ネットイヤー Research Memo(2):インターネット技術を活用したデジタルマーケティング支援事業が主力
[19/06/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
1. 会社概要
ネットイヤーグループ<3622>は、「ビジネスの未来をデジタルで創る、ビジネスの未来をユーザーと創る。ユーザーエクスペリエンスからすべてが始まる。」をグループビジョンとして、企業や地域に対しデジタル時代に求められる変革を支援する事業を展開している。具体的には、デジタルマーケティング施策の立案、Webサイトやモバイルサイト、アプリケーションの制作、システム開発、マーケティングツールの販売・導入支援、運用等を行っている。
会社設立は1999年で、2008年に東証マザーズ市場に株式上場した。2019年2月にNTTデータと資本業務提携を発表し、株式の公開買い付けを経て同年3月にNTTデータが同社株式の48.5%を保有する筆頭株主となっている。また、グループ子会社には、ソーシャルメディアを活用したマーケティング支援、分析・コンサルティングを行うトライバルメディアハウス(2009年に子会社化、出資比率92.5%)がある。
2. 事業内容
同社が事業領域とするデジタルマーケティングとは、企業活動において自社Webサイトを中心に、既存メディアや営業、コールセンター、店舗などと連携させるマーケティング手法を指す。企業や自治体などのクライアントに対して、新たなデジタルマーケティング戦略を提案・実践していくことで、クライアントが目標とするブランド価値の向上や売上成長、業務変革の推進などの成果を導いていくサービスとなる。
同社の特徴は、Web上での「ユーザーエクスペリエンス(UX)」を高めることに主眼をおいたシステム開発・設計を行っていることにある。ユーザーエクスペリエンスとは直訳するとユーザー体験のことだが、ここでは「自社Webサイト上に訪問した利用者がサイト上で体験すること、また体験して興味・関心も持ってもらうこと」を指し、「ユーザーエクスペリエンス」を高めることで、商品の購入につなげる、あるいはその企業のファンになってもらうことが最終的な目標となる。
PCやスマートフォンの普及により、必要な情報を場所や時間を選ばずインターネットを通じて容易に入手できるようになったことで、消費者がデジタルメディアに接触する時間の割合は2008年の24.1%から2018年には50.4%と全メディアの過半を占めるまでに成長しており、顧客接点となる自社Webサイトの「ユーザーエクスペリエンス」を高めていくことが、企業にとってマーケティング戦略やブランド戦略を進めるうえで、今まで以上に重要となっている。
「ユーザーエクスペリエンス」を効果的に高めていく方法は、クライアントの事業内容によって変わるため、案件ごとに要件定義が異なるカスタムプロジェクトとなる。一般的に開発期間は3ヶ月程度、長いもので1年程度となる。システム開発部分に関しては大半を外注で賄っている。また、受注単価は10万円から1億円を超えるものまで案件によって様々だが、最近では「データ分析」を取り入れたマーケティング手法の活用、あるいは顧客企業の別の部門(営業部門や情報システム部門等)とのシステム連携などが求められるなど、プロジェクトの難易度が上昇し、受注規模も大型化する傾向にある。同社の強みは、企画力の高さやマーケティングに対する先進的な感覚を持つ人材を社内に多く抱えているという点が挙げられ、また、弱点であったシステム開発力についても今回、NTTデータと資本業務提携し、協業を進めていくことになったことで強化されたと言える。
カスタムプロジェクトの導入支援サービス以外では、自社及び他社開発プロダクトの販売にも注力している。トライバルメディアハウスのソーシャルメディア統合管理ツール「Engage Manager」のほか、第三者の製品ラインアップとしてSalceforce.comやOracleのMAツール、GoogleやAdobeのアクセス解析ツールなどの販売・導入支援も行っている。最近ではカスタムプロジェクトで開発したシステムとMAツール等の他社品を組み合わせて導入するといったニーズも増えている。
また、新規顧客開拓のためのフック役の位置付けとなるサービスとして、2018年8月に「GDPR※1対応簡易調査サービス」、11月に「PDCAのためのカスタマージャーニー分析※2」の提供を開始したほか、MAツールの導入効果を高めるためのサービスとして2019年3月に「マーケティングオートメーション サクセスサポート」の提供を開始している。また、企業のサービス開発を支援する「デジタルサービスデザイン部」を新設し、上流プロジェクトからの対応力を強化している。
※1 EU一般データ保護規則。EU域内における個人情報保護のための規則。2018年5月に施行された。EU域内から域外への個人情報の移転は本人同意を得る等の一定の要件を満たしていない限り原則禁止となり、違反した場合は罰則規定が設けられている。
※2 商品やサービスを利用する顧客の行動履歴をもとに、UXと顧客データ分析の両アプローチによる顧客行動分析を高速に繰り返しながら、顧客の典型的な購買行動パターンを解析し、可視化するサービス。ファクトとデータに基づき、PDCAが可能な実効性の高いマーケティング施策を策定することができる。
なお、クライアントの業種は、小売業や製造業、金融業、情報通信サービス業など幅広い業界にわたっており、顧客規模も日本を代表する大企業が多く、顧客数(単独ベース)は2019年3月期で170社超となっている。前期の220社超から2割程度減少したが、これはプロジェクトの収益改善施策の一環として、低単価帯を中心に顧客の整理を進めたことが要因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
