ミロク情報 Research Memo(1):中堅・中小企業向けERPの好調持続で2ケタ増益が続く見通し
[19/06/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ミロク情報サービス<9928>は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに、財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品を開発・販売する業界大手。新規事業としてbizsky(ビズスカイ)プラットフォーム事業や子会社で展開する事業承継支援サービス、bizocean(ビズオーシャン)等の事業を育成中。
1. 2019年3月期の業績概要
2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比13.5%増の31,317百万円、経常利益が同14.2%増の5,056百万円といずれも会社計画を上回り、8期連続で過去最高業績を更新した。新製品の開発費や人件費等の増加があったものの、中堅・中小企業向けERP製品・サービスが引き続き好調に推移するなど増収効果で吸収した。企業向けシステム導入契約売上高※は既存顧客向けがリプレース需要の活発化により前期比18.4%増と2ケタ増収が続いたほか、新規顧客向けも同23.0%増と好調に推移した。直販だけでなく、パートナー代理店経由の売上も同46.7%増と大きく伸張した。2年前に首都圏でパートナー向け専門の支社を作って営業を強化したことや全国支社でもパートナーの活性化に取り組んだことが奏効した。
※システム導入契約売上高=ハードウェア、ソフトウェア、ユースウェア売上高の合計
2. 2020年3月期業績見通し
2020年3月期は売上高で前期比8.6%増の34,000百万円、経常利益で同22.6%増の6,200百万円と増収増益が続く見通し。システム導入契約売上高が豊富な受注残(前期末で5.89ヶ月分)と新規顧客の獲得推進により、前期比7.5%増と拡大が続くほか、サービス収入も顧客の積み上がりにより同7.6%増が見込まれる。また、付加価値の高いソフトウェアやサービス収入の構成比が上昇することや業務効率の向上、並びに子会社の損益改善が進むことで、経常利益率は前期の16.1%から18.2%に上昇する見通し。
3. 中期経営計画の数値目標修正について
同社は2021年3月期を最終年度とする中期経営計画の業績目標値を修正した。当初は大型M&Aを前提に、売上高500億円、経常利益150億円としていたが、子会社の成長戦略の見直しが必要になったことやM&A の業績貢献は織り込まないことを前提とし、売上高380億円、経常利益80億円に修正した。2020年3月期見込比では売上高で11.8%増、経常利益で29.0%増となる見通しだ。主力のERP製品における新製品・サービスの投入を見込んでいるほか、子会社の業績も全体で売上高60億円、経常利益10億円まで拡大する。2019年3月期は子会社全体で売上高33億円、経常利益は1億円の損失となっており、子会社の収益成長が目標達成の鍵を握ると見られる※。業務用ソフトウェアの受託開発を手掛ける子会社3社は、外部顧客の開拓等により収益拡大を進め、ポータルサイト事業を展開する(株)ビズオーシャンでは、有料サービスの創出に取り組んでいく。また、(株)MJS M&Aパートナーズ(以下、mmap)はM&A市場のなかで国内トップのセルサイド(売り手側)プラットフォーム構築を進めると同時に、事業継続ソリューション等にサービス領域を広げていくことで収益拡大を目指す。ビジネスプラットフォーム事業「bizsky」については、自社開発のクラウドサービスに加えて、今後は他社製サービスや地域金融機関とのAPI連携を積極的に進め、中堅・中小企業を対象とした業務用クラウドサービスのプラットフォームとして育成していく考えだ。
※子会社の業績は連結相殺後の数値。
■Key Points
・ERPシステムの販売好調により、2019年3月期は8期連続最高業績を更新
・2020年3月期は単独業績の拡大と子会社の経営・事業体制強化に取り組むことで、9期連続の最高業績を更新する見通し
・2020年度の業績目標値を売上高380億円、経常利益80億円に修正
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ミロク情報サービス<9928>は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに、財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品を開発・販売する業界大手。新規事業としてbizsky(ビズスカイ)プラットフォーム事業や子会社で展開する事業承継支援サービス、bizocean(ビズオーシャン)等の事業を育成中。
1. 2019年3月期の業績概要
2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比13.5%増の31,317百万円、経常利益が同14.2%増の5,056百万円といずれも会社計画を上回り、8期連続で過去最高業績を更新した。新製品の開発費や人件費等の増加があったものの、中堅・中小企業向けERP製品・サービスが引き続き好調に推移するなど増収効果で吸収した。企業向けシステム導入契約売上高※は既存顧客向けがリプレース需要の活発化により前期比18.4%増と2ケタ増収が続いたほか、新規顧客向けも同23.0%増と好調に推移した。直販だけでなく、パートナー代理店経由の売上も同46.7%増と大きく伸張した。2年前に首都圏でパートナー向け専門の支社を作って営業を強化したことや全国支社でもパートナーの活性化に取り組んだことが奏効した。
※システム導入契約売上高=ハードウェア、ソフトウェア、ユースウェア売上高の合計
2. 2020年3月期業績見通し
2020年3月期は売上高で前期比8.6%増の34,000百万円、経常利益で同22.6%増の6,200百万円と増収増益が続く見通し。システム導入契約売上高が豊富な受注残(前期末で5.89ヶ月分)と新規顧客の獲得推進により、前期比7.5%増と拡大が続くほか、サービス収入も顧客の積み上がりにより同7.6%増が見込まれる。また、付加価値の高いソフトウェアやサービス収入の構成比が上昇することや業務効率の向上、並びに子会社の損益改善が進むことで、経常利益率は前期の16.1%から18.2%に上昇する見通し。
3. 中期経営計画の数値目標修正について
同社は2021年3月期を最終年度とする中期経営計画の業績目標値を修正した。当初は大型M&Aを前提に、売上高500億円、経常利益150億円としていたが、子会社の成長戦略の見直しが必要になったことやM&A の業績貢献は織り込まないことを前提とし、売上高380億円、経常利益80億円に修正した。2020年3月期見込比では売上高で11.8%増、経常利益で29.0%増となる見通しだ。主力のERP製品における新製品・サービスの投入を見込んでいるほか、子会社の業績も全体で売上高60億円、経常利益10億円まで拡大する。2019年3月期は子会社全体で売上高33億円、経常利益は1億円の損失となっており、子会社の収益成長が目標達成の鍵を握ると見られる※。業務用ソフトウェアの受託開発を手掛ける子会社3社は、外部顧客の開拓等により収益拡大を進め、ポータルサイト事業を展開する(株)ビズオーシャンでは、有料サービスの創出に取り組んでいく。また、(株)MJS M&Aパートナーズ(以下、mmap)はM&A市場のなかで国内トップのセルサイド(売り手側)プラットフォーム構築を進めると同時に、事業継続ソリューション等にサービス領域を広げていくことで収益拡大を目指す。ビジネスプラットフォーム事業「bizsky」については、自社開発のクラウドサービスに加えて、今後は他社製サービスや地域金融機関とのAPI連携を積極的に進め、中堅・中小企業を対象とした業務用クラウドサービスのプラットフォームとして育成していく考えだ。
※子会社の業績は連結相殺後の数値。
■Key Points
・ERPシステムの販売好調により、2019年3月期は8期連続最高業績を更新
・2020年3月期は単独業績の拡大と子会社の経営・事業体制強化に取り組むことで、9期連続の最高業績を更新する見通し
・2020年度の業績目標値を売上高380億円、経常利益80億円に修正
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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