インテM Research Memo(9):マーケティング支援はアカウント数の増加により増収を見込む
[21/01/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■インティメート・マージャー<7072>の今後の見通し
2. 各ソリューションと関連会社の業績予想前提
(1) マーケティング支援
平均単価については2020年4月期並みの水準を前提に、Data Driven RPA(広告アカウント自動最適化サービス)※や、大手広告配信プラットフォームの仕様に合わせた新規開発等を進めることでアカウント数を第4四半期には前年同期比100件増となる470件程度まで拡大することで前期比10%台前半の増収を目指している。ただ、顧客単価については前第4四半期を底にして期末に向けて回復に向かう前提となっているため、顧客単価の戻りが鈍かった場合は売上高が伸び悩む可能性もある。限界利益率については引き続き30%程度で推移する見込みだ。
※ 「Google広告」や「Yahoo!JAPAN広告」を利用している企業に向けて、設計・設定作業などの人的リソースだけでは対応が難しい領域での広告アカウント設計や更新業務を「Data Driven RPA」を用いることで省力化・効率化することが可能となる。導入企業が保有する1st Party Dataと同社が保有するデータ解析技術を掛け合わせた広告アカウントの自動最適化サービスで2020年5月にリリースした。
(2) データマネジメント・アナリティクス
平均単価及びアカウント数は緩やかな増加にとどまるものの、同業他社では困難な2022年以降のポストCookie対応を見据えた新規ソリューションの提案を行うことで、中長期的なストック売上を固めにいく期間と位置付けており、2022年9月期以降に本格成長を見込んでいる。
(3) Performance DMP
平均単価は現状の水準を維持しつつも、アカウント数の増加により2ケタ増収を見込んでいる。第4四半期のアカウント数としては前年同期の2,048件から3,000〜4,000件まで拡大していくことを目標としている。また、限界利益率についてはCVRの向上によって改善を目指している。
(4) Select DMP
引き続き他社ツールとの連携を強化することで、リード獲得件数の増加による受注件数及び単価の増加を目指している。
(5) 関連会社
連結子会社のクレジットスコアについては、金融業界向けの審査業務等に活用するスコアリングモデルの開発を本格的にスタートし、第2四半期までにスコア精度の実証を行い、継続的な受注につなげていく。スコアリングとは融資先の貸倒れリスクをビッグデータによって分析し、自動的にランク付けすることを指している。貸倒れ率の低減や審査業務の効率化を実現するサービスとなる。同様の取り組みを行っている企業はあるが、膨大なWebブラウザの閲覧履歴をスコアリングモデルに生かしているところは同社のほかにはアドテクノロジー企業しかなく、精度の高さが実証されれば利用金融機関も拡大していくものと予想される。対象は、銀行、証券、保険、クレジット会社など幅広く、一度導入されると継続的な利用が見込めるため、収益源に育つ可能性がある。早ければ2021年9月期から黒字化できる可能性がある。なお、人員は同社と新生銀行のスタッフが兼務する形で、合計5名の体制となっている。
一方、Priv Techについては、2022年以降にニーズ拡大が見込まれる改正個人情報保護法対応に合わせて、CMPツールの導入クライアント数の積み上げに取り組んでいく。CMPツールの「Trust360」は、ユーザーがWebサイトにアクセスした際に、同サイトからパーソナルデータ利用の同意取得を確認する画面を表示する仕組みや、取得状況の管理から同意状況に基づいて他社システムに連携する機能までをワンストップで実現したプラットフォームとなる。料金は月額5万円※からとなっている。リリース以降、契約社数は数十社と順調に増加している。CMP市場はまだ立ち上がったばかりであり、早期に顧客を取り込むことで中長期的な高成長を目指していく。2021年9月期は損失計上の見込みだが、顧客数が拡大していけば2022年9月期に黒字転換する可能性が高い。人員体制は同社とベクトルのスタッフが兼務しており、合計7名前後となっている。海外ではCMPベンダーで時価総額2,000億円の企業も出てきているようで、国内でも成長ポテンシャルの高い領域として今後の動向が注目される。
※ PV数によって変動する。
アドテク領域だけでなく、今後はFin TechやSales Techなどその他の領域への展開も進めていく
3. 成長戦略
同社は今後の成長戦略として、「IM-DMP」の汎用性の高さを生かして、アドテク領域以外に進出していくことで、更なる成長を目指している。その第一弾として、Sales TechやFin Tech領域に進出しており、Fin Tech領域については新生銀行と合弁でクレジットスコアを設立した。現在、審査業務のソリューションとなるAIスコアリング機能の開発を進めているほか、2020年9月からは同社の「Performance DMP」に同機能を実装して広告運用を開始すると同時に、ASP大手のインタースペース<2122>と業務提携を発表した。
AIスコアリング機能を実装することで、金融サービスで審査通過率が高いと推定されるユーザー獲得の推進や、リスクが想定されるユーザーを広告配信対象から除外することが可能となり、広告主の審査コスト削減やLTVの高いユーザーの獲得につなげていくことが可能となる。なお、複数社でテスト導入を実施したところ、同社のスコアリング機能を実装した「Performance DMP」は、他社の広告配信で獲得したユーザーに比べて最大約2.5倍の審査通過率になったことが確認されている。同社では今後、他のASP事業者とも連携して、「Performance DMP」における金融分野の顧客を獲得していく戦略となっている。また、将来的には同様の取り組みを他の領域でも段階的に進めていき、更なる成長を目指していく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 各ソリューションと関連会社の業績予想前提
