ワコム Research Memo(6):「テクノロジーソリューション事業」がここ数年の業績の伸びをけん引
[20/11/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■これまでの業績推移
ワコム<6727>の2020年3月期までの売上高推移を見ると、2017年3月期に大きく落ち込んだのは、円高や製品サイクルの移行、サムスン電子製品のリコール等の影響が重なったことが理由である。ただ、その後は「テクノロジーソリューション事業」の伸びとともに回復し、2019年3月期には過去最高の売上高を達成した。ただ、「ブランド製品事業」については縮小傾向をたどり、「ブランド製品事業」のマイナスを「テクノロジーソリューション事業」のプラスでカバーする構造が続いてきた。
なお、「ブランド製品事業」が縮小傾向にあったのは、これまで主力であった「ペンタブレット製品」における中低価格帯での競争激化に対して、「ディスプレイ製品」への戦略的な需要シフトで十分には埋め合わせできていないなど、市場環境の変化への対応に時間を要していたことが理由である。もっとも、「ディスプレイ製品」は、利益率の高いエントリーモデルが新たな市場を開拓しながら順調に軌道に乗ってきており、売上高の中身(構成比)が変化しつつあることには注意が必要である。
一方、「テクノロジーソリューション事業」におけるここ数年の伸びは、タブレット・ノートPC向けペン・センサーシステムの市場拡大に加え、スマートフォン向け(特に、サムスン電子のGalaxy Noteシリーズ向け)も機能強化の効果により、好調に推移していることが理由である。
損益面では、営業赤字となった2017年3月期を除くと、積極的な研究開発や新製品開発の影響により営業利益率は4%台で推移してきた。ただ、2020年3月期は研究開発投資の高水準を維持しながらも、販管費の最適化等により利益率の改善を図っている。
財務面では、減損損失の計上により大幅な最終損失となった2017年3月期の自己資本比率は一旦低下したが、その後は内部留保の積み増しにより改善してきており、当面の財務健全化の目安である60%に近づいてきた。また、資本効率を示すROEも直近2期においては15%前後の水準で推移しており、同社の財務内容はバランスの良い状態にあると評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
ワコム<6727>の2020年3月期までの売上高推移を見ると、2017年3月期に大きく落ち込んだのは、円高や製品サイクルの移行、サムスン電子製品のリコール等の影響が重なったことが理由である。ただ、その後は「テクノロジーソリューション事業」の伸びとともに回復し、2019年3月期には過去最高の売上高を達成した。ただ、「ブランド製品事業」については縮小傾向をたどり、「ブランド製品事業」のマイナスを「テクノロジーソリューション事業」のプラスでカバーする構造が続いてきた。
なお、「ブランド製品事業」が縮小傾向にあったのは、これまで主力であった「ペンタブレット製品」における中低価格帯での競争激化に対して、「ディスプレイ製品」への戦略的な需要シフトで十分には埋め合わせできていないなど、市場環境の変化への対応に時間を要していたことが理由である。もっとも、「ディスプレイ製品」は、利益率の高いエントリーモデルが新たな市場を開拓しながら順調に軌道に乗ってきており、売上高の中身(構成比)が変化しつつあることには注意が必要である。
一方、「テクノロジーソリューション事業」におけるここ数年の伸びは、タブレット・ノートPC向けペン・センサーシステムの市場拡大に加え、スマートフォン向け(特に、サムスン電子のGalaxy Noteシリーズ向け)も機能強化の効果により、好調に推移していることが理由である。
損益面では、営業赤字となった2017年3月期を除くと、積極的な研究開発や新製品開発の影響により営業利益率は4%台で推移してきた。ただ、2020年3月期は研究開発投資の高水準を維持しながらも、販管費の最適化等により利益率の改善を図っている。
財務面では、減損損失の計上により大幅な最終損失となった2017年3月期の自己資本比率は一旦低下したが、その後は内部留保の積み増しにより改善してきており、当面の財務健全化の目安である60%に近づいてきた。また、資本効率を示すROEも直近2期においては15%前後の水準で推移しており、同社の財務内容はバランスの良い状態にあると評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>