テクマト Research Memo(1):ネットワーク・セキュリティなどをけん引役に業績は会社計画を上回る公算大
[19/12/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、単なる製品販売にとどまらずシステム構築、保守、運用・監視サービスまで含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供しているのが強み。また、アプリケーション・サービス事業では医療、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューションの4つのソリューションサービスを展開している。特に、医療分野におけるクラウド型PACS※(医用画像管理システム)では業界最大手となっている。
※PACS:画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication Systems) の略称で、MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡、PET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。
1. 2020年3月期第2四半期累計業績
2020年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比13.9%増の13,800百万円、営業利益で同42.3%増の1,343百万円といずれも過去最高を更新し、期初計画(売上高12,800百万円、営業利益1,020百万円)を上回った。情報基盤事業では、次世代ファイアウォール製品※や不正侵入防御アプライアンス、Webセキュリティ対策製品等が好調に推移し、売上高で前年同期比11.5%増、営業利益で同23.0%増となり、アプリケーション・サービス事業も、医療分野、CRM分野等の伸長により、売上高で同19.2%増、営業利益で同131.8%増と大きく伸長した。安定収益基盤として強化中のストック型ビジネスについても、情報セキュリティ分野の統合監視サービスや医療分野のクラウドサービス「NOBORI」等が順調に成長を続けている。2020年3月期第2四半期末における受注残高も前年同期末比19.8%増の17,865百万円と過去最高水準に積み上がっている。
※従来のファイアウォールでは防御できないセキュリティの脅威に対応した製品。例えば通常のインターネット利用に紛れて内部システムに侵入し、情報漏えいを引き起こすサイバー攻撃や、流れるデータに対するきめ細かい制御が必要なファイル共有ソフト等による情報漏えいを防ぐ。
2. 2020年3月期業績見通し
2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.4%増の26,800百万円、営業利益で同1.7%増の2,460百万円と期初計画を据え置いた。企業収益の悪化を背景に、IT投資を絞り込む動きが出てくるリスクを考慮したためだが、全体感としては10月以降も受注は堅調に推移している模様で、通期業績も会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。特に、医療分野では子会社の(株)NOBORIと資本・業務提携した(株)A-Lineが提供する医療被ばく線量の管理システム「MINCADI」を「NOBORI PAL」のサービスの1つとして追加しており、今後の「NOBORI」の導入施設数拡大や顧客当たり平均売上単価の上昇につながるものとして注目される。法改正により2020年4月から医療施設で患者の被ばく線量に関する記録及び管理が義務化※されることになったが、「NOBORI」を利用すればこれらの業務を低コストで実行可能となるためだ。
※対象は、X線CT診断装置、循環器用X線透視診断装置、PET/CT装置、SPECT/CT装置及び診療用放射性同位元素
3. 中期経営計画の進捗状況
2019年3月期からスタートした中期経営計画「GO BEYOND 3.0」は丁度、折り返し点を迎えたところだが、業績に関しては当初の計画を上回る進捗となっており、最終年度となる2021年3月期の目標値(売上高280億円、営業利益27億円)を1年前倒しで達成する可能性も出てきた。情報基盤事業では新規商材の発掘と統合監視サービス等のストック型ビジネスの強化、アプリケーション・サービス事業では医療分野におけるAI画像診断サービスの開発や個人向けPHR(Personal Health Record)サービスの実証試験が進んでいる。また、M&Aについても金融機関向け市場系システム※分野のビジネス強化に向けて、従来から取引関係のあった山崎情報設計(株)と資本・業務提携を締結、子会社化することを2019年11月に発表しており、今後の持続的な成長を実現していくための事業基盤構築が着実に進んでいるものと評価できる。
※資金、為替、債券、株式、デリバティブ等の資金・証券業務に関する取引管理を支援するシステム。
■Key Points
・ストック型ビジネスの伸長を背景に、前年同期比2ケタ増と順調に成長
・情報基盤事業は新規セキュリティ対策製品や新サービスの拡販に注力、アプリケーション・サービス事業では医療分野とCRM分野で好調持続を見込む
・中期経営計画は順調に進捗し、業績目標は1年前倒しで達成する可能性
