グローセル Research Memo(1):新事業、半導体ひずみセンサー「STREAL」のビジネス展開に注目
[21/01/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧株式会社ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)ビジネス。前例のない高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。
1. 2021年3月期第2四半期連結業績(実績)
2021年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が26,907百万円(前年同期比24.3%減)、営業損失が504百万円(前年同期は39百万円の損失)、経常損失が457百万円(同19百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が392百万円(同1百万円の利益)となった。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響で、主な向け先である自動車や産業機器の生産が停滞し需要が急減したことが主な要因である。一方で、高採算品の比率が高まったことで粗利率は改善した。さらに、出張旅費や交際費等の減少により販管費も前年同期比で減少したが、減収による売上総利益の減少を補えず営業損失となった。傾向としては、第1四半期をボトムに第2四半期にはやや回復した。注力商品である「STREAL」の売上高は前年同期比で約2.5倍となった。
2. 2021年3月期の連結業績:予想は未定だが目標は開示
進行中の2021年3月期については、コロナの影響で正式な予想は発表されていないが、会社は目標値として売上高62,000百万円(前期比9.7%減)、営業損失490百万円(前期は61百万円の損失)を掲げている。下半期に若干の黒字化を目指すことが目標となっている。今後の米中間の対立、コロナの影響など先行きの不透明要因は多いが、10月−11月の状況から判断すると、この目標を上回る可能性はある。自社開発品として期待される「STREAL」の2021年3月期売上高は倍増の1,000百万円を目指す。また、年間配当12円は維持する方針である。
3. 自動車の電子化、各種自動化は追い風、自社開発品の拡大で成長を目指す
同社は単なる商社機能だけでなく、多くのエンジニアを要し、提案力・開発力を生かして企業付加価値を高めている。足元の業績はコロナの影響もあり低迷しているが、中長期的には主要向け先である自動車の自動化、電動化の進化、さらには製造現場や建設現場のIoT化の恩恵を受ける可能性は高い。加えて自社開発品の拡販にも注力しており、特に比類のない性能を有している半導体ひずみセンサー「STREAL」の成長性は高く、中長期の展望として来期以降はこれら自社開発品の寄与もあり、再び成長路線に戻る可能性は高い。中期経営計画
「SSG 2021」については、コロナの影響もあり利益目標の達成は難しいが、外部環境に左右されない経営指標として、売上目標(2023年3月期に800億円)に対して会社は自信を深めており、今後の動向は要注目だ。
■Key Points
・自動車及び産業分野向けを主力とする半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2021年3月期の予想は未定だが年間配当12円は維持
・中期経営計画の詳細は見直しだが、2023年3月期に売上高800億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧株式会社ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)ビジネス。前例のない高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。
1. 2021年3月期第2四半期連結業績(実績)
2021年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が26,907百万円(前年同期比24.3%減)、営業損失が504百万円(前年同期は39百万円の損失)、経常損失が457百万円(同19百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が392百万円(同1百万円の利益)となった。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響で、主な向け先である自動車や産業機器の生産が停滞し需要が急減したことが主な要因である。一方で、高採算品の比率が高まったことで粗利率は改善した。さらに、出張旅費や交際費等の減少により販管費も前年同期比で減少したが、減収による売上総利益の減少を補えず営業損失となった。傾向としては、第1四半期をボトムに第2四半期にはやや回復した。注力商品である「STREAL」の売上高は前年同期比で約2.5倍となった。
2. 2021年3月期の連結業績:予想は未定だが目標は開示
進行中の2021年3月期については、コロナの影響で正式な予想は発表されていないが、会社は目標値として売上高62,000百万円(前期比9.7%減)、営業損失490百万円(前期は61百万円の損失)を掲げている。下半期に若干の黒字化を目指すことが目標となっている。今後の米中間の対立、コロナの影響など先行きの不透明要因は多いが、10月−11月の状況から判断すると、この目標を上回る可能性はある。自社開発品として期待される「STREAL」の2021年3月期売上高は倍増の1,000百万円を目指す。また、年間配当12円は維持する方針である。
3. 自動車の電子化、各種自動化は追い風、自社開発品の拡大で成長を目指す
同社は単なる商社機能だけでなく、多くのエンジニアを要し、提案力・開発力を生かして企業付加価値を高めている。足元の業績はコロナの影響もあり低迷しているが、中長期的には主要向け先である自動車の自動化、電動化の進化、さらには製造現場や建設現場のIoT化の恩恵を受ける可能性は高い。加えて自社開発品の拡販にも注力しており、特に比類のない性能を有している半導体ひずみセンサー「STREAL」の成長性は高く、中長期の展望として来期以降はこれら自社開発品の寄与もあり、再び成長路線に戻る可能性は高い。中期経営計画
「SSG 2021」については、コロナの影響もあり利益目標の達成は難しいが、外部環境に左右されない経営指標として、売上目標(2023年3月期に800億円)に対して会社は自信を深めており、今後の動向は要注目だ。
■Key Points
・自動車及び産業分野向けを主力とする半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2021年3月期の予想は未定だが年間配当12円は維持
・中期経営計画の詳細は見直しだが、2023年3月期に売上高800億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>