EG Research Memo(3):2020年9月期は売上・利益ともに6期連続の2ケタ成長。コロナ禍の影響は軽微
[20/12/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年9月期通期の業績
イー・ガーディアン<6050>の2020年9月期通期の連結業績は、売上高が前期比20.0%増の7,845百万円、営業利益が同14.7%増の1,339百万円、経常利益が同14.9%増の1,380百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.6%増の980百万円と計画を上回り大幅な増収増益となった。
売上面で成長をけん引したのは、前期比37.4%増と大幅増だったソーシャルサポート業務、同20.2%増のアド・プロセス業務、同34.7%増のその他業務(サイバーセキュリティ)である。ソーシャルサポート業務では、動画配信市場が拡大するなかで、これまで蓄積したノウハウとAIの活用により高効率な監視サービスを提供し、売上を拡大した。アド・プロセス業務でも、動画広告市場が拡大しており、広告審査及び運用代行の業務受託が増加した。サイバーセキュリティ分野においては、グレスアベイルを連結化し、国内初のコンテナ型Webセキュリティファイアウォールである「GUARDIAX」を開発するなど積極的な普及を行ったことにより増収となった。一方、ゲームサポート業務は前期比で微減となった。ゲーム市場において、コロナ禍の影響でリリースが減少したことが主な要因である。直近(2020年9月期4Q)では、海外メーカーの日本進出や日本メーカーの海外進出等を含めた市場は回復基調であり、フィリピンの拠点による多言語サポートやデバッグを提供するEGテスティングサービスと連携した「開発から運用まで」のワンストップサポート等の独自の強みを生かす環境は整ってきている。コロナ禍の影響はプラス面(巣ごもり消費による問い合わせ増等)とマイナス面(広告出稿の減少等)の両面があったものの、全体業績には大きな影響はなかった。
利益面では、通期の売上高営業利益率で17.1%と高水準を達成。2020年4月に新宿サテライトセンター(動画サービス等、最大100名超が稼働)及び広島センター(最大100名超が稼働)を開設し、サイバーセキュリティ事業でも開発投資を行い、一時的な費用負担はあったものの増収効果で吸収した。
2021年9月期通期も2ケタの増収増益を予想。既存事業の着実な成長に加え、サイバーセキュリティ分野の飛躍が期待される
2. 2021年9月期通期の業績予想
2021年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比13.0%増の8,862百万円、営業利益が同14.0%増の1,526百万円、経常利益が同12.8%増の1,557百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.4%増の1,043百万円と引き続き2ケタの増収及び営業増益を予想する。
同社の事業を取り巻く市場環境は全体として良好だ。ソーシャルサポート業務においては動画市場の拡大が引き続き追い風となる。ゲーム業界は前期に底を打った模様であり、足元回復傾向にある。また海外のゲーム市場(特にアジア)及び海外ゲーム会社はポテンシャルが大きく、フィリピンの拠点を含め受注を拡大できる余地がある。アド・プロセス業務では電通グループのサイバー・コミュニケーションズとの合弁会社「ビズテーラー・パートナーズ」が設立され、進行期に本格稼働するため業務量の拡大が期待される。サイバーセキュリティ分野では、2020年10月にソフトウェア型WAFのNo.1企業であるジェイピー・セキュアを完全子会社化し、総合力がさらに増した。全体として、インターネットを不安やストレスなく使いたいというエンドニーズ、顧客企業の働き方改革によるBPOニーズは高まっており、総合ネットセキュリティ企業である同社の活躍の場も増えていると推察される。
2021年9月期通期の売上高計画は前期比13.0%増(前期実績は同20.0%増)とやや抑制した予想。サイバーセキュリティ分野のM&Aが期初に行われており、予想値のさらに上を目指す展開になるだろう。ちなみにジェイピー・セキュアの直近決算は売上高で301百万円(2020年5月期)である。営業利益に関しては同14.0%増(前期は同14.7%増)と前期並みの予想である。今期も戦略として、サイバーセキュリティ領域と海外展開への投資を継続する。しっかりとした橋頭堡を築くために時間がかかるが、特にサイバーセキュリティ分野では、今期その成果が業績となって出始める時期になろう。また、前期に拠点の新設2拠点(新宿、広島)、移転3拠点(グレスアベイル、フィリピン、東北)と先行投資をしたため、今期は稼働率の上昇に伴い利益が出やすいと想定される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<NB>
