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RSテクノ Research Memo(8):中期経営計画で2023年12月期に売上高316億円を目指す

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

2. 中期経営計画
RS Technologies<3445>は新たな中期経営計画(4ヶ年)を発表している。2020年12月期は中国子会社における工場移転の影響などにより、減収減益を計画しているが、2021年12月期以降は再び成長ステージに移行し、2023年12月期に売上高で31,600百万円、営業利益で6,800百万円を目標に掲げている。営業利益率は2020年12月期の14.1%を底に、2023年12月期は21.5%を目指す。投資拡大により減価償却費が増加するものの、増収効果でカバーする。2019年12月期を起点とした4年間の平均成長率は、売上高で7%、営業利益で10%となる。この間の半導体市場の成長率は5%成長を前提としており、達成可能な水準と弊社では見ている。

(1) 再生ウェーハ事業
再生ウェーハ事業については、12インチウェーハの業界シェア40%を目指して、日本及び台湾での能力増強に加えて、2022年より中国の合弁会社でも量産を開始する。12インチ再生ウェーハの月産能力はグループ全体で2019年12月期の40万枚から2022年12月期には50万枚に拡大することになる。

設備投資計画について見ると、国内では2020年に2億円、2021年に10億円、2022年に2億円を投資し、月産能力は2021年に27万枚、2022年に28万枚に拡大する。一方、台湾については2020年、2021年と各2億円、2022年に10億円を投資し、月産能力は2021年の15万枚から2022年に17万枚に拡大する。2022年の主な投資として、微細化対応のための検査機や研磨機の導入を予定している。なお、2022年以降に中国での量産が開始されれば、現在、国内から中国へ輸出している分を徳州工場からの出荷に切り替え、国内工場で余った能力については日本・アジア・欧米に振り向けていくことにしている。

(2) プライムウェーハ事業
プライムウェーハ事業では、8インチウェーハの生産能力を現在の月産7万枚から2021年に12万枚に拡大する計画となっているが、2020年は工場移転に伴い一時的に能力が落ちることになる。時系列で見ると、北京工場については2020年1月から9月末にかけて設備を徳州工場に順次移管、8インチの生産を終了する予定となっている。

一方、徳州工場では移設した設備で10月から順次稼働を開始し、2021年に従来と同様の7万枚の生産を目指している。また、新設分についても10月以降順次稼働を開始し、2021年に5万枚の生産を計画している。これら能力増強投資として2020年12月期は140億円の設備投資を計画している。

(3) 半導体産業を国策として育成する中国
中国政府は半導体産業を国策として育成しており、現在、15%程度にとどまっている国産化率を2025年に70%まで引き上げていくことを目指している。ファブレスメーカーでは既に、華為技術(Huawei Technologies)傘下の海思半導体(HiSilicon Technology)がスマートフォン向けチップセット「Kirin」で世界トップの設計開発力を持つことを証明しており、売上規模も70億ドル超まで成長している。ただ、半導体の製造技術や材料技術についてはまだまだ遅れを取っているのが実情で、中国最大のファウンダリーメーカーであるSemiconductor Manufacturing International Corporation(SMIC)でも売上高は30億ドル強の水準にとどまっている。最先端の半導体を製造するためには、微細な配線パターンを形成するための製造装置や高品質なシリコンウェーハなどが必要となるが、現状はいずれも海外からの調達に依存しており、最先端分野の半導体の量産技術が蓄積されていないことが要因と見られる。

とはいえ、液晶ディスプレイ市場ではここ10年間で政府の補助金の後押しによる積極投資により、台湾や韓国のメーカーからのシェア奪取に成功している。半導体市場でも同様の動きとなる可能性は十分あり、中国で現地政府などからの支援を得て事業展開している同社にとっても追い風となるのは間違いない。2019年12月期の中国向け売上構成比は30.0%だが、12インチ再生ウェーハやプライムウェーハの量産化が始まれば、その比率はさらに上昇し同社の収益拡大に貢献するものと予想される。

(4) 今後の事業領域及び販売地域の展開
同社は長期的な戦略として、事業領域と販売地域の拡大を進めていく方針としている。現在、新規展開を予定しているものとして、中国で生産しているプライムウェーハの中国以外の地域への販売が挙げられる。日米欧市場で採用されるためには更なる品質の向上が求められるが、同社ではキャッチアップを成し遂げ、世界へ販売していくことを目指している。また、商社機能として半導体・電子部品、消耗材などの販売を日本と中国で展開しているが、今後、欧米市場での販売展開も進めていく予定にしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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