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システム ディ Research Memo(7):2020年10月期は中期経営計画目標「経常利益6億円」を達成(1)

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2020年10月期の業績見通し
システム ディ<3804>の2020年10月期の連結業績は、売上高で前期比4.4%増の3,722百万円、経常利益で同12.7%増の606百万円と期首計画を据え置いた。2020年10月期第2四半期までの通期計画に対する進捗率は売上高で57.3%、営業利益で93.7%と高進捗となっているが、新型コロナウイルス感染症拡大により、新規顧客獲得のための営業活動を3〜5月に制限された影響が今後出てくる可能性もあるためだ。

同社の業績は四半期ベースで第2四半期、第4四半期に偏重する傾向にある。クラウドサービスが伸びているとはいえ、まだオンプレミスでのパッケージソフトの販売比率が高いことが要因となっている。新規顧客の獲得については主に展示会に出展し、そのなかで見込み顧客との商談機会を得て、受注につなげていくケースが多いが、2020年春は新型コロナウイルス感染症の影響で展示会が中止となったため、インターネットの活用や電話営業となり十分な販売活動を行えなかった。春の展示会で獲得した見込み顧客から受注が売上に計上されるタイミングは第4四半期となるケースが多く、その動向を見極める必要もある。ただ、主力分野である学校や自治体向けについては既に予算が確保されているため、感染症拡大が一段と深刻なものにならない限りは、通期業績も会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。

なお、今回の新型コロナウイルス感染症拡大による市場環境の変化について、自治体や学校においては改めてクラウドサービスの重要性を確認するきっかけとなり、今後もIT投資拡大を追い風に事業規模を拡大する好機になると見ている。また、新型コロナウイルス感染症によって新たな生活様式への対応が求められるなか、顧客から就業スタイルや就学スタイルの変化に適応した追加機能の要望も出はじめている。学校向けでは、出欠管理分散登校、在宅レポートチェック、遠隔授業対応の施設予約システムなどで、そのほかの分野でもレッスンWeb予約機能や混雑情報表示機能等のニーズがあり、現在、開発を進めている状況にある。開発費用の増加要因とはなるが、ソフトウェア資産として計上し定額償却するため単年度当たりの負担は軽微にとどまる見込みとなっている。同社ではこうした機能の拡充を図ることで製品の競争力を強化し、更なるシェア拡大につなげていく考えだ。

なお、2020年10月期は中期経営計画の最終年度となるが、経営数値目標として掲げた「経常利益606百万円」を達成し、将来の礎となる事業基盤を構築することを事業方針として掲げ、取り組む主なテーマとして以下の5点を挙げている。

(1) 事業部間連携によるソリューションの横展開と深掘り
同社は現在6事業部門を展開しているが、顧客が重なっているケースも多い。事業部間連携を密にしていくことで顧客に対して複数の製品・サービスの提案・販売などを推進し、売上規模の拡大を図っていく。

(2) 次世代パッケージソフト「スマート・ソリューション」の提供開始
同社はシェア拡大施策として、パッケージソフトの性能・品質向上による高効率ビジネスを進めてきたが、主力製品がほぼ完成域まで達してきたことから、次の10年を支える次世代製品の開発を各事業部で進めており、順次市場に投入していくことで更なるシェア拡大、売上向上を目指している。第1弾として2019年11月にリリースした次世代学園総合情報システム「CampusPlan Smart」(総務・人事給与システム)は、顧客からも高い評価を得ている。

第2弾として、ウェルネスソリューション事業部において次世代クラウド型会員管理システム「Smart Hello」を2020年夏にリリースする予定となっている。投入後10年以上が経過している現主力製品のスポーツ施設運営システム「Hello EX」の次世代を担うサービスとして、新製品は、1,000施設以上の導入実績により培ってきた長年のノウハウを集約して高品質・高機能化を図り、より幅広いユーザーが利用可能なクラウド型会員管理システムとなる。料金プランは利用できる機能によって3つのプランが用意されており(月額1万円、2万円、3万円)※、フィットネスクラブやヨガスタジオなどの小規模事業者でも利用可能な料金体系となっている。同サービスの提供開始により幅広い事業者を取り込みシェアの拡大を目指していく。販売施策については、Webプロモーションにより拡販を進めていく予定だ。

※月額料金のほか、基本導入時費用として別途10万円(税抜き)。2020年夏頃にスモールプラン(月額1万円)、ライト・フィットネスプラン(月額2万円)をリリースし、2021年以降にライト・スクールプラン(月額2万円)、スタンダードプラン(月額3万円)をリリースする予定。


そのほか、公教育ソリューション、公会計ソリューション、ソフトエンジニアリングの各事業で新技術を活用した次世代型の「スマート・ソリューション」を2021年10月期以降、順次投入していく計画で、それぞれの分野で顧客を開拓しシェアを拡大していく方針となっている。同社では累計顧客数について現在の約7,600件から1万件に拡大することを当面の目標としている。なお、これら新製品が売上に本格的に寄与しはじめるのは過去の経験則から見て、市場投入から2年目以降になると見られる。また、新製品の投入が相次ぐため、ソフトウェア償却費も2022年10月期まで増加傾向が続くと予想されるが、増収効果で吸収できる範囲になると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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