合わせた戦略商品である「地域限定商品」がほぼすべてのエリアにおいて好調なためだ。課題は豊富な受注残をこなしていくための施工能力の確保が挙げられる。受注から販売までの期間はおおむね6ヶ月程度が目安となっているが、工事認可等の手続きを早めに済ませるなどで期間を短縮できるほか、地域の協力会社を開拓することで施工能力を増強し、豊富な受注残をこなしていく考えだ。同業他社の施工がピークを越す第4四半期に施工能力を引き上げることができれば、業績の更なる上積みも可能と弊社では見ている。
また、「地域限定商品」については引き合いが好調なことから、2018年12月より3%程度の値上げを実施したが、それでも受注額は前年同月比で26%増と予算を達成したようだ。今後、受注する物件の売上貢献は2020年5月期以降となるため、今後は収益性の向上も期待できることになる。なお、2019年10月から実施予定の消費増税の影響に関しては、多少販売が落ち込む可能性があるが、早期にキャッチアップできると見ている。同社では、2年前から消費増税が実施されたケースを想定して対策を練っており、こうした対策を実施することでマイナスの影響を最小限に食い止めていく方針となっている。
不動産事業のうち、戸建分譲事業については小規模で良質な分譲地の仕入・販売を行うことで、増収増益が続く見通し。また、オフィス区分所有権販売事業については都心5区を中心にオフィスビルの需要が依然旺盛なことから、適正価格での仕入(営業利益率で10〜20%)を行いながら数十億円規模の売上高を目指していく。販売実績として上期に1棟を売却、4プロジェクトが契約完売、新規に2棟を仕入れており、通期で3棟の販売を行う予定になっている。
その他の事業セグメントでは、金融事業が注文住宅の販売棟数増加とつなぎ融資案件の提案力強化により、通期では増収増益となる見通し。また、その他事業も住宅周辺事業の拡大と不採算事業撤退の効果により、2019年5月期は黒字転換が見込まれる。エネルギー事業については発電能力が変わらないため、前期比横ばい水準で計画に織り込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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