テクマト Research Memo(1):業績は順調に拡大、AIによる医療画像診断支援サービスの共同開発に着手
[19/06/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、単なる製品販売にとどまらずシステム構築、保守、運用・監視サービスまで含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供しているのが強み。また、アプリケーション・サービス事業では医療、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューション(旧インターネットサービス)の4つのソリューションサービスを展開している。特に、医療分野におけるクラウド型PACS※(医用画像管理システム)では業界最大手となっている。
※PACS:画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication Systems)の略称で、MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡やPET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。
1. 2019年3月期業績実績
中期経営計画「GO BEYOND 3.0」の1年目となる2019年3月期の連結業績は、売上高で前期比8.1%増の25,418百万円、営業利益で同27.1%増の2,418百万円といずれも過去最高を更新し、会社計画(売上高24,500百万円、営業利益2,200百万円)を上回る順調な滑り出しとなった。サイバー攻撃の脅威が高まるなか、次世代ファイアウォール製品※を中心に情報セキュリティ関連製品の需要が拡大したほか、運用・監視サービス等のストックビジネスも順調に積み上がるなど、主力の情報基盤事業の売上高が前期比7.1%増、営業利益が同14.5%増と会社計画を上回って好調に推移したことが連結業績の伸長を牽引した主因となっている。アプリケーション・サービス事業も、医療分野において新規サービス開発投資等を前倒しで進める一方で、ソフトウェアテストツールがIT化の進む自動車業界向けに好調に推移したほか、CRMシステムで大型受注を獲得したこと等により、売上高で前期比10.3%増、営業利益で同83.4%増となった。なお、受注高は前期比11.4%増の28,046百万円、期末受注残高は前期末比19.9%増の17,153百万円といずれも過去最高を更新している。
※従来のファイアウォールでは防御できないセキュリティの脅威に対応した製品。例えば通常のインターネット利用に紛れて内部システムに侵入し、情報漏えいを引き起こすサイバー攻撃や、流れるデータに対するきめ細かい制御が必要なファイル共有ソフト等による情報漏えいを防ぐ。
2. 2020年3月期業績見通し
2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.4%増の26,800百万円、営業利益で同1.7%増の2,460百万円となる見通し。事業セグメント別では、情報基盤事業が売上高で前期比6.1%増、営業利益で1.2%増となる。従来のセキュリティ関連製品・サービスの提供に加え、独自の目利き力を活かした新製品の発掘を引き続き行うほか、年々複雑化するサイバー攻撃に対応するためのソリューションとして、より付加価値の高い統合監視サービスの提供に向け、人材投資を積極化する。一方、アプリケーション・サービス事業は売上高で前期比4.0%増、営業利益で同3.0%増を見込んでいる。ソフトウェア品質保証分野、CRM分野を中心に引続き堅調な需要が続くほか、医療分野も「NOBORI」(クラウド型PACS)の契約施設数拡大により、ストック収入の着実な増加が見込まれる。景気の先行き不透明感が強まるなかで、全体的には保守的な業績計画となっているが、足元の受注状況は引き続き順調に推移しており、今後急速な景気悪化がなければ会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。
3. 中期経営計画について
中期経営計画の経営数値目標として2021年3月期に売上高で280億円(2018年3月期比19.1%増)、営業利益で27億円(同41.9%増)を掲げている。事業運営体制の多様化(資本提携、業務提携、大学・研究機関との連携、オープンイノベーション等)やサービス化の加速、データの利活用(AIの利用含む)による高付加価値サービスの開発等に取り組むことで、収益を拡大していく戦略となっている。なかでも、医療分野では子会社の(株)NOBORIによる新規サービスの開発並びにAIベンチャーとの協業による医療画像診断支援サービスの開発が進んでおり、今後の展開が注目される。
■Key Points
・ネットワーク&セキュリティシステムの構築・保守と、医療、CRM分野等の業務特化型ソリューションサービスに強みを持つIT企業
・2019年3月期は情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業ともに過去最高業績を更新
・中期経営計画1年目は順調に滑り出し、2年目はセキュリティ分野・医療分野で投資を拡大させつつも、業績は当初計画をやや上回るペースで推移する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MH>
テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、単なる製品販売にとどまらずシステム構築、保守、運用・監視サービスまで含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供しているのが強み。また、アプリケーション・サービス事業では医療、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューション(旧インターネットサービス)の4つのソリューションサービスを展開している。特に、医療分野におけるクラウド型PACS※(医用画像管理システム)では業界最大手となっている。
※PACS:画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication Systems)の略称で、MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡やPET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。
1. 2019年3月期業績実績
中期経営計画「GO BEYOND 3.0」の1年目となる2019年3月期の連結業績は、売上高で前期比8.1%増の25,418百万円、営業利益で同27.1%増の2,418百万円といずれも過去最高を更新し、会社計画(売上高24,500百万円、営業利益2,200百万円)を上回る順調な滑り出しとなった。サイバー攻撃の脅威が高まるなか、次世代ファイアウォール製品※を中心に情報セキュリティ関連製品の需要が拡大したほか、運用・監視サービス等のストックビジネスも順調に積み上がるなど、主力の情報基盤事業の売上高が前期比7.1%増、営業利益が同14.5%増と会社計画を上回って好調に推移したことが連結業績の伸長を牽引した主因となっている。アプリケーション・サービス事業も、医療分野において新規サービス開発投資等を前倒しで進める一方で、ソフトウェアテストツールがIT化の進む自動車業界向けに好調に推移したほか、CRMシステムで大型受注を獲得したこと等により、売上高で前期比10.3%増、営業利益で同83.4%増となった。なお、受注高は前期比11.4%増の28,046百万円、期末受注残高は前期末比19.9%増の17,153百万円といずれも過去最高を更新している。
※従来のファイアウォールでは防御できないセキュリティの脅威に対応した製品。例えば通常のインターネット利用に紛れて内部システムに侵入し、情報漏えいを引き起こすサイバー攻撃や、流れるデータに対するきめ細かい制御が必要なファイル共有ソフト等による情報漏えいを防ぐ。
2. 2020年3月期業績見通し
2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.4%増の26,800百万円、営業利益で同1.7%増の2,460百万円となる見通し。事業セグメント別では、情報基盤事業が売上高で前期比6.1%増、営業利益で1.2%増となる。従来のセキュリティ関連製品・サービスの提供に加え、独自の目利き力を活かした新製品の発掘を引き続き行うほか、年々複雑化するサイバー攻撃に対応するためのソリューションとして、より付加価値の高い統合監視サービスの提供に向け、人材投資を積極化する。一方、アプリケーション・サービス事業は売上高で前期比4.0%増、営業利益で同3.0%増を見込んでいる。ソフトウェア品質保証分野、CRM分野を中心に引続き堅調な需要が続くほか、医療分野も「NOBORI」(クラウド型PACS)の契約施設数拡大により、ストック収入の着実な増加が見込まれる。景気の先行き不透明感が強まるなかで、全体的には保守的な業績計画となっているが、足元の受注状況は引き続き順調に推移しており、今後急速な景気悪化がなければ会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。
3. 中期経営計画について
中期経営計画の経営数値目標として2021年3月期に売上高で280億円(2018年3月期比19.1%増)、営業利益で27億円(同41.9%増)を掲げている。事業運営体制の多様化(資本提携、業務提携、大学・研究機関との連携、オープンイノベーション等)やサービス化の加速、データの利活用(AIの利用含む)による高付加価値サービスの開発等に取り組むことで、収益を拡大していく戦略となっている。なかでも、医療分野では子会社の(株)NOBORIによる新規サービスの開発並びにAIベンチャーとの協業による医療画像診断支援サービスの開発が進んでおり、今後の展開が注目される。
■Key Points
・ネットワーク&セキュリティシステムの構築・保守と、医療、CRM分野等の業務特化型ソリューションサービスに強みを持つIT企業
・2019年3月期は情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業ともに過去最高業績を更新
・中期経営計画1年目は順調に滑り出し、2年目はセキュリティ分野・医療分野で投資を拡大させつつも、業績は当初計画をやや上回るペースで推移する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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