Jトラスト Research Memo(6):日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業を中心に業績は回復基調(4)
[20/06/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■Jトラスト<8508>の業績動向
(4) 投資事業
投資事業では、シンガポールを拠点に、事業のシナジー性や商品力などを総合的に判断し、投資先を選定する。特に、金融事業あるいは金融事業とシナジー効果が見込める事業に投資している。
投資事業は、現在係争中のJトラストアジアが保有するGLに対する債権の全額について200億円超の貸倒引当金繰入額を計上したこと等により、2019年3月期には大幅な損失を計上した。また、2020年12月期第1四半期も、GLとの訴訟関係費用の継続計上により、営業収益は281百万円、営業損失は473百万円となった。ただ、既に十分な貸倒引当金を引き当てたことで、今後は将来の回収金は利益計上されることになるため、回収に尽力することでグループ全体の業績回復に貢献する計画である。
(5) 非金融事業
同社グループでは、非金融事業として総合エンターテインメント事業、不動産事業、システム事業などを展開している。2019年7月1日付で(株)allfuz(オルファス)と(株)KeyStudio(キースタジオ)を統合、同年8月1日付で(株)KeyProduction(キープロダクション)とFOOLENLARGE(フーリンラージ)(株)を統合し商号を変更するなど、事業の整理により経営効率化を進めている。
2020年12月期第1四半期の総合エンターテインメント事業と不動産事業を合算した営業収益は2,708百万円となったが、総合エンターテインメント事業の赤字により営業損失122百万円を計上した。同社グループでは、非金融事業の整理により効率経営を進めてきたが、本業である金融事業とのシナジーを考えると、非金融事業は今後もさらに見直しの余地が大きい事業分野と言えるだろう。
ただし一方で、2020年5月14日に同社子会社である(株)KeyHolderは、女性アイドルグループ「乃木坂46」の芸能プロダクション会社の持分50%を保有する(株)ノースリバーの全株式取得に関する基本合意書を締結することを決議した。同社は現在、女性アイドルグループ「SKE 48」の事業を運営しているが、乃木坂46がコンテンツとして加われば、シナジー効果と収益力向上が期待できるだろう。
3. 財政状況と経営指標
2020年12月期第1四半期末の資産合計は、前期末比31,940百万円減の699,443百万円となった。これは主に、現金及び現金同等物が12,500百万円、銀行業における貸出金が8,180百万円、営業債権及びその他の債権が8,654百万円それぞれ減少したこと等による。一方、負債合計は、同25,804百万円減の586,674百万円となった。これは主に、銀行業における預金が22,463百万円減少したこと等による。資本合計については、同6,136百万円減の112,769百万円となった。これは主に、利益剰余金が1,431百万円増加した一方で、海外子会社等の換算差額等の減少によりその他の資本の構成要素が7,651百万円減少したこと等によるものである。
以上の結果、2020年12月期第1四半期末の親会社所有者帰属持分比率は13.4%であった。同比率は2017年3月期末の24.2%から低下しているが、2019年3月期の東証1部銀行業の5%強やその他金融業の6%台半ばを大きく上回る強固な財務基盤を維持しており、今後は利益の積み上げに伴い、徐々に改善に向かうと予想される。
2020年12月期第1四半期のキャッシュ・フローの状況では、現金及び現金同等物は前期末比12,500百万円減の69,413百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローの増加2,970百万円は、主に銀行業における貸出金の増加により資金が減少した一方で、銀行業における預金の増加と営業債権及びその他の債権の減少により、資金が増加したためである。投資活動によるキャッシュ・フローの減少9,972百万円は、銀行業において有価証券の取得による支出が有価証券の売却による収入を上回ったことで、資金が減少したことによる。また、財務活動による資金の増加は9百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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(4) 投資事業
投資事業では、シンガポールを拠点に、事業のシナジー性や商品力などを総合的に判断し、投資先を選定する。特に、金融事業あるいは金融事業とシナジー効果が見込める事業に投資している。
投資事業は、現在係争中のJトラストアジアが保有するGLに対する債権の全額について200億円超の貸倒引当金繰入額を計上したこと等により、2019年3月期には大幅な損失を計上した。また、2020年12月期第1四半期も、GLとの訴訟関係費用の継続計上により、営業収益は281百万円、営業損失は473百万円となった。ただ、既に十分な貸倒引当金を引き当てたことで、今後は将来の回収金は利益計上されることになるため、回収に尽力することでグループ全体の業績回復に貢献する計画である。
(5) 非金融事業
同社グループでは、非金融事業として総合エンターテインメント事業、不動産事業、システム事業などを展開している。2019年7月1日付で(株)allfuz(オルファス)と(株)KeyStudio(キースタジオ)を統合、同年8月1日付で(株)KeyProduction(キープロダクション)とFOOLENLARGE(フーリンラージ)(株)を統合し商号を変更するなど、事業の整理により経営効率化を進めている。
2020年12月期第1四半期の総合エンターテインメント事業と不動産事業を合算した営業収益は2,708百万円となったが、総合エンターテインメント事業の赤字により営業損失122百万円を計上した。同社グループでは、非金融事業の整理により効率経営を進めてきたが、本業である金融事業とのシナジーを考えると、非金融事業は今後もさらに見直しの余地が大きい事業分野と言えるだろう。
ただし一方で、2020年5月14日に同社子会社である(株)KeyHolderは、女性アイドルグループ「乃木坂46」の芸能プロダクション会社の持分50%を保有する(株)ノースリバーの全株式取得に関する基本合意書を締結することを決議した。同社は現在、女性アイドルグループ「SKE 48」の事業を運営しているが、乃木坂46がコンテンツとして加われば、シナジー効果と収益力向上が期待できるだろう。
3. 財政状況と経営指標
2020年12月期第1四半期末の資産合計は、前期末比31,940百万円減の699,443百万円となった。これは主に、現金及び現金同等物が12,500百万円、銀行業における貸出金が8,180百万円、営業債権及びその他の債権が8,654百万円それぞれ減少したこと等による。一方、負債合計は、同25,804百万円減の586,674百万円となった。これは主に、銀行業における預金が22,463百万円減少したこと等による。資本合計については、同6,136百万円減の112,769百万円となった。これは主に、利益剰余金が1,431百万円増加した一方で、海外子会社等の換算差額等の減少によりその他の資本の構成要素が7,651百万円減少したこと等によるものである。
以上の結果、2020年12月期第1四半期末の親会社所有者帰属持分比率は13.4%であった。同比率は2017年3月期末の24.2%から低下しているが、2019年3月期の東証1部銀行業の5%強やその他金融業の6%台半ばを大きく上回る強固な財務基盤を維持しており、今後は利益の積み上げに伴い、徐々に改善に向かうと予想される。
2020年12月期第1四半期のキャッシュ・フローの状況では、現金及び現金同等物は前期末比12,500百万円減の69,413百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローの増加2,970百万円は、主に銀行業における貸出金の増加により資金が減少した一方で、銀行業における預金の増加と営業債権及びその他の債権の減少により、資金が増加したためである。投資活動によるキャッシュ・フローの減少9,972百万円は、銀行業において有価証券の取得による支出が有価証券の売却による収入を上回ったことで、資金が減少したことによる。また、財務活動による資金の増加は9百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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