タナベ経営 Research Memo(1):M&A、デジタルマーケティング領域に強みを有する企業をグループ会社化
[21/02/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
タナベ経営<9644>は、創業64年目となる日本の総合経営コンサルティングのパイオニアであり、経営ミッションとして「『ファーストコールカンパニー100年先も一番に選ばれる会社』をともに」を掲げている。顧客企業ごとの経営課題に応じて、「ドメイン(業種・事業領域)×ファンクション(経営機能)×リージョン(地域)」という3つの視点で最適な専門コンサルタントを選定してチーム組成する「チームコンサルティング」を、全国の上場企業も含む中堅企業(主に売上高50億円〜1,000億円)へ提供している。業界で唯一、全国主要10都市に地域密着の事業所を展開している。中期事業戦略として、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(コンサルティング領域の多角化)及び「コンサルティングプラットフォーム戦略」(全国・全地域において高品質のコンサルティング価値を提供)を推進している。2019年10月にBtoB企業を対象にデジタルマーケティング支援を行う(株)リーディング・ソリューションをグループ会社化し、2020年3月期より連結決算を開始した。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月−9月)の連結業績は、売上高で前年同期比3.6%減(前年同期の単体業績との比較、以下同)の3,993百万円、営業利益が同54.7%減の156百万円となった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、コンサルティングやセミナー等の一時休止や延期等があり、主力の経営コンサルティング事業が減収減益となったことが主因だ。ただ、営業利益に関してはWeb会議システムやERPの導入など社内デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)化の推進により生産性が向上したこと、並びに諸経費の削減効果により、期初計画(80百万円)に対しては上回った。
2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期は、売上高で前期比微増の9,395百万円、営業利益で同29.1%減の700百万円と期初計画を据え置いた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は残るものの、Web会議やWebセミナー等の活用、並びにポストコロナに向けた経営コンサルティングニーズの取り込みに加えて、(株)リーディング・ソリューションと共同開発した新サービス「営業のデジタルシフトコンサルティング」の提供を開始し、新規顧客の開拓を進めていく。また、コロナ禍において需要が高まっているデジタルプロモーションのニーズにも対応していく。さらには、2021年1月末に新たにグループ会社化するグローウィン・パートナーズ(株)の売上高も2億円強の上乗せ要因となる。グローウィン・パートナーズ(株)は主にクロスボーダーを含むM&A全般の支援やERP・RPAの導入支援等のバックオフィス業務コンサルティングなどを展開しており、年間売上規模で10億円強の会社となる。
3. 成長戦略
同社は「C&C戦略」により、コンサルティング領域の多角化(コンサルティングメニューの拡大)を図り、それらをプラットフォーム化して全国規模で同品質の高付加価値サービスの提供を実現することで持続的成長を目指している。前期の(株)リーディング・ソリューションに続いて今回、グローウィン・パートナーズ(株)をグループ会社化したことにより、昨今注力し始めていたDXやM&A領域が補強されたことになり、成長ポテンシャルが一段と高まったと弊社では見ている。これらグループ会社が持つノウハウやサービスを同社が抱える全国の顧客に展開していくことができるほか、新規顧客の開拓も進む可能性があるためだ。直近5年間の売上成長率は年率3.6%、営業利益は同5.3%と堅実な成長を続けてきたが、これらグループ会社とのシナジー効果が顕在化すれば、成長率も一段と高まることが予想され、今後の展開が注目される。
■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計の営業利益は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で減益となるも期初計画は上回る
・2021年3月期の業績計画は期初計画を据え置き、2021年1月にM&A支援サービス等を展開するグローウィン・パートナーズ(株)をグループ会社化
・M&A、DX領域のコンサルティングでグループシナジーを高めていくことで、2021年3月期以降の成長スピードが加速する可能性も
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
タナベ経営<9644>は、創業64年目となる日本の総合経営コンサルティングのパイオニアであり、経営ミッションとして「『ファーストコールカンパニー100年先も一番に選ばれる会社』をともに」を掲げている。顧客企業ごとの経営課題に応じて、「ドメイン(業種・事業領域)×ファンクション(経営機能)×リージョン(地域)」という3つの視点で最適な専門コンサルタントを選定してチーム組成する「チームコンサルティング」を、全国の上場企業も含む中堅企業(主に売上高50億円〜1,000億円)へ提供している。業界で唯一、全国主要10都市に地域密着の事業所を展開している。中期事業戦略として、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(コンサルティング領域の多角化)及び「コンサルティングプラットフォーム戦略」(全国・全地域において高品質のコンサルティング価値を提供)を推進している。2019年10月にBtoB企業を対象にデジタルマーケティング支援を行う(株)リーディング・ソリューションをグループ会社化し、2020年3月期より連結決算を開始した。
1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計(2020年4月−9月)の連結業績は、売上高で前年同期比3.6%減(前年同期の単体業績との比較、以下同)の3,993百万円、営業利益が同54.7%減の156百万円となった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、コンサルティングやセミナー等の一時休止や延期等があり、主力の経営コンサルティング事業が減収減益となったことが主因だ。ただ、営業利益に関してはWeb会議システムやERPの導入など社内デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)化の推進により生産性が向上したこと、並びに諸経費の削減効果により、期初計画(80百万円)に対しては上回った。
2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期は、売上高で前期比微増の9,395百万円、営業利益で同29.1%減の700百万円と期初計画を据え置いた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は残るものの、Web会議やWebセミナー等の活用、並びにポストコロナに向けた経営コンサルティングニーズの取り込みに加えて、(株)リーディング・ソリューションと共同開発した新サービス「営業のデジタルシフトコンサルティング」の提供を開始し、新規顧客の開拓を進めていく。また、コロナ禍において需要が高まっているデジタルプロモーションのニーズにも対応していく。さらには、2021年1月末に新たにグループ会社化するグローウィン・パートナーズ(株)の売上高も2億円強の上乗せ要因となる。グローウィン・パートナーズ(株)は主にクロスボーダーを含むM&A全般の支援やERP・RPAの導入支援等のバックオフィス業務コンサルティングなどを展開しており、年間売上規模で10億円強の会社となる。
3. 成長戦略
同社は「C&C戦略」により、コンサルティング領域の多角化(コンサルティングメニューの拡大)を図り、それらをプラットフォーム化して全国規模で同品質の高付加価値サービスの提供を実現することで持続的成長を目指している。前期の(株)リーディング・ソリューションに続いて今回、グローウィン・パートナーズ(株)をグループ会社化したことにより、昨今注力し始めていたDXやM&A領域が補強されたことになり、成長ポテンシャルが一段と高まったと弊社では見ている。これらグループ会社が持つノウハウやサービスを同社が抱える全国の顧客に展開していくことができるほか、新規顧客の開拓も進む可能性があるためだ。直近5年間の売上成長率は年率3.6%、営業利益は同5.3%と堅実な成長を続けてきたが、これらグループ会社とのシナジー効果が顕在化すれば、成長率も一段と高まることが予想され、今後の展開が注目される。
■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計の営業利益は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で減益となるも期初計画は上回る
・2021年3月期の業績計画は期初計画を据え置き、2021年1月にM&A支援サービス等を展開するグローウィン・パートナーズ(株)をグループ会社化
・M&A、DX領域のコンサルティングでグループシナジーを高めていくことで、2021年3月期以降の成長スピードが加速する可能性も
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>