EG Research Memo(1):2019年9月期は5年連続の2ケタ成長を達成。FinTech関連が成長をけん引
[19/12/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
イー・ガーディアン<6050>は、eマース(EC)やSNS、ソーシャルゲームの運営者向けに監視や顧客サポートなどを中心に、サイバーセキュリティからデバッグ、運用までをワンストップで提供する総合ネットセキュリティ企業である。1998年にコンテンツプロバイダとして誕生し、インターネット業界の創成期に様々な新事業を手掛けるなかで2005年に掲示板投稿監視事業に一本化し、イー・ガーディアン株式会社に商号変更した。2010年に東証マザーズに上場してからは、人材派遣業、デバッグ事業、ネットセキュリティコンサルティング事業、クラウド型サイバーセキュリティ事業等をM&Aで獲得し、“総合ネットセキュリティ企業”としての基盤を確立した。海外展開ではE-Guardian Philippines Inc.を設立し多言語サポートを開始している。現在、関係会社5社、国内外14都市に20拠点を持ち、1,392名の従業員(うち臨時従業員数1,039名)を抱える企業グループとなっている。2016年9月に東証1部に昇格した。
1. 事業概要
売上高の主力はソーシャルサポート業務とゲームサポート業務であり、2業務で全社売上高の7割以上(76.4%)を構成し、アド・プロセス業務を加えると全社売上高の89.2%を占める。
2. 業績動向
2019年9月期通期の連結業績は、売上高が前期比10.7%増の6,535百万円、営業利益が同12.4%増の1,167百万円、経常利益が同14.5%増の1,201百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.2%増の840百万円と5年連続の2ケタ成長を達成した。売上面では、主力3業務が伸長したが、なかでもソーシャルサポート業務の伸びがけん引した。特にキャッシュレス決済業者向けの加盟店審査代行、登録申請サポート、取引状況の監視・運用サポートなどで同社が仮想通貨の運用で培ってきたノウハウが発揮され、売上を伸ばした。利益面では、営業利益の前期比で12.4%増と高成長を維持する中、売上高営業利益率でも17.9%と高い収益性も維持した。2019年1月の本社移転(新本社は港区虎ノ門)の一時的な費用負担もあったが増収効果で吸収した。
2020年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比13.2%増の7,400百万円、営業利益が同2.9%増の1,201百万円、経常利益が同1.6%増の1,221百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の850百万円と引き続き2ケタの増収および着実な増益を予想する。同社の事業を取り巻く市場環境は全体として良好だ。増益スピードを一時的に遅くする理由は、サイバーセキュリティ領域への先行投資を実施するためである。「サイバーセキュリティ」および「海外展開」は同社の中長期の成長分野であり、しっかりとした橋頭堡を築くため先行投資を仕掛ける。
3. 成長戦略
同社では、将来の成長に向けて、課題と施策を明確にしている。4つの施策が考案・開発され、既に着手されている。施策1は「グループシナジーの拡大」である。一例として、脆弱性診断を得意とする子会社EGセキュアソリューションやデバッグを行う子会社EGテスティングサービスなどとクロスセルによる既存顧客への深耕、新サービス開発などが実行されている。施策2は「AIの活用」である。2019年4月、同社はHmcomm(株)と連携し、リアルタイムAI動画監視フィルタを共同開発した。施策3は「FinTech領域への展開」である。既に仮想通貨関連では口座開設時の本人認証サービスで実績がある。2019年3月にはeKYC技術を持つ(株)Liquidと連携しオンライン本人認証サービスを開始した。施策4は「多言語対応への注力」である。子会社であるEGフィリピンを拠点に脆弱性診断、デバッグ、投稿監視、カスタマーサポートなどの展開を加速する。世界のゲーム市場は日本国内の10倍程度あり市場機会は大きい。
■Key Points
・“We Guard All”を経営理念に、サイバーセキュリティからデバッグ、運用までをワンストップで提供する総合ネットセキュリティ企業
・ゲーム関連、監視・カスタマーサポート関連、広告関連が3本柱。人とシステムによる低コスト・高品質なサービスが強み
・2019年9月期は5年連続の2ケタ成長を達成。FinTech関連が成長をけん引。本社移転費用を吸収し増益
