カイカ Research Memo(6):2020年10月期は各事業の伸長により、大幅な増収及び損益改善を見込む
[20/01/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績見通し
2020年10月期の連結業績についてカイカ<2315>は、売上高を前期比9.5%増の8,326百万円、営業利益を369百万円(前期は615百万円の損失)、経常利益を242百万円(同1,111百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益を75百万円(同1,753百万円の損失)と大幅な増収及び損益改善により、黒字転換を見込んでいる。
売上高は、2019年10月期に引き続き、ネクス・ソリューションズの売却による影響がマイナス要因(9ヶ月分)として残るものの、その要因を除けば、各事業が伸長する計画である。特に、これまで投資フェーズにあった「仮想通貨関連事業」及び「金融商品取引事業」がいよいよ回収フェーズに入ってくるほか、「HRテクノロジー事業」についても、エイム・ソフト及びネクストエッジの連結効果に加え、高度IT技術者の人材不足対策として法人・個人から注目を集めている「iStudy ACADEMY」の拡販が業績の伸びをけん引する想定となっているようだ※。
※「HRテクノロジー事業」を担っているアイスタディの業績予想(2020年10月期)は、売上高が1,871百万円、営業利益が144百万円と公表されている。
利益面でも、増収による収益の底上げのほか、開発コストの一巡や費用削減等により大幅な損益改善を図り、各事業での利益貢献を見込んでいる。
事業別の取り組み方針は以下のとおりである。
(1) 情報サービス事業
大手SIer等の既存顧客からの受注拡大に備えるほか、新規顧客の開拓にも取り組む。また、インフラ及びセキュリティ分野に注力し、事業拡大を図るとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)セキュリティコンサルティングの強化を進める方針。
(2) 仮想通貨関連事業
2019年10月期に引き続き、同社グループが開発した高度なセキュリティ機能を実装した仮想通貨交換所の外部向け販売に注力する方針。仮想通貨交換業者やみなし仮想通貨交換業者、新規参入意向のある企業をはじめ、今後は海外展開も視野に入れた営業活動を本格化していく。また、前述のとおり、自社製品としてすでに開発・販売している「仮想通貨交換所システム」の多機能版が近々完成予定であり、今後は投資回収フェーズに移行する見通しである。
(3) 金融商品取引事業
eワラント証券自身による直接販売「eワラント・ダイレクト」を早期に軌道に乗せるとともに、差金決済取引(CFD)の取り扱い検討、カバードワラント(eワラント)の原資産の多様化など、魅力ある金融商品の開発により売上げの拡大を実現する方針。また、幅広い媒体でのセミナー実施により商品理解の促進を継続するほか、同社グループ全体の営業網を活用した新規顧客の獲得(仮想通貨交換所からの送客など)にも取り組む。
(4) HRテクノロジー事業
中堅企業向けにリリースした新LMS「SLAP」の新規顧客開拓及び既存顧客の深耕を行うとともに、アイスタディの子会社となったエイム・ソフト、ネクストエッジ及び東京テック※との事業上の連携活動とコスト最適化に取り組む。また、「iStudy ACADEMY」についても、体系化を進めてきたeラーニングコンテンツが、高度IT技術者の人材不足を背景として、法人・個人の両方から注目されており、受講申し込みやアライアンスの相談などが増えているようだ。
※同社の子会社であった東京テックについては、アイスタディとの事業連携強化の目的から、アイスタディの子会社(同社の孫会社)に移行している。
弊社でも、これまで投資フェーズにあった「仮想通貨関連事業」及び「金融商品取引事業」について、今後の成長に向けた事業基盤が整ってきたことや、高度IT技術者の人材確保につながる「HRテクノロジー事業」の伸びが期待できることなどから、同社の業績予想の達成は十分に達成可能と見ている。特に、自社開発による「仮想通貨交換所システム」の外販に向けた動き、「eワラント・ダイレクト」(直接販売)の立ち上がりと収益性への影響、「iStudy ACADEMY」の拡販や人材面での連携など、今後の収益ドライバーの育成につながる活動の成果にも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2020年10月期の連結業績についてカイカ<2315>は、売上高を前期比9.5%増の8,326百万円、営業利益を369百万円(前期は615百万円の損失)、経常利益を242百万円(同1,111百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益を75百万円(同1,753百万円の損失)と大幅な増収及び損益改善により、黒字転換を見込んでいる。
