エコモット Research Memo(1):IoTリーディングカンパニーを目指す経営方針を維持
[20/01/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
エコモット<3987>は、IoTインテグレーション分野において豊富な実績を持つ、IoT専業ソリューションベンダーである。政府としても「Society 5.0」実現の鍵として、IoTや人工知能(AI)をはじめとしたIT技術の社会実装を掲げていることから、IoTを利活用することで環境問題や少子高齢化など日本社会が直面する課題を解決することを企業使命としている。経営基盤強化により人員・開発投資に注力することで飛躍的成長を遂げ、日本を代表するIoTリーディングカンパニーを目指すというシナリオに狂いはない。
1. 国策の「i-Construction」に対応して、コンストラクションソリューションの高成長を図る
主要顧客市場である建設業向けコンストラクションソリューションの売上高は、2020年8月期第4四半期累計で10億円と前年同期比4割増を目指す。これは「現場ロイド」が対象とする市場規模を2018年5月時点で100億円と推定しており、市場開拓とシェア拡大の余地が大きいことによる。国土交通省は、地方整備局が取りまとめた現場ニーズに対し、i-Construction推進コンソーシアム技術開発・導入ワーキンググループ(WG)主催でマッチングイベントを行っており、同社の普及型エッジAIカメラやAI・GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)を利用する技術提案が採用された。同社は、引き続き営業リソースを強化し、「i-Construction」に則したサービス開発をすることで、コンストラクションソリューションの高成長を図るとしている。
2. 2020年8月期第1-第2四半期の業績
同社は決算期を3月から8月に変更したため、2020年8月期は17ヶ月の変則決算となる。2019年8月に札幌の企業を買収したことから、当第2四半期(2019年4〜9月期)は初の連結決算となった。ただし、連結子会社とした企業の事業規模が小さく、比較分析への影響が僅差であることから、前年同期の個別決算と比較した増減を表記している。2020年8月期第2四半期累計の売上高は前年同期比6.3%増の712百万円、営業損失は96百万円と前年同期よりも損失額が26百万円増えたものの、計画比では41百万円減少した。また、ストック売上比率の向上により、売上総利益率が前年同期比5.3ポイント増の37.6%に上昇した。
3. 2020年8月期第3-第4四半期の取り組み
同社は決算期変更に伴う2020年8月期の通期業績予想は開示していないが、第4四半期累計(2019年4月〜2020年3月)の業績予想は開示しており、売上高は前年同期比50.8%増の2,430百万円、営業利益は同534.7%増の159百万円を見込んでいる。なお、利益の変化率が大きいのは、前期に大幅減益となったためである。ソリューション別に見ると、創業事業で収益性の高いモニタリングソリューションは、子会社化した企業との連携により顧客層の拡大を進める。インテグレーションソリューションは、2019年7月より提供開始したLPWA圧力センサー・スイッチ「PSB-200」、2019年8月よりKDDI<9433>が開始した「KDDI IoTクラウド Standard」LOGGERコース(LPWA)サービスにより、LPWAビジネスの販促をかける。コンストラクションソリューションは、全国エリアでの拡販を目指した展示会への出展の強化しており、主要都市で業界特化型自社セミナーも展開している。コンストラクションソリューションと並んで営業リソースを集中しているGPSソリューションは、拡大を続けるMaaS市場に向けて、新たなカーテレマティクスソリューションサービスでパイオニアと協業した。パイオニアから供給を受ける先進運転支援システムを搭載した高性能ドライブレコーダーを投入し、白ナンバー業務用車両を多数保有する法人への営業強化により、今第3-第4四半期に売上増を図る。
■Key Points
・国策の「i-Construction」に対応して、コンストラクションソリューションの伸長を図る
・2020年8月期第2四半期累計の売上高は、前年同期比6.3%増の712百万円で着地
・経営基盤強化により、日本を代表するIoTリーディングカンパニーを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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エコモット<3987>は、IoTインテグレーション分野において豊富な実績を持つ、IoT専業ソリューションベンダーである。政府としても「Society 5.0」実現の鍵として、IoTや人工知能(AI)をはじめとしたIT技術の社会実装を掲げていることから、IoTを利活用することで環境問題や少子高齢化など日本社会が直面する課題を解決することを企業使命としている。経営基盤強化により人員・開発投資に注力することで飛躍的成長を遂げ、日本を代表するIoTリーディングカンパニーを目指すというシナリオに狂いはない。
1. 国策の「i-Construction」に対応して、コンストラクションソリューションの高成長を図る
主要顧客市場である建設業向けコンストラクションソリューションの売上高は、2020年8月期第4四半期累計で10億円と前年同期比4割増を目指す。これは「現場ロイド」が対象とする市場規模を2018年5月時点で100億円と推定しており、市場開拓とシェア拡大の余地が大きいことによる。国土交通省は、地方整備局が取りまとめた現場ニーズに対し、i-Construction推進コンソーシアム技術開発・導入ワーキンググループ(WG)主催でマッチングイベントを行っており、同社の普及型エッジAIカメラやAI・GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)を利用する技術提案が採用された。同社は、引き続き営業リソースを強化し、「i-Construction」に則したサービス開発をすることで、コンストラクションソリューションの高成長を図るとしている。
2. 2020年8月期第1-第2四半期の業績
同社は決算期を3月から8月に変更したため、2020年8月期は17ヶ月の変則決算となる。2019年8月に札幌の企業を買収したことから、当第2四半期(2019年4〜9月期)は初の連結決算となった。ただし、連結子会社とした企業の事業規模が小さく、比較分析への影響が僅差であることから、前年同期の個別決算と比較した増減を表記している。2020年8月期第2四半期累計の売上高は前年同期比6.3%増の712百万円、営業損失は96百万円と前年同期よりも損失額が26百万円増えたものの、計画比では41百万円減少した。また、ストック売上比率の向上により、売上総利益率が前年同期比5.3ポイント増の37.6%に上昇した。
3. 2020年8月期第3-第4四半期の取り組み
同社は決算期変更に伴う2020年8月期の通期業績予想は開示していないが、第4四半期累計(2019年4月〜2020年3月)の業績予想は開示しており、売上高は前年同期比50.8%増の2,430百万円、営業利益は同534.7%増の159百万円を見込んでいる。なお、利益の変化率が大きいのは、前期に大幅減益となったためである。ソリューション別に見ると、創業事業で収益性の高いモニタリングソリューションは、子会社化した企業との連携により顧客層の拡大を進める。インテグレーションソリューションは、2019年7月より提供開始したLPWA圧力センサー・スイッチ「PSB-200」、2019年8月よりKDDI<9433>が開始した「KDDI IoTクラウド Standard」LOGGERコース(LPWA)サービスにより、LPWAビジネスの販促をかける。コンストラクションソリューションは、全国エリアでの拡販を目指した展示会への出展の強化しており、主要都市で業界特化型自社セミナーも展開している。コンストラクションソリューションと並んで営業リソースを集中しているGPSソリューションは、拡大を続けるMaaS市場に向けて、新たなカーテレマティクスソリューションサービスでパイオニア
■Key Points
・国策の「i-Construction」に対応して、コンストラクションソリューションの伸長を図る
・2020年8月期第2四半期累計の売上高は、前年同期比6.3%増の712百万円で着地
・経営基盤強化により、日本を代表するIoTリーディングカンパニーを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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