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JBR Research Memo(7):損害保険会社を新たに設立し、保険事業の拡大を加速していく方針

注目トピックス 日本株
■ジャパンベストレスキューシステム<2453>の今後の見通し

2. 中期経営計画
2019年9月期よりスタートした3ヶ年中期経営計画では、経営ビジョンとして「年間500万人へのサービス提供の実現」を掲げ、最終年度となる2021年9月期の経営数値目標としては、連結営業利益25億円、営業利益率で15%を掲げた。「駆けつけ」「会員」「保険」「リペア」の4事業を対象に、業務提携やM&Aも含めた事業戦略投資を積極的に推進していく方針となっている。

(1)事業戦略
目標を達成していくための重点施策として、事業間/部門間における重層営業(クロスセル)を積極的に推進していくほか、新たな企業(業界トップクラス、異業種)との事業提携に取り組んでいく。提携については従来から不動産会社、大学生協、通信キャリア、電力・ガス、家電量販店、住宅メーカー、宿泊施設等の様々な業界で積極的に進め会員数拡大につなげてきたが、今後は特に会員・保険・リペア事業において新規会員の大幅増につながる異業種企業との提携を進めていく予定にしている。また、新サービス・新商品の創出にも注力する。IoTやAIといった先進技術を持つ企業との連携、資本業務提携等も行いながら、会員、保険事業において積極的に開発を推進していく計画となっている。

コスト抑制施策としては、ERPの開発やIoT、AI技術の活用を推進していく。ERPの開発では第1フェーズとして、2018年11月よりパートナー・ネットワーク店とコールセンター、本部を繋ぐ受付、手配から作業報告までの一連の業務フローをタブレット端末で完結できるよう統一した。従来はFAXや電子メール、電話など様々な連絡手段を用いてやり取りしていたため、業務効率が低かった。第2フェーズでは、会計業務(債権、債務の管理等)に関して市販のパッケージソフトを導入して統一を図り、他の業務システムとの連携を行う予定になっており、2019年9月期中に完成させ、2020年9月期からの効果を見込んでいる。また、RPAツールの導入による業務効率の向上も進めていく計画となっている。

(2)損害保険会社の設立について
同社は保険事業のさらなる拡大を目指すべく、新たに損害保険業の免許取得を目的としたジャパン設立準備(株)を資本金5百万円で設立した(2019年4月)。多様な保険ニーズに対応していくには保険金額や契約期間など制限の多い少額短期保険では限界があり、新たに損害保険会社を設立することで成長を加速していく。

2019年7月に増資を行い、資本金10億円、資本準備金4億円でスタートする。なお、増資には同社以外に金融機関2社が各1億円を拠出するため、同社の出資比率は85.7%となる。また、金融庁の承認等を前提にジャパン少額短期保険が新たに設立する損害保険会社の子会社となる。

今後、出資企業と共同で新たな損保商品や少額短期保険商品を開発し、金融庁の認可を経て販売を開始することになるが、審査期間などを考えると販売開始時期は早くても2020年春以降になると見られる。販路については出資企業のネットワークを活用していくものと思われ、早期の収益化を目指す。

(3)働き方改革の推進
働き方改革への取り組みも進めている。具体的には、2019年1月から全社員を対象にした研修制度を、外部企業のサービスを使って導入した。社員のステージに合わせた研修を、回数を気にすることなく受講できるほか、研修予約・報告から上長フィードバックをシステム化することで社員のスキルやマネジメント力を底上げすることで業務効率の向上を図る。

その他、2019年4月からは時差出勤制を導入し、社員がより働きやすい環境を整備したほか、人材採用難に備えてリファラル採用制度も導入した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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