クリレスHD Research Memo(1):上期業績は増収増益となり、過去最高業績を更新
[19/10/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略に特徴があり、それが同社の主力事業を支えてきた。また、ここ数年においては、駅前好立地での24時間営業により人気業態となっている海鮮居酒屋業態「磯丸水産」※1など、積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」※2を推進。今期に入ってからもコントラクト事業(ゴルフ場内レストランの運営受託等)へも参入を始め、4件のM&Aを実現しており、現在の総店舗数は1,161店舗※3(2019年10月1日現在)に上る。創業20周年を迎え、同社は新たなステージへと入ってきた。
※1 2013年4月に買収したSFPホールディングス<3198>が展開している。
※2 同社が推進しているグループ経営のこと。これまでは同社がグループ間シナジーを創出する太陽系型を取ってきたが、今後は多様なグループ会社同士が相互にシナジーを追求する星団型へと進化を図る方針である。
※3 業務受託店舗、FC店舗のすべてを含む(以下、同様)。
2020年2月期上期の業績(IFRS基準※)は、売上収益が前年同期比6.0%増の63,524百万円、営業利益が同45.0%増の4,296百万円と増収増益となり、過去最高業績(上期ベース)を更新した。前期出店分が期初から寄与したことや上期出店分67店舗(M&Aによる48店舗を含む)によりすべてのカテゴリーが伸長した。また、既存店売上高も前年比100.2%と計画を上回る水準で好調に推移。利益面でも、原価コントロールの徹底や増収による経費率の低下等により営業利益率は6.8%(前年同期は4.9%)に大きく改善した。また、M&Aについても、コントラクト事業(ゴルフ場内レストランの運営受託等)への参入を始め、地方中核拠点の獲得、北米でのイタリアンレストランなど、それぞれに狙いのはっきりした4件を実現し、事業ポートフォリオの更なる強化を図っている。
※2019年2月期通期業績からIFRS(国際財務報告基準)へ移行。
2020年2月期の業績予想(IFRS基準)について同社は、2度目の増額修正を公表した。修正後の業績予想として、売上収益を前期比17.4%増の140,000百万円、営業利益を同88.6%増の7,500百万円と大幅な増収増益を見込んでいる。増額修正となったのは、上期業績の上振れと新たなM&Aを織り込んだことが理由である。売上収益はM&Aによる連結効果を含め、ほぼすべてのカテゴリーが伸長する見通しである。利益面でも、引き続き原価コントロールに取り組むとともに、前期の利益を圧迫した一時的な減損損失が解消することにより大幅な損益改善を見込んでおり、重視する「調整後EBITDA」についても、すべてのカテゴリーで増加を見込んでいる。
同社の成長戦略は、1)国内及び海外でのM&A戦略の推進、2)ブランド創出力の一層の強化、3)グループ連邦経営の更なる進化により、サスティナブル(持続可能)な力強い成長へと舵を切る方向性である。とりわけM&A戦略とグループ連邦経営(グループ間シナジーの最大化)を軸とした成長を描いている。また、3ヶ年の中期経営計画(ローリング方式)を推進しており、最終年度(2022年2月期)の目標として、売上収益152,000百万円、調整後EBITDA 16,100百万円※を掲げている。ただ、2020年2月期の業績予想を増額修正したことから、中期経営計画についても次回のローリング(更新)時に上方修正される可能性が高いと考えられる。
※IFRS16号の適用(リース会計基準の変更)による影響は考慮していない。
■Key Points
・2020年2月期上期業績は増収増益により、過去最高業績を更新
・M&A効果に加え、既存店も好調に推移
・新たに4件のM&Aを実現したことなどから、2020年2月期の通期予想を増額修正
・国内外でのM&A戦略の推進やグループ連邦経営の更なる進化により、成長加速を目指す方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略に特徴があり、それが同社の主力事業を支えてきた。また、ここ数年においては、駅前好立地での24時間営業により人気業態となっている海鮮居酒屋業態「磯丸水産」※1など、積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」※2を推進。今期に入ってからもコントラクト事業(ゴルフ場内レストランの運営受託等)へも参入を始め、4件のM&Aを実現しており、現在の総店舗数は1,161店舗※3(2019年10月1日現在)に上る。創業20周年を迎え、同社は新たなステージへと入ってきた。
※1 2013年4月に買収したSFPホールディングス<3198>が展開している。
※2 同社が推進しているグループ経営のこと。これまでは同社がグループ間シナジーを創出する太陽系型を取ってきたが、今後は多様なグループ会社同士が相互にシナジーを追求する星団型へと進化を図る方針である。
※3 業務受託店舗、FC店舗のすべてを含む(以下、同様)。
2020年2月期上期の業績(IFRS基準※)は、売上収益が前年同期比6.0%増の63,524百万円、営業利益が同45.0%増の4,296百万円と増収増益となり、過去最高業績(上期ベース)を更新した。前期出店分が期初から寄与したことや上期出店分67店舗(M&Aによる48店舗を含む)によりすべてのカテゴリーが伸長した。また、既存店売上高も前年比100.2%と計画を上回る水準で好調に推移。利益面でも、原価コントロールの徹底や増収による経費率の低下等により営業利益率は6.8%(前年同期は4.9%)に大きく改善した。また、M&Aについても、コントラクト事業(ゴルフ場内レストランの運営受託等)への参入を始め、地方中核拠点の獲得、北米でのイタリアンレストランなど、それぞれに狙いのはっきりした4件を実現し、事業ポートフォリオの更なる強化を図っている。
※2019年2月期通期業績からIFRS(国際財務報告基準)へ移行。
2020年2月期の業績予想(IFRS基準)について同社は、2度目の増額修正を公表した。修正後の業績予想として、売上収益を前期比17.4%増の140,000百万円、営業利益を同88.6%増の7,500百万円と大幅な増収増益を見込んでいる。増額修正となったのは、上期業績の上振れと新たなM&Aを織り込んだことが理由である。売上収益はM&Aによる連結効果を含め、ほぼすべてのカテゴリーが伸長する見通しである。利益面でも、引き続き原価コントロールに取り組むとともに、前期の利益を圧迫した一時的な減損損失が解消することにより大幅な損益改善を見込んでおり、重視する「調整後EBITDA」についても、すべてのカテゴリーで増加を見込んでいる。
同社の成長戦略は、1)国内及び海外でのM&A戦略の推進、2)ブランド創出力の一層の強化、3)グループ連邦経営の更なる進化により、サスティナブル(持続可能)な力強い成長へと舵を切る方向性である。とりわけM&A戦略とグループ連邦経営(グループ間シナジーの最大化)を軸とした成長を描いている。また、3ヶ年の中期経営計画(ローリング方式)を推進しており、最終年度(2022年2月期)の目標として、売上収益152,000百万円、調整後EBITDA 16,100百万円※を掲げている。ただ、2020年2月期の業績予想を増額修正したことから、中期経営計画についても次回のローリング(更新)時に上方修正される可能性が高いと考えられる。
※IFRS16号の適用(リース会計基準の変更)による影響は考慮していない。
■Key Points
・2020年2月期上期業績は増収増益により、過去最高業績を更新
・M&A効果に加え、既存店も好調に推移
・新たに4件のM&Aを実現したことなどから、2020年2月期の通期予想を増額修正
・国内外でのM&A戦略の推進やグループ連邦経営の更なる進化により、成長加速を目指す方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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