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城南進研 Research Memo(8):「学びの個別最適化」「教育ソリューション事業」「幼少教育事業」に注力(1)

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

2. 新中期経営計画(2020年−2022年)について
城南進学研究社<4720>は2021年3月期から3ヶ年の中期経営計画をスタートしている。ビジョンについては、「総合教育ソリューション企業として、たくましい知性、しなやかな感性を育む能力開発のLeading Companyとなる」ことを掲げている。

また、業績目標としては2022年3月期に営業利益の黒字転換を実現し、最終年度翌年度の2024年3月期には、売上高営業利益率10%を稼ぎ出す収益構造に変革していくことを打ち出した。目標を達成するための基本戦略として、以下の5点に注力していく方針だ。

(1) 「学びの個別最適化」を追求
「学びの個別最適化」を追求することで学力向上を図り、競争の激しい学習塾業界においてサービス面での差別化を図りながら事業を拡大していく。具体的な取り組みとしては、以下の3点となる。

a) EdTechの有効活用による学力向上モデルの構築に取り組むこと
b) PBL(課題解決型学習)を導入した新学力、新入試対応の「城南予備校DUO」の発展
c) 在宅学習(遠隔指導)によるサービス展開モデルの構築

なかでもEdTechの活用については、GIGAスクール構想にもコミットする形で積極的な導入を推進している。「城南予備校DUO」において2019年よりAI教材の「atama+」を導入し、個別指導を組み合わせることで、基礎学力向上スピードの迅速化が確認されており、これに学習管理システム「GoNAVI」を組み合わせることで、よりその効果を高めることが可能となる。同社では「城南コベッツ」においても小中学生向けには「デキタス」×「GoNAVI」、中高校生向けには「atama+」×「GoNAVI」の活用を進めていく方針で、こうした取り組みによって生徒の学力向上スピードや向上度合を従来以上に高め、また、保護者向けにもデータに基づいた的確なフィードバックを行うことでCS(顧客満足度)の向上を図り、結果として生徒数の増加につなげていく考えだ。現在、「城南コベッツ」における「atama+」の導入状況は、すべての直営教室(53教室)と100教室超のFC教室で導入しており、今後、残りのFC教室にも順次導入していく予定となっている。一方、「GoNAVI」については直営教室のみでスタートしており、プロセス確立後にFC教室にも導入していく予定となっている。

また、コロナ禍対策として各種教育サービスのオンライン化を実現したことで、新たな需要を取り込める可能性が出てきたほか、教場の省スペース化によるコスト削減や、地方のFC教室における講師不足といった問題も解消できるなど、事業拡大に向けたボトルネックを解消できることになる。「城南コベッツ」「城南予備校DUO」や「河合塾マナビス」などでは既に、教場とオンラインのハイブリッド指導を開始している。そのほかの教育サービスでは、「くぼたのうけん」では2020年12月下旬から正式なオンライン授業を開始したほか、「ズー・フォニックス・アカデミー」でも2022年3月期よりオンライン授業を開始する予定となっている。

(2) 「教育ソリューション事業」の戦略的展開
同社では今後、BtoBのビジネスモデルとなる教育ソリューション事業を強化していく方針を打ち出しており、具体的には以下の3点に取り組んでいく。

a) 公教育や民間教育へのICT教材の拡販
b) 新個別指導塾スタイルによる「城南コベッツ」のFC展開
c) くぼたメソッドの拡販

公教育や民間教育へのICT教材の拡販とは、「デキタス」を学校や学習塾等へ導入、拡販を進めていく取り組みのことで、政府のGIGAスクール構想の前倒しを目的とした導入補助金事業の活用などもあって、導入校数が大幅に増加している。また、学習塾向けについても、引き合いが来ている状況にある。同社では中期計画の目標として、「デキタス」導入校数100校超(2020年9月時点で無償含めて89校)、有料受講生徒数で3万人を目指しており、まずは補助金事業で導入した学校に対して、2021年4月以降の継続利用に向けた取り組みを推進していく。コロナ禍における無償期間中の受講者登録件数は約8万件に上っており、潜在需要は大きい。3万件の規模になれば、売上高で年間10億円程度となり、利益への貢献度も大きくなることが予想される。

また、「城南コベッツ」のFC展開については、前述したEdTechを活用した「学びの個別最適化」を実現していくことで、教室数を2020年9月末の196教室から230教室まで拡大することを目標としている。「くぼたメソッド」については、育児法認定園を2020年9月末の44園から150園(海外展開含む)に、くぼた式育児法認定資格者を1千人まで拡大することを目標に掲げている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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