マザーズ市場 2020年の投資戦略 vol.1 〜2019年のマザーズ市場を振り返る〜
[20/01/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
以下は、2020年1月27日にYouTubeチャンネル「FiscoTV」で配信された「マザーズ市場 2020年の投資戦略」である。フィスコマーケットレポーターの橋本 真依氏とフィスコの株式アナリストである雲宮 祥士氏が、対談形式でマザーズ市場の2020年の投資戦略について解説している。全3回に分けて配信する。
橋本:こんにちは、フィスコマーケットレポーターの橋本 真依です。2019年があっという間に終わり、令和2年となりました。今回の動画では、足元のマザーズ市場の動向を確認した後に、2月に決算発表を控える銘柄の注目しておきたいポイントについて、フィスコ・マーケットアナリストの雲宮 祥士さんに解説いただきます。雲宮さん、よろしくお願いします。
雲宮:はい、よろしくお願いします。2019年の東京株式市場では、年前半はアメリカと中国との通商対話を巡るニュースフローに大きく振らされる展開が続きました。一方で、秋口以降は米中貿易摩擦への過度な警戒感の後退を背景にした日本企業の業績底入れに対する期待感が高まり、株価も総じてリバウンド基調。日経平均は12月に24000円台を回復するかたちとなりました。そんななか、成長企業向けの市場とされるマザーズ市場はどのような状況であったかを見ていきましょう。
2019年(2018年末から2020年初含)にかけてのマザーズ指数とその出来高の推移を見ると、マザーズ指数は2019年夏場にかけて上値を切り下げるような動きが続いておりましたが、12月末にかけては出来高も伴って戻り基調となっていることがわかります。
橋本:そうなんですね。この間に、マザーズ市場で目立った動きなどはあったのでしょうか。
雲宮:はい。昨年末にかけて、米中貿易交渉で「第1段階」の合意が決定したことや、12月に行われたイギリスの総選挙で与党・保守党が大勝を果たしたことで20年末の欧州連合(EU)からの完全離脱に向けた大幅に前進したことなどにより、昨年を通して再三振らされたこの世界の2大リスク要因がいったん後退しました。これに伴って、マザーズ投資家のセンチメントにも好影響を与えました。
また、クラウド会計ソフトを手がけるフリー<4478>などをはじめとした12月のIPO銘柄が総じて好調な初値形成をみせたこともあり、年末にかけてマザーズ時価総額上位銘柄への良好な資金循環も生まれました。マザーズ指数は2019年の一年間で約10.5%の上昇となりましたが、日経平均やTOPIXと比べるとまだアンダーパフォームしており、依然としてマザーズの出遅れ感は意識される格好となっています。
橋本:マクロの投資環境が個人投資家心理にも影響しているのですね。マザーズ市場の参加者は個人投資家がメインのイメージが強いのですが、このあたりに変化はないのでしょうか。
雲宮:マザーズ市場の2019年分の投資主体別売買高の大半を占める委託取引の内訳を見てみると、個人投資家が56.5%、海外投資家は38.4%となりました。ご指摘の通り、2019年時点ではマザーズ市場参加者の過半数を個人投資家が占めるといった皆さんのイメージ通りの構図となっています。
一方で、海外投資家の動向には変化の兆しもみられております。個人投資家のイメージが強いマザーズ市場ですが、特に2015年以降、年々海外投資家比率が増加傾向にあることが目立っています。
背景としては、2015年以降、金融庁と東京証券取引所によりコーポレートガバナンスコード原案が公表されたほか、中国向けビザ緩和などにより訪日客が急増したことなどが主な要因として挙げられます。訪日客急増に伴って東京市場全体が再注目されるきっかけにつながっているほか、これまで情報量の少なかったマザーズ市場に対してもコーポレート・ガバナンスや流動性を重視するとされる海外投資家の関心が少しずつ集まり始めている可能性がありそうです。
橋本:現状は個人投資家がやはり大半を占めていますが、海外投資家比率が増加し始めているのは意外でした。2020年のマザーズ市場はどうなりそうでしょうか。
雲宮:基本的には2019年に意識された日経平均やTOPIXと比べた出遅れ感を意識した物色が強まるシナリオを想定しております。物色対象としても、2019年に時価総額を大きく伸ばした銘柄のなかで、業容拡大期待の高い銘柄中心に投資資金を集めるシナリオが想定されるかと思います。
?「マザーズ市場 2020年の投資戦略 vol.2 〜2019年のマザーズ市場を振り返る〜」に続く?
