TDCソフト Research Memo(7):DXに向けたニーズ高く、計画を上回る進捗で高収益化を実現
[20/12/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2021年3月期業績見通し
TDCソフト<4687>の2021年3月期の連結業績予想については、売上高27,800百万円(前期比0.0%増)、営業利益2,250百万円(同1.9%増)、経常利益2,310百万円(同2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,540百万円(同2.6%増)を見込む。コロナ禍による影響を合理的に算定することが困難であることから2020年3月期決算発表段階で未定としていたが、一部の案件における延伸や一時中断のほか、受注活動にも影響が出たものの、Web会議やテレワークに移行するなど、ニューノーマルに向けた取り組みを推進したことによって、事業は安定的に推移。現時点において入手可能な情報や予測等をもとに算定が可能となり、通期予想を公表している。
コロナ禍の影響により社会的にデジタル化の遅れが露呈し、DXに向けたニーズは高まっており、同社グループにおけるデジタル化等の高付加価値SIサービスにおいても、計画を上回る進捗で高収益化を実現できている。今後についても、中期経営計画の方針を維持し、各種施策を着実に実行する計画である。なお、コロナ禍の今後の状況によっては、業績に予期せぬ変動が生じる可能性があるため、引き続き状況を注視していきたい。
2. 足元の状況
足元の状況として、以下の2点を挙げている。
(1) 顧客のIT投資姿勢には注視が必要
顧客の事業環境の不透明さから、新たなIT投資は慎重な姿勢が当面継続されると予測。
(2) デジタル化の潮流が加速したことにより、次世代型SI事業の更なる拡大期待
今般のコロナ禍の影響によって、社会的にデジタル化の遅れに対する認知度が上昇したことによって、デジタル化のニーズは一段と高まっている。そのため、次世代型SI事業の更なる拡大を期待。
3. 事業リスク
事業リスクとして、以下の3点を挙げている。
(1) 稼働率低下
同社や取引先などプロジェクトメンバーや就業先での感染者発生に伴う出勤停止措置等。
(2) サービス供給能力の低下
感染症に起因してパートナー企業との協力体制に変化があった場合等。
(3) 受注高の減少
取引先との商談機会の回復の遅れやIT投資抑制による新規案件の減少等。
なお、今般のコロナ禍によって、諸外国と比べてデジタル化の遅れが明らかになった。そのため政府はデジタル庁を来年新設し、DX推進を政権の最も重要な課題としている。2021年度税制改正でDXを進める企業へ投資額の一定割合を法人税から税額控除する税制優遇策が盛り込まれる予定である。認定条件として、サイバーセキュリティーに関する定期的な監査を企業に義務付ける方針なども伝わっており、政府主導によるDX推進のための規制緩和のほか、今回の税制優遇策などにより、企業のIT投資への刺激につながると弊社ではみている。
中期経営計画「Shift to the Smart SI」計画に変更はなく「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」
4. 中期経営計画
同社グループは「次世代型システムインテグレーター」を目指し、市場の潜在ニーズを捉え、デジタル技術の新たな潮流に対応した次世代型のシステムインテグレーション(SI)事業へと進化することをビジョンに掲げ、2019年4月から2022年3月における中期経営計画「Shift to the Smart SI」を推進している。主要戦略は「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」としており、具体的には、顧客のビジネスのイノベーション支援等を通じた営業活動を推進するビジネスイノベーション本部や、顧客のDXの推進に向けて、先端技術を駆使しスピーディーかつ効率的な課題解決をアカウント事業部門と連携し実現するデジタルテクノロジー本部を創設し、技術者の確保・育成や研究開発投資、顧客への提案活動等を強化。業績目標においては従来の計画に変更はなく、2022年3月期の売上高30,000百万円(2020年3月期実績:27,795百万円)、うち高付加価値SIサービスの売上高構成比を20%程度に拡大させる。営業利益については、2,700百万円(同2,206百万円)を計画している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<NB>
