日本モーゲジS Research Memo(3):住宅金融事業の好調で20年3月期2Q業績は会社計画を上回る増収増益に
[20/01/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年3月期第2四半期累計業績の概要
日本モーゲージサービス<7192>の2020年3月期第2四半期累計の営業収益は前年同期比11.1%増の3,343百万円、営業利益は同23.8%増の697百万円、経常利益は同25.0%増の698百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同26.2%増の487百万円と2ケタ増収増益となり、期初会社計画に対しても売上高、利益ともに上回る好決算となった。
住宅金融事業が営業収益、営業利益ともに大きく伸長し、全体の業績をけん引した。業界全体でも消費増税前の駆け込み需要があり伸びているが、同社は業界平均を上回る伸びとなっており、市場シェアの拡大も好調の要因となっている。住宅瑕疵保険等事業については、マンション等の集合住宅向けが減少したものの、採算の良い戸建住宅向けが好調に推移し、営業利益は2ケタ増益となった。また、住宅アカデメイア事業は会計処理変更の影響※により減収となったが、営業利益は増益となっている。各事業における営業利益率が上昇し、なかでも利益率の高い住宅金融事業の構成比が高まったことで、全体の営業利益率も前年同期の18.7%から20.9%へ上昇した。
※協力企業に委託している設計サポート業務を、グロス売上計上からネット計上(粗利益率100%)に変更した。
(1) 住宅金融事業
当第2四半期累計の営業収益は前年同期比27.7%増の1,330百万円、営業利益は同29.8%増の403百万円と好調に推移した。主力商品のMSJフラット35の取扱件数が堅調に推移したほか、2019年3月期より新規に取り扱いを開始したフラット併用プロパー住宅ローン「ベストミックス」が大幅に増加し、収益性の向上に寄与した。融資実行件数合計は前年同期比45.2%増の3,323件と大幅に増加した。融資実行件数と営業収益の伸び率に乖離があるのは、利益率が高い「フラット35」以外の独自商品の取扱件数が大きく伸びたことによる。
収益拡大の要因は、業界全体が成長したことに加えて、同社の市場シェアが前期と比べて1〜2ポイント上昇したことが大きい。シェア拡大の要因は、営業人員の増員と新規に開設した店舗のパフォーマンスが良かったことに加えて、一部のフラット35取扱事業者で不適切融資(投資用マンションへの融資)の問題が発覚し、同社のシェアが相対的に高まったことも一因として挙げられる。同社は本社で最終的な審査の判断を行うなど、不正が行えない仕組みを当初から構築しており、他社との差別化要因になったと考えられる。
(2) 住宅瑕疵保険等事業
当第2四半期累計の営業収益は前年同期比5.1%増の1,771百万円、営業利益は同16.4%増の253百万円となった。保険証券や保証書、評価書、適合証などの発行件数については同6.2%増の57,760件と順調に増加している。共同住宅(マンション、アパート等)向けは減少したものの、戸建向けの住宅瑕疵保険や地盤保証などの販売が好調に推移した。多様な商品をクラウド上で一括して提供できる強みが生かされており、戸建向けに関しては市場シェアも前期と比べて1〜2ポイント上昇したもようだ。採算の良い戸建住宅向けが好調だったことや、クラウドの活用による販売効率化により、利益率も上昇している。
(3) 住宅アカデメイア事業
当第2四半期累計の営業収益は前年同期比14.6%減の241百万円、営業利益は同17.2%増の40百万円となった。前述したとおり一部会計処理を変更したことで減収となったが、住宅設備延長修理保証、住宅メンテナンス保証等の保証サービスの成約件数は前年同期比22.7%増の8,740件と好調に推移した。主要顧客の大手マンションデベロッパー2社向けは供給戸数の減少もあって苦戦したものの、中小デベロッパー向けの取り込みを強化したことでカバーした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
1. 2020年3月期第2四半期累計業績の概要
日本モーゲージサービス<7192>の2020年3月期第2四半期累計の営業収益は前年同期比11.1%増の3,343百万円、営業利益は同23.8%増の697百万円、経常利益は同25.0%増の698百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同26.2%増の487百万円と2ケタ増収増益となり、期初会社計画に対しても売上高、利益ともに上回る好決算となった。
住宅金融事業が営業収益、営業利益ともに大きく伸長し、全体の業績をけん引した。業界全体でも消費増税前の駆け込み需要があり伸びているが、同社は業界平均を上回る伸びとなっており、市場シェアの拡大も好調の要因となっている。住宅瑕疵保険等事業については、マンション等の集合住宅向けが減少したものの、採算の良い戸建住宅向けが好調に推移し、営業利益は2ケタ増益となった。また、住宅アカデメイア事業は会計処理変更の影響※により減収となったが、営業利益は増益となっている。各事業における営業利益率が上昇し、なかでも利益率の高い住宅金融事業の構成比が高まったことで、全体の営業利益率も前年同期の18.7%から20.9%へ上昇した。
※協力企業に委託している設計サポート業務を、グロス売上計上からネット計上(粗利益率100%)に変更した。
(1) 住宅金融事業
当第2四半期累計の営業収益は前年同期比27.7%増の1,330百万円、営業利益は同29.8%増の403百万円と好調に推移した。主力商品のMSJフラット35の取扱件数が堅調に推移したほか、2019年3月期より新規に取り扱いを開始したフラット併用プロパー住宅ローン「ベストミックス」が大幅に増加し、収益性の向上に寄与した。融資実行件数合計は前年同期比45.2%増の3,323件と大幅に増加した。融資実行件数と営業収益の伸び率に乖離があるのは、利益率が高い「フラット35」以外の独自商品の取扱件数が大きく伸びたことによる。
収益拡大の要因は、業界全体が成長したことに加えて、同社の市場シェアが前期と比べて1〜2ポイント上昇したことが大きい。シェア拡大の要因は、営業人員の増員と新規に開設した店舗のパフォーマンスが良かったことに加えて、一部のフラット35取扱事業者で不適切融資(投資用マンションへの融資)の問題が発覚し、同社のシェアが相対的に高まったことも一因として挙げられる。同社は本社で最終的な審査の判断を行うなど、不正が行えない仕組みを当初から構築しており、他社との差別化要因になったと考えられる。
(2) 住宅瑕疵保険等事業
当第2四半期累計の営業収益は前年同期比5.1%増の1,771百万円、営業利益は同16.4%増の253百万円となった。保険証券や保証書、評価書、適合証などの発行件数については同6.2%増の57,760件と順調に増加している。共同住宅(マンション、アパート等)向けは減少したものの、戸建向けの住宅瑕疵保険や地盤保証などの販売が好調に推移した。多様な商品をクラウド上で一括して提供できる強みが生かされており、戸建向けに関しては市場シェアも前期と比べて1〜2ポイント上昇したもようだ。採算の良い戸建住宅向けが好調だったことや、クラウドの活用による販売効率化により、利益率も上昇している。
(3) 住宅アカデメイア事業
当第2四半期累計の営業収益は前年同期比14.6%減の241百万円、営業利益は同17.2%増の40百万円となった。前述したとおり一部会計処理を変更したことで減収となったが、住宅設備延長修理保証、住宅メンテナンス保証等の保証サービスの成約件数は前年同期比22.7%増の8,740件と好調に推移した。主要顧客の大手マンションデベロッパー2社向けは供給戸数の減少もあって苦戦したものの、中小デベロッパー向けの取り込みを強化したことでカバーした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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