平和RE Research Memo(1):平和不動産グループのREITで、高水準の分配金支払いを目指す
[20/08/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 東京都区部に集中投資、平和不動産のサポートが大きな強み
平和不動産リート投資法人<8966>は、平和不動産<8803>グループの投資法人であり、中小規模の事業所数が多く、人口増加傾向も続く東京都区部を中心に、オフィス及びレジデンスに集中的に投資する複合型REITだ。全国各地の証券取引所やオフィスビルを所有・賃貸し、日本橋兜町・茅場町の再活性化および札幌再開発事業化を推進する再開発事業などのデベロッパー事業を幅広く展開する平和不動産の経験とノウハウを最大限に活用できることが、同REITの大きな強みである。
2. 2020年5月期の分配金は9期連続でスポンサー変更後の最高値を更新
2020年5月期は、賃料収入と不動産譲渡益の増加等に伴い、営業収益6,588百万円(前期比4.1%増)、営業利益3,206百万円(同8.1%増)と、期初予想を上回る増収増益となった。外部成長戦略による新規物件の取得、内部成長戦略による既存オフィス・レジデンスの過去最高を記録した高い稼働率と賃料増額改定、財務戦略による金利費用の削減などにより、賃貸ベースの利益が拡大したうえ、期初に見込んでいなかったHF麻布十番レジデンスの譲渡益331百万円が営業増益の要因となった。こうした好決算を反映して、1口当たり分配金を2,550円(前期比50円増)とし、9期連続でスポンサー変更後の最高値を更新した。着実な成長に加えて、分配金支払後の内部留保残高4,777百万円、フリーキャッシュ残高93.7億円を有することが、継続的な物件取得、財務基盤の安定化や、将来の安定的な分配金支払いを可能にしている。
3. 2020年11月期、2021年5月期も高水準の分配金を予想、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微
2020年11月期業績予想については、既に確定している資産譲渡益を見込み、営業収益7,098百万円(前期比7.8%増)、営業利益3,706百万円(同15.6%増)を、また2021年5月期予想では、特別な譲渡益を見込まないことから営業収益6,259百万円(前期比11.8%減)、営業利益2,865百万円(同22.7%減)と予想する。これらは、新型コロナウイルス感染症の影響を十分に織り込んだうえで、慎重な予想を立てていると言える。具体的には、外部成長戦略では2020年5月期に取得した物件の通期寄与を見込んでいる。また、内部成長戦略では、オフィス、レジデンスともに賃料減額改定は一部にとどまり、賃料ギャップ(市場賃料と現在テナントが支払っている賃料の差額)に基づく賃料増額改定や、過去の平均水準を上回る高稼働率が続くと見込んでいる。なお、財務戦略では、引き続き良好な金融環境のもと、リファイナンスとともに費用低減の進展を見込む。潤沢なフリーキャッシュ残高の活用もあり、初めて自己投資口の取得を実施し、2020年11月期の分配金は2,650円(前期比100円増)、2021年5月期も2,650円と、高水準を予想している。
4. 中期目標では分配金2,750円、資産規模2,000億円を目指す
中期目標としては、分配金2,750円、資産規模2,000億円を掲げている。分配金の目標達成に向けては、資産の入替、賃料増額改定、諸費用の削減等を1つ1つ着実に積み重ねていくことで、継続的かつスピード感を持った分配金成長につなげるとしている。また、潤沢な内部留保やフリーキャッシュ残高を活用して、継続的な分配金の増加を図る考えだ。一方、資産規模の拡大については、現在は不動産価格が高騰しているため無理に新規取得をせず、入れ替えを中心に優良物件に投資する方針である。
■Key Points
・東京都区部を中心とするオフィス・レジデンス複合型REITで、平和不動産のサポートが大きな強み
・2020年5月期は、賃料収入と不動産譲渡益により、期初予想を上回る好決算であり、分配金は2,550円(前期比50円増)と、9期連続でスポンサー変更後の最高値を更新
・2020年11月期は、新型コロナウイルス感染症の影響を慎重に織り込んだうえで継続的な収支改善を見込み、資産譲渡益も計上することで増収増益を予想。初めて自己投資口の取得も実施し、分配金は2,650円(前期比100円増)を予想
・中期目標では、運用資産の着実な成長と中長期的な安定収益の確保や潤沢な内部留保などの活用により、分配金2,750円が目標。資産規模は中長期的に2,000億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 東京都区部に集中投資、平和不動産のサポートが大きな強み