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、単なる製品販売にとどまらずシステム構築、保守、運用・監視サービスまで含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供しているのが強み。また、アプリケーション・サービス事業では医療、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューションの4つのソリューションサービスを展開している。特に、医療分野におけるクラウド型PACS※(医用画像管理システム)では業界最大手となっている。
※PACS:画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication Systems) の略称で、MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡、PET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。
1. 2020年3月期第2四半期累計業績
2020年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比13.9%増の13,800百万円、営業利益で同42.3%増の1,343百万円といずれも過去最高を更新し、期初計画(売上高12,800百万円、営業利益1,020百万円)を上回った。情報基盤事業では、次世代ファイアウォール製品※や不正侵入防御アプライアンス、Webセキュリティ対策製品等が好調に推移し、売上高で前年同期比11.5%増、営業利益で同23.0%増となり、アプリケーション・サービス事業も、医療分野、CRM分野等の伸長により、売上高で同19.2%増、営業利益で同131.8%増と大きく伸長した。安定収益基盤として強化中のストック型ビジネスについても、情報セキュリティ分野の統合監視サービスや医療分野のクラウドサービス「NOBORI」等が順調に成長を続けている。2020年3月期第2四半期末における受注残高も前年同期末比19.8%増の17,865百万円と過去最高水準に積み上がっている。
※従来のファイアウォールでは防御できないセキュリティの脅威に対応した製品。例えば通常のインターネット利用に紛れて内部システムに侵入し、情報漏えいを引き起こすサイバー攻撃や、流れるデータに対するきめ細かい制御が必要なファイル共有ソフト等による情報漏えいを防ぐ。
2. 2020年3月期業績見通し
2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.4%増の26,800百万円、営業利益で同1.7%増の2,460百万円と期初計画を据え置いた。企業収益の悪化を背景に、IT投資を絞り込む動きが出てくるリスクを考慮したためだが、全体感としては10月以降も受注は堅調に推移している模様で、通期業績も会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。特に、医療分野では子会社の(株)NOBORIと資本・業務提携した(株)A-Lineが提供する医療被ばく線量の管理システム「MINCADI」を「NOBORI PAL」のサービスの1つとして追加しており、今後の「NOBORI」の導入施設数拡大や顧客当たり平均売上単価の上昇につながるものとして注目される。法改正により2020年4月から医療施設で患者の被ばく線量に関する記録及び管理が義務化※されることになったが、「NOBORI」を利用すればこれらの業務を低コストで実行可能となるためだ。
※対象は、X線CT診断装置、循環器用X線透視診断装置、PET/CT装置、SPECT/CT装置及び診療用放射性同位元素
3. 中期経営計画の進捗状況
2019年3月期からスタートした中期経営計画「GO BEYOND 3.0」は丁度、折り返し点を迎えたところだが、業績に関しては当初の計画を上回る進捗となっており、最終年度となる2021年3月期の目標値(売上高280億円、営業利益27億円)を1年前倒しで達成する可能性も出てきた。情報基盤事業では新規商材の発掘と統合監視サービス等のストック型ビジネスの強化、アプリケーション・サービス事業では医療分野におけるAI画像診断サービスの開発や個人向けPHR(Personal Health Record)サービスの実証試験が進んでいる。また、M&Aについても金融機関向け市場系システム※分野のビジネス強化に向けて、従来から取引関係のあった山崎情報設計(株)と資本・業務提携を締結、子会社化することを2019年11月に発表しており、今後の持続的な成長を実現していくための事業基盤構築が着実に進んでいるものと評価できる。
※資金、為替、債券、株式、デリバティブ等の資金・証券業務に関する取引管理を支援するシステム。
■Key Points
・ストック型ビジネスの伸長を背景に、前年同期比2ケタ増と順調に成長
・情報基盤事業は新規セキュリティ対策製品や新サービスの拡販に注力、アプリケーション・サービス事業では医療分野とCRM分野で好調持続を見込む
・中期経営計画は順調に進捗し、業績目標は1年前倒しで達成する可能性
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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