売上高は、2019年10月期に引き続き、ネクス・ソリューションズの売却による影響がマイナス要因(9ヶ月分)として残るものの、その要因を除けば、各事業が伸長する計画である。特に、これまで投資フェーズにあった「仮想通貨関連事業」及び「金融商品取引事業」がいよいよ回収フェーズに入ってくるほか、「HRテクノロジー事業」についても、エイム・ソフト及びネクストエッジの連結効果に加え、高度IT技術者の人材不足対策として法人・個人から注目を集めている「iStudy ACADEMY」の拡販が業績の伸びをけん引する想定となっているようだ※。
※「HRテクノロジー事業」を担っているアイスタディの業績予想(2020年10月期)は、売上高が1,871百万円、営業利益が144百万円と公表されている。
利益面でも、増収による収益の底上げのほか、開発コストの一巡や費用削減等により大幅な損益改善を図り、各事業での利益貢献を見込んでいる。
事業別の取り組み方針は以下のとおりである。
(1) 情報サービス事業
大手SIer等の既存顧客からの受注拡大に備えるほか、新規顧客の開拓にも取り組む。また、インフラ及びセキュリティ分野に注力し、事業拡大を図るとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)セキュリティコンサルティングの強化を進める方針。
(2) 仮想通貨関連事業
2019年10月期に引き続き、同社グループが開発した高度なセキュリティ機能を実装した仮想通貨交換所の外部向け販売に注力する方針。仮想通貨交換業者やみなし仮想通貨交換業者、新規参入意向のある企業をはじめ、今後は海外展開も視野に入れた営業活動を本格化していく。また、前述のとおり、自社製品としてすでに開発・販売している「仮想通貨交換所システム」の多機能版が近々完成予定であり、今後は投資回収フェーズに移行する見通しである。
(3) 金融商品取引事業
eワラント証券自身による直接販売「eワラント・ダイレクト」を早期に軌道に乗せるとともに、差金決済取引(CFD)の取り扱い検討、カバードワラント(eワラント)の原資産の多様化など、魅力ある金融商品の開発により売上げの拡大を実現する方針。また、幅広い媒体でのセミナー実施により商品理解の促進を継続するほか、同社グループ全体の営業網を活用した新規顧客の獲得(仮想通貨交換所からの送客など)にも取り組む。
(4) HRテクノロジー事業
中堅企業向けにリリースした新LMS「SLAP」の新規顧客開拓及び既存顧客の深耕を行うとともに、アイスタディの子会社となったエイム・ソフト、ネクストエッジ及び東京テック※との事業上の連携活動とコスト最適化に取り組む。また、「iStudy ACADEMY」についても、体系化を進めてきたeラーニングコンテンツが、高度IT技術者の人材不足を背景として、法人・個人の両方から注目されており、受講申し込みやアライアンスの相談などが増えているようだ。
※同社の子会社であった東京テックについては、アイスタディとの事業連携強化の目的から、アイスタディの子会社(同社の孫会社)に移行している。
弊社でも、これまで投資フェーズにあった「仮想通貨関連事業」及び「金融商品取引事業」について、今後の成長に向けた事業基盤が整ってきたことや、高度IT技術者の人材確保につながる「HRテクノロジー事業」の伸びが期待できることなどから、同社の業績予想の達成は十分に達成可能と見ている。特に、自社開発による「仮想通貨交換所システム」の外販に向けた動き、「eワラント・ダイレクト」(直接販売)の立ち上がりと収益性への影響、「iStudy ACADEMY」の拡販や人材面での連携など、今後の収益ドライバーの育成につながる活動の成果にも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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