霞ヶ関キャピタル Research Memo(1):独自のビジネスモデルを展開することで、加速度的な成長を目指す
[20/11/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
霞ヶ関キャピタル<3498>は、「不動産コンサルティング事業」と「自然エネルギー事業」を主軸に展開する企業である。オフバランス化することで不動産を保有しない「戦略的コンサルティング型デベロッパー」と、ストック収入による安定収益基盤に成果報酬によるアップサイドを加えた「成果報酬志向型ファンドマネージャー」という、独自のビジネスモデルを構築している。成長性のある事業分野で、かつ社会的意義のある事業の展開をビジネスポリシーに掲げており、従来のアパートメントホテル開発事業、保育園開発事業、再生可能エネルギー発電施設開発事業、海外事業などに加えて、“ポストコロナ”を見据えて新たに物流施設開発事業などを立ち上げるなど、様々な事業に挑戦を続けている。同社の強みは、激動期を乗り切る柔軟な戦略と、それを実現する豊富な人材や資金を有していることであると言えよう。
2. 2020年8月期業績概要
2020年8月期は、売上高8,008百万円(前期比49.6%増)、営業利益326百万円(同53.3%減)となった。新型コロナウイルス感染症の拡大・長期化(以下、コロナ禍)に伴い、アパートメントホテル開発事業において、予定されていた案件が2021年8月期以降に延期となったことが売上高に大きく影響した。利益面については、新規事業拡大に向けて優秀な人材への先行投資を行った結果、販売費及び一般管理費(以下、販売管理費)が計画を上回ったことが営業減益につながった。ただ、戦略的コンサルティング型ビジネスモデルの定着及び今後の事業拡大に備えた公募増資の実施に伴い、自己資本比率は45.7%に上昇し、高い安全性を確保している。なお、同社は株主還元にも前向きで、2020年8月期は1株当たり20.0円と前期と同額(2019年9月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を実施)の配当を実施した。また、中長期的に同社株式を保有してもらうことを目的に2019年8月期より株主優待制度を導入しており、保有株数に応じてクオカードを贈呈している。
3. 2021年8月期業績見通し
2021年8月期通期の連結業績予想については、売上高12,500百万円(前期比56.1%増)、営業利益1,250百万円(同282.8%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。同社は、コロナ禍に伴い、人と物の移動制限、経済活動制限、個人収入減少などにより、日用品・必需品以外の消費活動の減退など急速に経済状況が悪化するなか、現在の状況が中期的には継続する前提で予想している。2021年8月期は新規事業の物流施設開発事業等が本格的に収益貢献することから、足元の業績を考慮すると保守的な予想と弊社では見ている。なお、株主優待制度は継続予定であるが、配当については期初段階では未定とし、業績見通しが固まった段階で発表する予定である。
4. 今後の見通し
同社は独自のビジネスモデルを展開するとともに、注力する事業分野を機動的に変更してきた。現在はコロナ禍の収束が見通せないなか、今後の企業活動や人々の生活様式が変化することを見据えて、2020年6月より物流施設開発事業及びCRE(Corporate Real Estate:企業不動産)事業を立ち上げた。これは、事業ポートフォリオを大きく変更することで大幅な増収増益を達成し、本来の成長サイクルへの回帰を計画したものだ。また、経済環境が落ち着いた段階では、中期経営計画の発表も検討しているようだ。こうした前向きな事業戦略により計画通り順調に業績が拡大すれば、2022年8月期以降には東証プライム市場への昇格も視野に入ると弊社では見ている。
■Key Points
・「戦略的コンサルティング型デベロッパー」と「成果報酬志向型ファンドマネージャー」という独自のビジネスモデルを構築し、「成長性のある事業分野」で「社会的意義のある事業」を展開
・2020年8月期は、人材への積極的な先行投資に伴い増収減益
・2021年8月期は、新規事業の物流施設開発事業等が本格稼働することにより大幅な増収増益を見込む
・外部環境の変化を見据えて新たに物流施設開発事業に注力することで、本来の成長サイクルへの回帰を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<YM>