平和不動産リート投資法人<8966>は、平和不動産<8803>グループの投資法人であり、中小規模の事業所数が多く、人口増加傾向も続く東京都区部を中心に、オフィス及びレジデンスに集中的に投資する複合型REITだ。全国各地の証券取引所やオフィスビルを所有・賃貸し、日本橋兜町・茅場町の再活性化および札幌再開発事業化を推進する再開発事業などのデベロッパー事業を幅広く展開する平和不動産の経験とノウハウを最大限に活用できることが、同REITの大きな強みである。
2. 2020年5月期の分配金は9期連続でスポンサー変更後の最高値を更新
2020年5月期は、賃料収入と不動産譲渡益の増加等に伴い、営業収益6,588百万円(前期比4.1%増)、営業利益3,206百万円(同8.1%増)と、期初予想を上回る増収増益となった。外部成長戦略による新規物件の取得、内部成長戦略による既存オフィス・レジデンスの過去最高を記録した高い稼働率と賃料増額改定、財務戦略による金利費用の削減などにより、賃貸ベースの利益が拡大したうえ、期初に見込んでいなかったHF麻布十番レジデンスの譲渡益331百万円が営業増益の要因となった。こうした好決算を反映して、1口当たり分配金を2,550円(前期比50円増)とし、9期連続でスポンサー変更後の最高値を更新した。着実な成長に加えて、分配金支払後の内部留保残高4,777百万円、フリーキャッシュ残高93.7億円を有することが、継続的な物件取得、財務基盤の安定化や、将来の安定的な分配金支払いを可能にしている。
3. 2020年11月期、2021年5月期も高水準の分配金を予想、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微
2020年11月期業績予想については、既に確定している資産譲渡益を見込み、営業収益7,098百万円(前期比7.8%増)、営業利益3,706百万円(同15.6%増)を、また2021年5月期予想では、特別な譲渡益を見込まないことから営業収益6,259百万円(前期比11.8%減)、営業利益2,865百万円(同22.7%減)と予想する。これらは、新型コロナウイルス感染症の影響を十分に織り込んだうえで、慎重な予想を立てていると言える。具体的には、外部成長戦略では2020年5月期に取得した物件の通期寄与を見込んでいる。また、内部成長戦略では、オフィス、レジデンスともに賃料減額改定は一部にとどまり、賃料ギャップ(市場賃料と現在テナントが支払っている賃料の差額)に基づく賃料増額改定や、過去の平均水準を上回る高稼働率が続くと見込んでいる。なお、財務戦略では、引き続き良好な金融環境のもと、リファイナンスとともに費用低減の進展を見込む。潤沢なフリーキャッシュ残高の活用もあり、初めて自己投資口の取得を実施し、2020年11月期の分配金は2,650円(前期比100円増)、2021年5月期も2,650円と、高水準を予想している。
4. 中期目標では分配金2,750円、資産規模2,000億円を目指す
中期目標としては、分配金2,750円、資産規模2,000億円を掲げている。分配金の目標達成に向けては、資産の入替、賃料増額改定、諸費用の削減等を1つ1つ着実に積み重ねていくことで、継続的かつスピード感を持った分配金成長につなげるとしている。また、潤沢な内部留保やフリーキャッシュ残高を活用して、継続的な分配金の増加を図る考えだ。一方、資産規模の拡大については、現在は不動産価格が高騰しているため無理に新規取得をせず、入れ替えを中心に優良物件に投資する方針である。
■Key Points
・東京都区部を中心とするオフィス・レジデンス複合型REITで、平和不動産のサポートが大きな強み
・2020年5月期は、賃料収入と不動産譲渡益により、期初予想を上回る好決算であり、分配金は2,550円(前期比50円増)と、9期連続でスポンサー変更後の最高値を更新
・2020年11月期は、新型コロナウイルス感染症の影響を慎重に織り込んだうえで継続的な収支改善を見込み、資産譲渡益も計上することで増収増益を予想。初めて自己投資口の取得も実施し、分配金は2,650円(前期比100円増)を予想
・中期目標では、運用資産の着実な成長と中長期的な安定収益の確保や潤沢な内部留保などの活用により、分配金2,750円が目標。資産規模は中長期的に2,000億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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