1. 2021年3月期業績見通し
TDCソフト<4687>の2021年3月期の連結業績予想については、売上高27,800百万円(前期比0.0%増)、営業利益2,250百万円(同1.9%増)、経常利益2,310百万円(同2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,540百万円(同2.6%増)を見込む。コロナ禍による影響を合理的に算定することが困難であることから2020年3月期決算発表段階で未定としていたが、一部の案件における延伸や一時中断のほか、受注活動にも影響が出たものの、Web会議やテレワークに移行するなど、ニューノーマルに向けた取り組みを推進したことによって、事業は安定的に推移。現時点において入手可能な情報や予測等をもとに算定が可能となり、通期予想を公表している。
コロナ禍の影響により社会的にデジタル化の遅れが露呈し、DXに向けたニーズは高まっており、同社グループにおけるデジタル化等の高付加価値SIサービスにおいても、計画を上回る進捗で高収益化を実現できている。今後についても、中期経営計画の方針を維持し、各種施策を着実に実行する計画である。なお、コロナ禍の今後の状況によっては、業績に予期せぬ変動が生じる可能性があるため、引き続き状況を注視していきたい。
2. 足元の状況
足元の状況として、以下の2点を挙げている。
(1) 顧客のIT投資姿勢には注視が必要
顧客の事業環境の不透明さから、新たなIT投資は慎重な姿勢が当面継続されると予測。
(2) デジタル化の潮流が加速したことにより、次世代型SI事業の更なる拡大期待
今般のコロナ禍の影響によって、社会的にデジタル化の遅れに対する認知度が上昇したことによって、デジタル化のニーズは一段と高まっている。そのため、次世代型SI事業の更なる拡大を期待。
3. 事業リスク
事業リスクとして、以下の3点を挙げている。
(1) 稼働率低下
同社や取引先などプロジェクトメンバーや就業先での感染者発生に伴う出勤停止措置等。
(2) サービス供給能力の低下
感染症に起因してパートナー企業との協力体制に変化があった場合等。
(3) 受注高の減少
取引先との商談機会の回復の遅れやIT投資抑制による新規案件の減少等。
なお、今般のコロナ禍によって、諸外国と比べてデジタル化の遅れが明らかになった。そのため政府はデジタル庁を来年新設し、DX推進を政権の最も重要な課題としている。2021年度税制改正でDXを進める企業へ投資額の一定割合を法人税から税額控除する税制優遇策が盛り込まれる予定である。認定条件として、サイバーセキュリティーに関する定期的な監査を企業に義務付ける方針なども伝わっており、政府主導によるDX推進のための規制緩和のほか、今回の税制優遇策などにより、企業のIT投資への刺激につながると弊社ではみている。
中期経営計画「Shift to the Smart SI」計画に変更はなく「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」
4. 中期経営計画
同社グループは「次世代型システムインテグレーター」を目指し、市場の潜在ニーズを捉え、デジタル技術の新たな潮流に対応した次世代型のシステムインテグレーション(SI)事業へと進化することをビジョンに掲げ、2019年4月から2022年3月における中期経営計画「Shift to the Smart SI」を推進している。主要戦略は「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」としており、具体的には、顧客のビジネスのイノベーション支援等を通じた営業活動を推進するビジネスイノベーション本部や、顧客のDXの推進に向けて、先端技術を駆使しスピーディーかつ効率的な課題解決をアカウント事業部門と連携し実現するデジタルテクノロジー本部を創設し、技術者の確保・育成や研究開発投資、顧客への提案活動等を強化。業績目標においては従来の計画に変更はなく、2022年3月期の売上高30,000百万円(2020年3月期実績:27,795百万円)、うち高付加価値SIサービスの売上高構成比を20%程度に拡大させる。営業利益については、2,700百万円(同2,206百万円)を計画している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<NB>