ハウスドゥ Research Memo(6):2020年6月期は18.0%の増収、11.5%の営業増益を予想
[19/10/03]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ハウスドゥ<3457>の今後の見通し
1. 2020年6月期業績予想
新3ヶ年中期経営計画の初年度となる2020年6月期の業績は、売上高が前期比18.0%増の37,221百万円、営業利益が同11.5%増の3,521百万円、経常利益が同9.9%増の3,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.9%増の2,178百万円を予想している。
予想営業利益の増加額364百万円の内訳は、ストック型事業であるフランチャイズ事業が168百万円、ハウス・リースバック事業が65百万円、金融事業が318百万円となる。ハウス・リースバック事業は、前期に1,286百万円の増益を実現したことから、今期は鈍化すると見込んでいる。フロー型事業の増加額は合計108百万円となる。今期から連結化した小山建設グループは337百万円の貢献を見込む。ただし、買収に係る費用やポスト・マージャー・インテグレーション関連費用が発生するため、本格的な利益面での寄与は来期以降となる。先行投資により、調整額は△2,828百万円と△661百万円増加するため、全体の増益幅を抑制する。
当期は営業利益が上期467百万円、下期3,054百万円と下期偏重の予想となっている。フランチャイズ事業は安定した収益を生むが、ハウス・リースバック事業は前期下期に物件の売却を大幅に進めた。同事業の保有件数は、2018年6月期末の559件が2019年6月期第2四半期までに674件に積み上がり、期末には314件へ減少した。当期も上期に積み上げ、下期にファンドの分を含め売却を進める。上期には費用が発生し、下期に売上高と利益が立つというパターンになる。
2. 中期経営計画
(1) 前中期経営計画
2019年6月期を最終年度とする中期経営計画では、不動産市場に変調を来しても持続的な成長をする全天候型経営への移行を加速した。収益性を重視して、3ヵ年のCAGRは売上高が-2.1%、経常利益が+12.9%を計画した。実績は、売上高が+22.2%、経常利益が+36.5%と大幅な成長を達成した。
稼ぎ頭となったハウス・リースバック事業は、同市場を切り開いた同社が業界トップを独走した。2019年6月期のハウス・リースバックに関する問い合わせは年間約13,000件に上ったが、同社が期中に新規取得保有した物件数は505件にとどまる。月平均仕入れ契約件数を前期比55.2%増の46.2件としたものの、需要は同社の対応能力をはるかに超えている。新規参入者はあるものの競争激化に至っておらず、業界のプレーヤーが増えることでハウス・リースバックに関する知名度が向上することに期待している。
同社では持続的な事業拡大のため積極的な採用を進めている。2019年4月の新卒採用は32人であった。キャリア採用を積極的に行ったことから、2019年6月期末の従業員数は621人と前期比87人増えた。一方、臨時雇用者は173人と同21人減少した。来春は新卒60〜70人の採用を計画している。
次なるストック型収益の柱として、リバースモーゲージ保証に注力
(2) 新中期経営計画
新3ヶ年中期経営計画では、2022年6月期の売上高を43,761百万円、CAGRが+11.5%、営業利益が4,766百万円、同+14.7%、経常利益を4,500百万円、同+14.4%としている。
ハウス・リースバック事業を基盤とした持続的成長モデルを継続するが、ストック型収益の3本目の柱とすべく、リバースモーゲージ保証に注力する。2018年にスルガ銀行<8358>の不正融資問題が表面化したため、収益物件への融資案件は審査が厳格化されている。地域密着型の金融機関にとって、不動産関連の融資ニーズは高い。リバースモーゲージローンは、契約者が死亡後に担保としていた自宅を売却することが基本となる。一方、高齢者には、家を継ぐ子供がいない、子供に持ち家がある、または遠隔地に居住している、などにより相続を敬遠するケースが増えている。金融機関と利用者の双方にニーズがあるのにもかかわらず潜在需要が顕在化しないのは、同社が担う機能が欠けていたためである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 2020年6月期業績予想