1. 会社概要
霞ヶ関キャピタル<3498>は、「不動産コンサルティング事業」と「自然エネルギー事業」を主軸に展開する企業である。オフバランス化することで不動産を保有しない「戦略的コンサルティング型デベロッパー」と、ストック収入による安定収益基盤に成果報酬によるアップサイドを加えた「成果報酬志向型ファンドマネージャー」という、独自のビジネスモデルを構築している。成長性のある事業分野で、かつ社会的意義のある事業の展開をビジネスポリシーに掲げており、従来のアパートメントホテル開発事業、保育園開発事業、再生可能エネルギー発電施設開発事業、海外事業などに加えて、“ポストコロナ”を見据えて新たに物流施設開発事業などを立ち上げるなど、様々な事業に挑戦を続けている。同社の強みは、激動期を乗り切る柔軟な戦略と、それを実現する豊富な人材や資金を有していることであると言えよう。
2. 2020年8月期業績概要
2020年8月期は、売上高8,008百万円(前期比49.6%増)、営業利益326百万円(同53.3%減)となった。新型コロナウイルス感染症の拡大・長期化(以下、コロナ禍)に伴い、アパートメントホテル開発事業において、予定されていた案件が2021年8月期以降に延期となったことが売上高に大きく影響した。利益面については、新規事業拡大に向けて優秀な人材への先行投資を行った結果、販売費及び一般管理費(以下、販売管理費)が計画を上回ったことが営業減益につながった。ただ、戦略的コンサルティング型ビジネスモデルの定着及び今後の事業拡大に備えた公募増資の実施に伴い、自己資本比率は45.7%に上昇し、高い安全性を確保している。なお、同社は株主還元にも前向きで、2020年8月期は1株当たり20.0円と前期と同額(2019年9月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を実施)の配当を実施した。また、中長期的に同社株式を保有してもらうことを目的に2019年8月期より株主優待制度を導入しており、保有株数に応じてクオカードを贈呈している。
3. 2021年8月期業績見通し
2021年8月期通期の連結業績予想については、売上高12,500百万円(前期比56.1%増)、営業利益1,250百万円(同282.8%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。同社は、コロナ禍に伴い、人と物の移動制限、経済活動制限、個人収入減少などにより、日用品・必需品以外の消費活動の減退など急速に経済状況が悪化するなか、現在の状況が中期的には継続する前提で予想している。2021年8月期は新規事業の物流施設開発事業等が本格的に収益貢献することから、足元の業績を考慮すると保守的な予想と弊社では見ている。なお、株主優待制度は継続予定であるが、配当については期初段階では未定とし、業績見通しが固まった段階で発表する予定である。
4. 今後の見通し
同社は独自のビジネスモデルを展開するとともに、注力する事業分野を機動的に変更してきた。現在はコロナ禍の収束が見通せないなか、今後の企業活動や人々の生活様式が変化することを見据えて、2020年6月より物流施設開発事業及びCRE(Corporate Real Estate:企業不動産)事業を立ち上げた。これは、事業ポートフォリオを大きく変更することで大幅な増収増益を達成し、本来の成長サイクルへの回帰を計画したものだ。また、経済環境が落ち着いた段階では、中期経営計画の発表も検討しているようだ。こうした前向きな事業戦略により計画通り順調に業績が拡大すれば、2022年8月期以降には東証プライム市場への昇格も視野に入ると弊社では見ている。
■Key Points
・「戦略的コンサルティング型デベロッパー」と「成果報酬志向型ファンドマネージャー」という独自のビジネスモデルを構築し、「成長性のある事業分野」で「社会的意義のある事業」を展開
・2020年8月期は、人材への積極的な先行投資に伴い増収減益
・2021年8月期は、新規事業の物流施設開発事業等が本格稼働することにより大幅な増収増益を見込む
・外部環境の変化を見据えて新たに物流施設開発事業に注力することで、本来の成長サイクルへの回帰を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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