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橋本:こんにちは、フィスコマーケットレポーターの橋本 真依です。2019年があっという間に終わり、令和2年となりました。今回の動画では、足元のマザーズ市場の動向を確認した後に、2月に決算発表を控える銘柄の注目しておきたいポイントについて、フィスコ・マーケットアナリストの雲宮 祥士さんに解説いただきます。雲宮さん、よろしくお願いします。
雲宮:はい、よろしくお願いします。2019年の東京株式市場では、年前半はアメリカと中国との通商対話を巡るニュースフローに大きく振らされる展開が続きました。一方で、秋口以降は米中貿易摩擦への過度な警戒感の後退を背景にした日本企業の業績底入れに対する期待感が高まり、株価も総じてリバウンド基調。日経平均は12月に24000円台を回復するかたちとなりました。そんななか、成長企業向けの市場とされるマザーズ市場はどのような状況であったかを見ていきましょう。
2019年(2018年末から2020年初含)にかけてのマザーズ指数とその出来高の推移を見ると、マザーズ指数は2019年夏場にかけて上値を切り下げるような動きが続いておりましたが、12月末にかけては出来高も伴って戻り基調となっていることがわかります。
橋本:そうなんですね。この間に、マザーズ市場で目立った動きなどはあったのでしょうか。
雲宮:はい。昨年末にかけて、米中貿易交渉で「第1段階」の合意が決定したことや、12月に行われたイギリスの総選挙で与党・保守党が大勝を果たしたことで20年末の欧州連合(EU)からの完全離脱に向けた大幅に前進したことなどにより、昨年を通して再三振らされたこの世界の2大リスク要因がいったん後退しました。これに伴って、マザーズ投資家のセンチメントにも好影響を与えました。
また、クラウド会計ソフトを手がけるフリー<4478>などをはじめとした12月のIPO銘柄が総じて好調な初値形成をみせたこともあり、年末にかけてマザーズ時価総額上位銘柄への良好な資金循環も生まれました。マザーズ指数は2019年の一年間で約10.5%の上昇となりましたが、日経平均やTOPIXと比べるとまだアンダーパフォームしており、依然としてマザーズの出遅れ感は意識される格好となっています。
橋本:マクロの投資環境が個人投資家心理にも影響しているのですね。マザーズ市場の参加者は個人投資家がメインのイメージが強いのですが、このあたりに変化はないのでしょうか。
雲宮:マザーズ市場の2019年分の投資主体別売買高の大半を占める委託取引の内訳を見てみると、個人投資家が56.5%、海外投資家は38.4%となりました。ご指摘の通り、2019年時点ではマザーズ市場参加者の過半数を個人投資家が占めるといった皆さんのイメージ通りの構図となっています。
一方で、海外投資家の動向には変化の兆しもみられております。個人投資家のイメージが強いマザーズ市場ですが、特に2015年以降、年々海外投資家比率が増加傾向にあることが目立っています。
背景としては、2015年以降、金融庁と東京証券取引所によりコーポレートガバナンスコード原案が公表されたほか、中国向けビザ緩和などにより訪日客が急増したことなどが主な要因として挙げられます。訪日客急増に伴って東京市場全体が再注目されるきっかけにつながっているほか、これまで情報量の少なかったマザーズ市場に対してもコーポレート・ガバナンスや流動性を重視するとされる海外投資家の関心が少しずつ集まり始めている可能性がありそうです。
橋本:現状は個人投資家がやはり大半を占めていますが、海外投資家比率が増加し始めているのは意外でした。2020年のマザーズ市場はどうなりそうでしょうか。
雲宮:基本的には2019年に意識された日経平均やTOPIXと比べた出遅れ感を意識した物色が強まるシナリオを想定しております。物色対象としても、2019年に時価総額を大きく伸ばした銘柄のなかで、業容拡大期待の高い銘柄中心に投資資金を集めるシナリオが想定されるかと思います。
?「マザーズ市場 2020年の投資戦略 vol.2 〜2019年のマザーズ市場を振り返る〜」に続く?
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