新3ヶ年中期経営計画の初年度となる2020年6月期の業績は、売上高が前期比18.0%増の37,221百万円、営業利益が同11.5%増の3,521百万円、経常利益が同9.9%増の3,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.9%増の2,178百万円を予想している。
予想営業利益の増加額364百万円の内訳は、ストック型事業であるフランチャイズ事業が168百万円、ハウス・リースバック事業が65百万円、金融事業が318百万円となる。ハウス・リースバック事業は、前期に1,286百万円の増益を実現したことから、今期は鈍化すると見込んでいる。フロー型事業の増加額は合計108百万円となる。今期から連結化した小山建設グループは337百万円の貢献を見込む。ただし、買収に係る費用やポスト・マージャー・インテグレーション関連費用が発生するため、本格的な利益面での寄与は来期以降となる。先行投資により、調整額は△2,828百万円と△661百万円増加するため、全体の増益幅を抑制する。
当期は営業利益が上期467百万円、下期3,054百万円と下期偏重の予想となっている。フランチャイズ事業は安定した収益を生むが、ハウス・リースバック事業は前期下期に物件の売却を大幅に進めた。同事業の保有件数は、2018年6月期末の559件が2019年6月期第2四半期までに674件に積み上がり、期末には314件へ減少した。当期も上期に積み上げ、下期にファンドの分を含め売却を進める。上期には費用が発生し、下期に売上高と利益が立つというパターンになる。
2. 中期経営計画
(1) 前中期経営計画
2019年6月期を最終年度とする中期経営計画では、不動産市場に変調を来しても持続的な成長をする全天候型経営への移行を加速した。収益性を重視して、3ヵ年のCAGRは売上高が-2.1%、経常利益が+12.9%を計画した。実績は、売上高が+22.2%、経常利益が+36.5%と大幅な成長を達成した。
稼ぎ頭となったハウス・リースバック事業は、同市場を切り開いた同社が業界トップを独走した。2019年6月期のハウス・リースバックに関する問い合わせは年間約13,000件に上ったが、同社が期中に新規取得保有した物件数は505件にとどまる。月平均仕入れ契約件数を前期比55.2%増の46.2件としたものの、需要は同社の対応能力をはるかに超えている。新規参入者はあるものの競争激化に至っておらず、業界のプレーヤーが増えることでハウス・リースバックに関する知名度が向上することに期待している。
同社では持続的な事業拡大のため積極的な採用を進めている。2019年4月の新卒採用は32人であった。キャリア採用を積極的に行ったことから、2019年6月期末の従業員数は621人と前期比87人増えた。一方、臨時雇用者は173人と同21人減少した。来春は新卒60〜70人の採用を計画している。
次なるストック型収益の柱として、リバースモーゲージ保証に注力
(2) 新中期経営計画
新3ヶ年中期経営計画では、2022年6月期の売上高を43,761百万円、CAGRが+11.5%、営業利益が4,766百万円、同+14.7%、経常利益を4,500百万円、同+14.4%としている。
ハウス・リースバック事業を基盤とした持続的成長モデルを継続するが、ストック型収益の3本目の柱とすべく、リバースモーゲージ保証に注力する。2018年にスルガ銀行<8358>の不正融資問題が表面化したため、収益物件への融資案件は審査が厳格化されている。地域密着型の金融機関にとって、不動産関連の融資ニーズは高い。リバースモーゲージローンは、契約者が死亡後に担保としていた自宅を売却することが基本となる。一方、高齢者には、家を継ぐ子供がいない、子供に持ち家がある、または遠隔地に居住している、などにより相続を敬遠するケースが増えている。金融機関と利用者の双方にニーズがあるのにもかかわらず潜在需要が顕在化しないのは、同社が担う機能が欠けていたためである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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