ランドコンピュ Research Memo(1):2020年3月期は過去最高の売上高と利益を達成し、期末配を増配
[20/08/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ランドコンピュータ<3924>は、半世紀近い社歴を持つ独立系中堅システムインテグレータである。新型コロナウイルス感染症拡大による経済規模縮小は、好調と言われるITサービス業であっても影響を受けざるを得ない。このため、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みなど、新常態下で成長する分野での事業機会獲得の重要性が増す。
1. 2020年3月期の業績概要と2021年3月期の業績見通し
2020年3月期の業績は、売上高が前期比12.9%増の9,094百万円、営業利益が同21.2%増の709百万円と過去最高値を更新した。第3四半期時点で通期予想が上方修正されたが、営業利益の実績は上方修正後の予想から9.1%上回った。これは、期末の検収が想定以上に進んだことに加え、Windows7サポート終了に伴うWindows10更新関連ビジネスの特需や、パッケージベースSI・サービスの大型案件など好条件がそろったことによる。なお、好決算を株主に還元すべく、期末の1株当たり配当金は計画比5円増の年25円配当とした。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、2008年9月に起きたリーマン・ショック以上の衝撃を日本経済に与えることが予想される。先行きが不透明なこともあり、5割以上の企業が2021年3月期業績予想の公表を見送っている。これに対し同社は、前期の想定以上の好業績の反動と新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、売上高を前期比5.3%減の8,614百万円、営業利益を同12.0%減の624百万円と4期ぶりの減収減益を見込んでいる。
2. 「DX推進本部」の新設
同社では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の動きが加速していることに呼応するため、2020年4月に組織の変更を行った。具体的には、「DX推進本部」を新設し、直下に成長分野と期待される「Salesforceビジネス推進室」と「クラウド戦略室」を配置した。同社では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みとして、クラウド、IoT、AI分野について重点的に取り組む方針であり、「Salesforceビジネス推進室」では2010年4月から開始しているSalesforceクラウドを事業部のみならず全社展開するために設置し、「クラウド戦略室」はAWS、Microsoftのクラウドサービスの拡販、システムコンサルを行い、またIoT、AIの新規分野参入を目標としてデジタル人財育成を図る。ITサービス業にとって、新型コロナウイルス感染症拡大による業績悪化を食い止め、早期回復を図るには成長分野への取り組みが大きなカギになると弊社では見ている。
3. 健康経営と新入社員の在宅学習及びオンライン研修
同社では、「健康宣言」及び「ダイバーシティ推進宣言」を掲げており、社員の健康、メンタルヘルス、ワーク・ライフ・バランスに留意し、持続的な成長を目指している。直近では、「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)」に認定され、「PRIDE指標」ゴールドも受賞している。
また、2020年春の新入社員39名は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で在宅学習が3ヶ月間に及んだものの、全員が所定のベンダ試験に合格した。また、在宅学習と合わせて、従来の集合研修の代わりにWeb会議ツールの「Zoom」を使用したオンライン研修を行ったようだ。なお、2021年春の新入社員採用は、Web面接により内定を出している。
■Key Points
・2020年3月期の配当金は1株当たり25円と5円増配
・成長するデジタル社会に対応するため「DX推進本部」を新設
・2021年3月期は4期ぶりに減収減益を予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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ランドコンピュータ<3924>は、半世紀近い社歴を持つ独立系中堅システムインテグレータである。新型コロナウイルス感染症拡大による経済規模縮小は、好調と言われるITサービス業であっても影響を受けざるを得ない。このため、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みなど、新常態下で成長する分野での事業機会獲得の重要性が増す。
1. 2020年3月期の業績概要と2021年3月期の業績見通し
2020年3月期の業績は、売上高が前期比12.9%増の9,094百万円、営業利益が同21.2%増の709百万円と過去最高値を更新した。第3四半期時点で通期予想が上方修正されたが、営業利益の実績は上方修正後の予想から9.1%上回った。これは、期末の検収が想定以上に進んだことに加え、Windows7サポート終了に伴うWindows10更新関連ビジネスの特需や、パッケージベースSI・サービスの大型案件など好条件がそろったことによる。なお、好決算を株主に還元すべく、期末の1株当たり配当金は計画比5円増の年25円配当とした。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、2008年9月に起きたリーマン・ショック以上の衝撃を日本経済に与えることが予想される。先行きが不透明なこともあり、5割以上の企業が2021年3月期業績予想の公表を見送っている。これに対し同社は、前期の想定以上の好業績の反動と新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、売上高を前期比5.3%減の8,614百万円、営業利益を同12.0%減の624百万円と4期ぶりの減収減益を見込んでいる。
2. 「DX推進本部」の新設
同社では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の動きが加速していることに呼応するため、2020年4月に組織の変更を行った。具体的には、「DX推進本部」を新設し、直下に成長分野と期待される「Salesforceビジネス推進室」と「クラウド戦略室」を配置した。同社では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みとして、クラウド、IoT、AI分野について重点的に取り組む方針であり、「Salesforceビジネス推進室」では2010年4月から開始しているSalesforceクラウドを事業部のみならず全社展開するために設置し、「クラウド戦略室」はAWS、Microsoftのクラウドサービスの拡販、システムコンサルを行い、またIoT、AIの新規分野参入を目標としてデジタル人財育成を図る。ITサービス業にとって、新型コロナウイルス感染症拡大による業績悪化を食い止め、早期回復を図るには成長分野への取り組みが大きなカギになると弊社では見ている。
3. 健康経営と新入社員の在宅学習及びオンライン研修
同社では、「健康宣言」及び「ダイバーシティ推進宣言」を掲げており、社員の健康、メンタルヘルス、ワーク・ライフ・バランスに留意し、持続的な成長を目指している。直近では、「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)」に認定され、「PRIDE指標」ゴールドも受賞している。
また、2020年春の新入社員39名は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で在宅学習が3ヶ月間に及んだものの、全員が所定のベンダ試験に合格した。また、在宅学習と合わせて、従来の集合研修の代わりにWeb会議ツールの「Zoom」を使用したオンライン研修を行ったようだ。なお、2021年春の新入社員採用は、Web面接により内定を出している。
■Key Points
・2020年3月期の配当金は1株当たり25円と5円増配
・成長するデジタル社会に対応するため「DX推進本部」を新設
・2021年3月期は4期ぶりに減収減益を予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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