(1) マーケティング支援
平均単価については2020年4月期並みの水準を前提に、Data Driven RPA(広告アカウント自動最適化サービス)※や、大手広告配信プラットフォームの仕様に合わせた新規開発等を進めることでアカウント数を第4四半期には前年同期比100件増となる470件程度まで拡大することで前期比10%台前半の増収を目指している。ただ、顧客単価については前第4四半期を底にして期末に向けて回復に向かう前提となっているため、顧客単価の戻りが鈍かった場合は売上高が伸び悩む可能性もある。限界利益率については引き続き30%程度で推移する見込みだ。
※ 「Google広告」や「Yahoo!JAPAN広告」を利用している企業に向けて、設計・設定作業などの人的リソースだけでは対応が難しい領域での広告アカウント設計や更新業務を「Data Driven RPA」を用いることで省力化・効率化することが可能となる。導入企業が保有する1st Party Dataと同社が保有するデータ解析技術を掛け合わせた広告アカウントの自動最適化サービスで2020年5月にリリースした。
(2) データマネジメント・アナリティクス
平均単価及びアカウント数は緩やかな増加にとどまるものの、同業他社では困難な2022年以降のポストCookie対応を見据えた新規ソリューションの提案を行うことで、中長期的なストック売上を固めにいく期間と位置付けており、2022年9月期以降に本格成長を見込んでいる。
(3) Performance DMP
平均単価は現状の水準を維持しつつも、アカウント数の増加により2ケタ増収を見込んでいる。第4四半期のアカウント数としては前年同期の2,048件から3,000〜4,000件まで拡大していくことを目標としている。また、限界利益率についてはCVRの向上によって改善を目指している。
(4) Select DMP
引き続き他社ツールとの連携を強化することで、リード獲得件数の増加による受注件数及び単価の増加を目指している。
(5) 関連会社
連結子会社のクレジットスコアについては、金融業界向けの審査業務等に活用するスコアリングモデルの開発を本格的にスタートし、第2四半期までにスコア精度の実証を行い、継続的な受注につなげていく。スコアリングとは融資先の貸倒れリスクをビッグデータによって分析し、自動的にランク付けすることを指している。貸倒れ率の低減や審査業務の効率化を実現するサービスとなる。同様の取り組みを行っている企業はあるが、膨大なWebブラウザの閲覧履歴をスコアリングモデルに生かしているところは同社のほかにはアドテクノロジー企業しかなく、精度の高さが実証されれば利用金融機関も拡大していくものと予想される。対象は、銀行、証券、保険、クレジット会社など幅広く、一度導入されると継続的な利用が見込めるため、収益源に育つ可能性がある。早ければ2021年9月期から黒字化できる可能性がある。なお、人員は同社と新生銀行のスタッフが兼務する形で、合計5名の体制となっている。
一方、Priv Techについては、2022年以降にニーズ拡大が見込まれる改正個人情報保護法対応に合わせて、CMPツールの導入クライアント数の積み上げに取り組んでいく。CMPツールの「Trust360」は、ユーザーがWebサイトにアクセスした際に、同サイトからパーソナルデータ利用の同意取得を確認する画面を表示する仕組みや、取得状況の管理から同意状況に基づいて他社システムに連携する機能までをワンストップで実現したプラットフォームとなる。料金は月額5万円※からとなっている。リリース以降、契約社数は数十社と順調に増加している。CMP市場はまだ立ち上がったばかりであり、早期に顧客を取り込むことで中長期的な高成長を目指していく。2021年9月期は損失計上の見込みだが、顧客数が拡大していけば2022年9月期に黒字転換する可能性が高い。人員体制は同社とベクトルのスタッフが兼務しており、合計7名前後となっている。海外ではCMPベンダーで時価総額2,000億円の企業も出てきているようで、国内でも成長ポテンシャルの高い領域として今後の動向が注目される。
※ PV数によって変動する。
アドテク領域だけでなく、今後はFin TechやSales Techなどその他の領域への展開も進めていく
3. 成長戦略
同社は今後の成長戦略として、「IM-DMP」の汎用性の高さを生かして、アドテク領域以外に進出していくことで、更なる成長を目指している。その第一弾として、Sales TechやFin Tech領域に進出しており、Fin Tech領域については新生銀行と合弁でクレジットスコアを設立した。現在、審査業務のソリューションとなるAIスコアリング機能の開発を進めているほか、2020年9月からは同社の「Performance DMP」に同機能を実装して広告運用を開始すると同時に、ASP大手のインタースペース<2122>と業務提携を発表した。
AIスコアリング機能を実装することで、金融サービスで審査通過率が高いと推定されるユーザー獲得の推進や、リスクが想定されるユーザーを広告配信対象から除外することが可能となり、広告主の審査コスト削減やLTVの高いユーザーの獲得につなげていくことが可能となる。なお、複数社でテスト導入を実施したところ、同社のスコアリング機能を実装した「Performance DMP」は、他社の広告配信で獲得したユーザーに比べて最大約2.5倍の審査通過率になったことが確認されている。同社では今後、他のASP事業者とも連携して、「Performance DMP」における金融分野の顧客を獲得していく戦略となっている。また、将来的には同様の取り組みを他の領域でも段階的に進めていき、更なる成長を目指していく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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