1. 2020年9月期通期の業績
イー・ガーディアン<6050>の2020年9月期通期の連結業績は、売上高が前期比20.0%増の7,845百万円、営業利益が同14.7%増の1,339百万円、経常利益が同14.9%増の1,380百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.6%増の980百万円と計画を上回り大幅な増収増益となった。
売上面で成長をけん引したのは、前期比37.4%増と大幅増だったソーシャルサポート業務、同20.2%増のアド・プロセス業務、同34.7%増のその他業務(サイバーセキュリティ)である。ソーシャルサポート業務では、動画配信市場が拡大するなかで、これまで蓄積したノウハウとAIの活用により高効率な監視サービスを提供し、売上を拡大した。アド・プロセス業務でも、動画広告市場が拡大しており、広告審査及び運用代行の業務受託が増加した。サイバーセキュリティ分野においては、グレスアベイルを連結化し、国内初のコンテナ型Webセキュリティファイアウォールである「GUARDIAX」を開発するなど積極的な普及を行ったことにより増収となった。一方、ゲームサポート業務は前期比で微減となった。ゲーム市場において、コロナ禍の影響でリリースが減少したことが主な要因である。直近(2020年9月期4Q)では、海外メーカーの日本進出や日本メーカーの海外進出等を含めた市場は回復基調であり、フィリピンの拠点による多言語サポートやデバッグを提供するEGテスティングサービスと連携した「開発から運用まで」のワンストップサポート等の独自の強みを生かす環境は整ってきている。コロナ禍の影響はプラス面(巣ごもり消費による問い合わせ増等)とマイナス面(広告出稿の減少等)の両面があったものの、全体業績には大きな影響はなかった。
利益面では、通期の売上高営業利益率で17.1%と高水準を達成。2020年4月に新宿サテライトセンター(動画サービス等、最大100名超が稼働)及び広島センター(最大100名超が稼働)を開設し、サイバーセキュリティ事業でも開発投資を行い、一時的な費用負担はあったものの増収効果で吸収した。
2021年9月期通期も2ケタの増収増益を予想。既存事業の着実な成長に加え、サイバーセキュリティ分野の飛躍が期待される
2. 2021年9月期通期の業績予想
2021年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比13.0%増の8,862百万円、営業利益が同14.0%増の1,526百万円、経常利益が同12.8%増の1,557百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.4%増の1,043百万円と引き続き2ケタの増収及び営業増益を予想する。
同社の事業を取り巻く市場環境は全体として良好だ。ソーシャルサポート業務においては動画市場の拡大が引き続き追い風となる。ゲーム業界は前期に底を打った模様であり、足元回復傾向にある。また海外のゲーム市場(特にアジア)及び海外ゲーム会社はポテンシャルが大きく、フィリピンの拠点を含め受注を拡大できる余地がある。アド・プロセス業務では電通グループのサイバー・コミュニケーションズとの合弁会社「ビズテーラー・パートナーズ」が設立され、進行期に本格稼働するため業務量の拡大が期待される。サイバーセキュリティ分野では、2020年10月にソフトウェア型WAFのNo.1企業であるジェイピー・セキュアを完全子会社化し、総合力がさらに増した。全体として、インターネットを不安やストレスなく使いたいというエンドニーズ、顧客企業の働き方改革によるBPOニーズは高まっており、総合ネットセキュリティ企業である同社の活躍の場も増えていると推察される。
2021年9月期通期の売上高計画は前期比13.0%増(前期実績は同20.0%増)とやや抑制した予想。サイバーセキュリティ分野のM&Aが期初に行われており、予想値のさらに上を目指す展開になるだろう。ちなみにジェイピー・セキュアの直近決算は売上高で301百万円(2020年5月期)である。営業利益に関しては同14.0%増(前期は同14.7%増)と前期並みの予想である。今期も戦略として、サイバーセキュリティ領域と海外展開への投資を継続する。しっかりとした橋頭堡を築くために時間がかかるが、特にサイバーセキュリティ分野では、今期その成果が業績となって出始める時期になろう。また、前期に拠点の新設2拠点(新宿、広島)、移転3拠点(グレスアベイル、フィリピン、東北)と先行投資をしたため、今期は稼働率の上昇に伴い利益が出やすいと想定される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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