1. 会社概要
ネットイヤーグループ<3622>は、「ビジネスの未来をデジタルで創る、ビジネスの未来をユーザーと創る。ユーザーエクスペリエンスからすべてが始まる。」をグループビジョンとして、企業や地域に対しデジタル時代に求められる変革を支援する事業を展開している。具体的には、デジタルマーケティング施策の立案、Webサイトやモバイルサイト、アプリケーションの制作、システム開発、マーケティングツールの販売・導入支援、運用等を行っている。
会社設立は1999年で、2008年に東証マザーズ市場に株式上場した。2019年2月にNTTデータと資本業務提携を発表し、株式の公開買い付けを経て同年3月にNTTデータが同社株式の48.5%を保有する筆頭株主となっている。また、グループ子会社には、ソーシャルメディアを活用したマーケティング支援、分析・コンサルティングを行うトライバルメディアハウス(2009年に子会社化、出資比率92.5%)がある。
2. 事業内容
同社が事業領域とするデジタルマーケティングとは、企業活動において自社Webサイトを中心に、既存メディアや営業、コールセンター、店舗などと連携させるマーケティング手法を指す。企業や自治体などのクライアントに対して、新たなデジタルマーケティング戦略を提案・実践していくことで、クライアントが目標とするブランド価値の向上や売上成長、業務変革の推進などの成果を導いていくサービスとなる。
同社の特徴は、Web上での「ユーザーエクスペリエンス(UX)」を高めることに主眼をおいたシステム開発・設計を行っていることにある。ユーザーエクスペリエンスとは直訳するとユーザー体験のことだが、ここでは「自社Webサイト上に訪問した利用者がサイト上で体験すること、また体験して興味・関心も持ってもらうこと」を指し、「ユーザーエクスペリエンス」を高めることで、商品の購入につなげる、あるいはその企業のファンになってもらうことが最終的な目標となる。
PCやスマートフォンの普及により、必要な情報を場所や時間を選ばずインターネットを通じて容易に入手できるようになったことで、消費者がデジタルメディアに接触する時間の割合は2008年の24.1%から2018年には50.4%と全メディアの過半を占めるまでに成長しており、顧客接点となる自社Webサイトの「ユーザーエクスペリエンス」を高めていくことが、企業にとってマーケティング戦略やブランド戦略を進めるうえで、今まで以上に重要となっている。
「ユーザーエクスペリエンス」を効果的に高めていく方法は、クライアントの事業内容によって変わるため、案件ごとに要件定義が異なるカスタムプロジェクトとなる。一般的に開発期間は3ヶ月程度、長いもので1年程度となる。システム開発部分に関しては大半を外注で賄っている。また、受注単価は10万円から1億円を超えるものまで案件によって様々だが、最近では「データ分析」を取り入れたマーケティング手法の活用、あるいは顧客企業の別の部門(営業部門や情報システム部門等)とのシステム連携などが求められるなど、プロジェクトの難易度が上昇し、受注規模も大型化する傾向にある。同社の強みは、企画力の高さやマーケティングに対する先進的な感覚を持つ人材を社内に多く抱えているという点が挙げられ、また、弱点であったシステム開発力についても今回、NTTデータと資本業務提携し、協業を進めていくことになったことで強化されたと言える。
カスタムプロジェクトの導入支援サービス以外では、自社及び他社開発プロダクトの販売にも注力している。トライバルメディアハウスのソーシャルメディア統合管理ツール「Engage Manager」のほか、第三者の製品ラインアップとしてSalceforce.com
また、新規顧客開拓のためのフック役の位置付けとなるサービスとして、2018年8月に「GDPR※1対応簡易調査サービス」、11月に「PDCAのためのカスタマージャーニー分析※2」の提供を開始したほか、MAツールの導入効果を高めるためのサービスとして2019年3月に「マーケティングオートメーション サクセスサポート」の提供を開始している。また、企業のサービス開発を支援する「デジタルサービスデザイン部」を新設し、上流プロジェクトからの対応力を強化している。
※1 EU一般データ保護規則。EU域内における個人情報保護のための規則。2018年5月に施行された。EU域内から域外への個人情報の移転は本人同意を得る等の一定の要件を満たしていない限り原則禁止となり、違反した場合は罰則規定が設けられている。
※2 商品やサービスを利用する顧客の行動履歴をもとに、UXと顧客データ分析の両アプローチによる顧客行動分析を高速に繰り返しながら、顧客の典型的な購買行動パターンを解析し、可視化するサービス。ファクトとデータに基づき、PDCAが可能な実効性の高いマーケティング施策を策定することができる。
なお、クライアントの業種は、小売業や製造業、金融業、情報通信サービス業など幅広い業界にわたっており、顧客規模も日本を代表する大企業が多く、顧客数(単独ベース)は2019年3月期で170社超となっている。前期の220社超から2割程度減少したが、これはプロジェクトの収益改善施策の一環として、低単価帯を中心に顧客の整理を進めたことが要因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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