アイナボHD Research Memo(3):2020年9月期第2四半期は、営業利益は前年同期比0.3%増を確保
[20/06/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年9月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2020年9月期第2四半期の連結業績は、売上高35,646百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益1,552百万円(同0.3%増)、経常利益1,670百万円(同0.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,060百万円(同4.1%増)となった。
営業利益の増減を分析すると、増益要因としては、増収によるプラス効果12百万円、売上総利益率改善(0.3ポイントアップ)による増加が87百万円、一方でマイナス要因としては販管費の増加などによる影響が95百万円であった。その結果、営業利益は前年同期比で5百万円増加した。販管費の増加は主に新人事制度改革によるものであった。
(2) セグメント別状況
セグメント別及びサブセグメント別状況は以下のようであった。
a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は29,856百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益は1,532百万円(同11.6%減)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が7,653百万円(同3.6%増)、住設工事が8,743百万円(同3.6%減)、建材販売が7,464百万円(同0.6%増)、住設販売が5,994百万円(同11.3%減)となった。
住設工事と住設販売が減収となったが、通常の営業状況がやや不振であったことに加えて、2月から3月にかけてコロナの影響により一部商品に欠品や搬入遅れが生じたことも影響したようだ。また主に東海地方を中心に事業展開する子会社(株)インテルグローの業績もやや不振であった。利益面では、売上総利益率は落ち込んでいないが、期末にかけてコロナの影響で資材発送の見直しなど、追加経費が発生したこともありセグメント利益は減益となった。
b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は5,789百万円(同16.9%増)、セグメント利益は681百万円(同57.7%増)となった。サブセグメント別売上高では、タイル販売・工事が2,346百万円(同10.6%増)、住設販売・工事が3,442百万円(同21.6%増)となった。以前から受注していたオリンピック関連などの長期案件が完工したことなどから増収となり、これらの案件は比較的採算が良かったこともあり利益率が改善し増収・増益となった。
(3) 事業会社別業績
各事業会社の業績は以下のようであった。主力子会社である(株)アベルコの結果はまずまずであったが、主に東海地方を地盤とするインテルグローは不振であった。一方で、温調技研(株)(主に首都圏を中心に公共施設向けの空調リニューアルなどを行う)の業績は好調。また関西圏を地盤とする(株)今村は、同社グループとして様々な改革・改善を進行中であることから、業績面ではまだ低位にとどまっている。
(4) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」とした各課題の達成状況は以下のようであった。
注力しているサイディングは前年同期比で微減、サイディングプレカットについては前年同期比の伸びは微増であったが、新管理システムの導入により利益率は改善しており、内容は良くなっている。木質建材(主に天井材やフローリング)も順調に増加している。サッシについては、サッシ支店(住宅ではなく中小ビルや施設向けの営業部隊)を含めて伸びている。ブランド事業については、期待されたほど伸びてはいないが、期によって浮き沈みが激しいアルティスは2020年10月に分社化することを計画している。新規顧客開拓では、金額は伸びていないが件数は増加しており、水準としては問題がない。ZEH /ゼロエネ/認定住宅の件数は依然として低いが、これらの施工を確実に行うにはかなりレベルの高い職人が必要であり、実行するのは容易ではない。この現実を行政・業界ともに理解し始めており、今後は指針や市場そのものが変わってくる可能性がある。
同社では現在、通常の戸建て住宅市場以外に非住宅市場(体育館、公共施設等)を攻略することに注力しているが、その中心となる商材が「サイディング+サッシ+耐火ボード」であり、今後もこれらの重点商材の拡販に注力する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
1. 2020年9月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2020年9月期第2四半期の連結業績は、売上高35,646百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益1,552百万円(同0.3%増)、経常利益1,670百万円(同0.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,060百万円(同4.1%増)となった。
営業利益の増減を分析すると、増益要因としては、増収によるプラス効果12百万円、売上総利益率改善(0.3ポイントアップ)による増加が87百万円、一方でマイナス要因としては販管費の増加などによる影響が95百万円であった。その結果、営業利益は前年同期比で5百万円増加した。販管費の増加は主に新人事制度改革によるものであった。
(2) セグメント別状況
セグメント別及びサブセグメント別状況は以下のようであった。
a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は29,856百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益は1,532百万円(同11.6%減)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が7,653百万円(同3.6%増)、住設工事が8,743百万円(同3.6%減)、建材販売が7,464百万円(同0.6%増)、住設販売が5,994百万円(同11.3%減)となった。
住設工事と住設販売が減収となったが、通常の営業状況がやや不振であったことに加えて、2月から3月にかけてコロナの影響により一部商品に欠品や搬入遅れが生じたことも影響したようだ。また主に東海地方を中心に事業展開する子会社(株)インテルグローの業績もやや不振であった。利益面では、売上総利益率は落ち込んでいないが、期末にかけてコロナの影響で資材発送の見直しなど、追加経費が発生したこともありセグメント利益は減益となった。
b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は5,789百万円(同16.9%増)、セグメント利益は681百万円(同57.7%増)となった。サブセグメント別売上高では、タイル販売・工事が2,346百万円(同10.6%増)、住設販売・工事が3,442百万円(同21.6%増)となった。以前から受注していたオリンピック関連などの長期案件が完工したことなどから増収となり、これらの案件は比較的採算が良かったこともあり利益率が改善し増収・増益となった。
(3) 事業会社別業績
各事業会社の業績は以下のようであった。主力子会社である(株)アベルコの結果はまずまずであったが、主に東海地方を地盤とするインテルグローは不振であった。一方で、温調技研(株)(主に首都圏を中心に公共施設向けの空調リニューアルなどを行う)の業績は好調。また関西圏を地盤とする(株)今村は、同社グループとして様々な改革・改善を進行中であることから、業績面ではまだ低位にとどまっている。
(4) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」とした各課題の達成状況は以下のようであった。
注力しているサイディングは前年同期比で微減、サイディングプレカットについては前年同期比の伸びは微増であったが、新管理システムの導入により利益率は改善しており、内容は良くなっている。木質建材(主に天井材やフローリング)も順調に増加している。サッシについては、サッシ支店(住宅ではなく中小ビルや施設向けの営業部隊)を含めて伸びている。ブランド事業については、期待されたほど伸びてはいないが、期によって浮き沈みが激しいアルティスは2020年10月に分社化することを計画している。新規顧客開拓では、金額は伸びていないが件数は増加しており、水準としては問題がない。ZEH /ゼロエネ/認定住宅の件数は依然として低いが、これらの施工を確実に行うにはかなりレベルの高い職人が必要であり、実行するのは容易ではない。この現実を行政・業界ともに理解し始めており、今後は指針や市場そのものが変わってくる可能性がある。
同社では現在、通常の戸建て住宅市場以外に非住宅市場(体育館、公共施設等)を攻略することに注力しているが、その中心となる商材が「サイディング+サッシ+耐火ボード」であり、今後もこれらの重点商材の拡販に注力する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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