・クラウド型セキュリティサービスのグレスアベイルを子会社化。Webセキュリティ業界の第一人者である徳丸浩氏(EGセキュアソリューションズ)が開発に参画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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イー・ガーディアン<6050>は、eマース(EC)やSNS、ソーシャルゲームの運営者向けに監視や顧客サポートなどを中心に、サイバーセキュリティからデバッグ、運用までをワンストップで提供する総合ネットセキュリティ企業である。1998年にコンテンツプロバイダとして誕生し、インターネット業界の創成期に様々な新事業を手掛けるなかで2005年に掲示板投稿監視事業に一本化し、イー・ガーディアン株式会社に商号変更した。2010年に東証マザーズに上場してからは、人材派遣業、デバッグ事業、ネットセキュリティコンサルティング事業、クラウド型サイバーセキュリティ事業等をM&Aで獲得し、“総合ネットセキュリティ企業”としての基盤を確立した。海外展開ではE-Guardian Philippines Inc.を設立し多言語サポートを開始している。現在、関係会社5社、国内外14都市に20拠点を持ち、1,392名の従業員(うち臨時従業員数1,039名)を抱える企業グループとなっている。2016年9月に東証1部に昇格した。
1. 事業概要
売上高の主力はソーシャルサポート業務とゲームサポート業務であり、2業務で全社売上高の7割以上(76.4%)を構成し、アド・プロセス業務を加えると全社売上高の89.2%を占める。
2. 業績動向
2019年9月期通期の連結業績は、売上高が前期比10.7%増の6,535百万円、営業利益が同12.4%増の1,167百万円、経常利益が同14.5%増の1,201百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.2%増の840百万円と5年連続の2ケタ成長を達成した。売上面では、主力3業務が伸長したが、なかでもソーシャルサポート業務の伸びがけん引した。特にキャッシュレス決済業者向けの加盟店審査代行、登録申請サポート、取引状況の監視・運用サポートなどで同社が仮想通貨の運用で培ってきたノウハウが発揮され、売上を伸ばした。利益面では、営業利益の前期比で12.4%増と高成長を維持する中、売上高営業利益率でも17.9%と高い収益性も維持した。2019年1月の本社移転(新本社は港区虎ノ門)の一時的な費用負担もあったが増収効果で吸収した。
2020年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比13.2%増の7,400百万円、営業利益が同2.9%増の1,201百万円、経常利益が同1.6%増の1,221百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の850百万円と引き続き2ケタの増収および着実な増益を予想する。同社の事業を取り巻く市場環境は全体として良好だ。増益スピードを一時的に遅くする理由は、サイバーセキュリティ領域への先行投資を実施するためである。「サイバーセキュリティ」および「海外展開」は同社の中長期の成長分野であり、しっかりとした橋頭堡を築くため先行投資を仕掛ける。
3. 成長戦略
同社では、将来の成長に向けて、課題と施策を明確にしている。4つの施策が考案・開発され、既に着手されている。施策1は「グループシナジーの拡大」である。一例として、脆弱性診断を得意とする子会社EGセキュアソリューションやデバッグを行う子会社EGテスティングサービスなどとクロスセルによる既存顧客への深耕、新サービス開発などが実行されている。施策2は「AIの活用」である。2019年4月、同社はHmcomm(株)と連携し、リアルタイムAI動画監視フィルタを共同開発した。施策3は「FinTech領域への展開」である。既に仮想通貨関連では口座開設時の本人認証サービスで実績がある。2019年3月にはeKYC技術を持つ(株)Liquidと連携しオンライン本人認証サービスを開始した。施策4は「多言語対応への注力」である。子会社であるEGフィリピンを拠点に脆弱性診断、デバッグ、投稿監視、カスタマーサポートなどの展開を加速する。世界のゲーム市場は日本国内の10倍程度あり市場機会は大きい。
■Key Points
・“We Guard All”を経営理念に、サイバーセキュリティからデバッグ、運用までをワンストップで提供する総合ネットセキュリティ企業
・ゲーム関連、監視・カスタマーサポート関連、広告関連が3本柱。人とシステムによる低コスト・高品質なサービスが強み
・2019年9月期は5年連続の2ケタ成長を達成。FinTech関連が成長をけん引。本社移転費用を吸収し増益
・クラウド型セキュリティサービスのグレスアベイルを子会社化。Webセキュリティ業界の第一人者である徳丸浩氏(EGセキュアソリューションズ)が開発に参画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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