タナベ経営 Research Memo(5):マーケティングコンサルティング事業は増収減益
[21/02/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■タナベ経営<9644>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 経営コンサルティング事業
経営コンサルティング事業の売上高は前年同期比7.0%減の2,474百万円、営業利益は同42.6%減の406百万円となった。単体ベースで見れば売上高は約15%減になったと見られ、リーマンショック不況期(2010年3月期)以来の大きな落ち込みとなった。新型コロナウイルス感染症拡大による政府の緊急事態宣言発出に伴い、企業活動が制限を受けるなかでコンサルティング契約の一時休止や延期、並びにコンサルティング契約につなげるための導線役であった戦略ドメイン&ファンクション研究会やFCCセミナーが中止や延期となったことが響いた。付加価値の高い「チームコンサルティング」の売上減少や(株)リーディング・ソリューションのグループ会社化に伴う販管費増などもあって、営業利益率も前年同期の26.6%から16.4%に低下した。
売上高の内訳を見ると、ドメイン・ファンクションコンサルティングは前年同期比7.8%減の1,726百万円となった。ニーズの高いテーマによる高付加価値サービス「チームコンサルティングブランド(TCB)」の推進により、コンサルティング契約1件当たりの平均単価は上昇したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経営環境の悪化などを背景に、サービス提供の一時休止や延期などが発生し、期中平均契約件数で前年同期の482件から443件に減少したことが減収要因となった。同社では、新型コロナウイルス感染症対策としてオンライン化への対応を進めたが、8月に入って感染症第2波が到来したこともあり、回復は限定的なものにとどまった。コンサルティングニーズとしては「ウィズコロナの中期ビジョン策定・推進」「ジュニアボード(次世代経営チーム育成)」「企業再生」等のニーズが継続して高かった。M&Aアライアンス分野については、提携先である全国の金融機関等の顧客支援を目的とした勉強会「経営塾」の売上が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大きく減少した一方で、成長M&Aコンサルティングは、事業承継型や事業再編型のニーズが旺盛に推移し、また、案件紹介チャネルの開拓や体制強化等を図ったこともあり、取扱件数で前年同期比2.4倍増の26件と大きく伸長した。戦略ドメイン&ファンクション研究会については、Webを使ったライブ配信とリアル集合型を併用して対応したものの、第1四半期のキャンセルや一部延期の影響により減少した。
HRコンサルティングの売上高は前年同期比34.0%減の472百万円となった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、期初からコンサルティング契約の一時休止や延期が発生し、オンライン化対応を進めるも8月以降の感染症第2波によって回復も限定的にとどまった。ただ、「FCCアカデミー(企業内大学)設立」については、オンラインベースの人財育成プラットフォームであることから引き合いが強く、導入企業数が前期末の97社から100社超に増加した。FCCセミナー(階層別セミナー)については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、第1四半期にリアル集合型セミナーでキャンセルが発生し、また、一部開始時期の延期による売上計上の遅れも発生した。一方で、オンデマンド配信も新たに開始しており、「ファーストコールカンパニーフォーラム2020」では、2千名を超える経営者・経営幹部の参加があった。
デジタルコンサルティングの売上高は209百万円となった。企業のDX化を追い風に、(株)リーディング・ソリューションが提供するデジタルマーケティングサービスが好調に推移した。
(2) マーケティングコンサルティング事業
マーケティングコンサルティング事業の売上高は前年同期比2.5%増の1,519百万円、営業損失は69百万円(前年同期は51百万円の損失)となった。感染防止対策商品やテレワーク関連商品等のプロモーションが増加したものの、経営コンサルティングサービスの一時休止や延期の影響により、経営コンサルティング事業との連携による提案件数の減少が損益の悪化要因となった。
分野別の売上動向を見ると、マーケティングコンサルティングは前年同期比0.3%減の977百万円となった。デザインプロモーションは感染防止対策商品(マスク・消毒液・飛沫防止用アクリルパネル等)やテレワーク関連商品のプロモーション企画等が好調に推移した。一方、ブランドプロモーションは、イベント等の自粛による大型キャンペーン等が大きく減少したものの、企業の顧客管理データベース化やWebサイト構築等、デジタルを活用したブランディング・プロモーション支援は好調に推移した。
SPツールの売上高は前年同期比19.6%増の446百万円となった。展示会等で使用するプロモーション商品の販売は減少したものの、感染防止対策商品の需要が大きく伸長したことで増収となった。
ダイアリーの売上高は前年同期比26.0%減の95百万円となった。前年同期は消費増税前の駆け込み需要があり、例年よりも売上水準が高かったことに加え、当期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部キャンセルが発生したことも減収要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別動向
(1) 経営コンサルティング事業
経営コンサルティング事業の売上高は前年同期比7.0%減の2,474百万円、営業利益は同42.6%減の406百万円となった。単体ベースで見れば売上高は約15%減になったと見られ、リーマンショック不況期(2010年3月期)以来の大きな落ち込みとなった。新型コロナウイルス感染症拡大による政府の緊急事態宣言発出に伴い、企業活動が制限を受けるなかでコンサルティング契約の一時休止や延期、並びにコンサルティング契約につなげるための導線役であった戦略ドメイン&ファンクション研究会やFCCセミナーが中止や延期となったことが響いた。付加価値の高い「チームコンサルティング」の売上減少や(株)リーディング・ソリューションのグループ会社化に伴う販管費増などもあって、営業利益率も前年同期の26.6%から16.4%に低下した。
売上高の内訳を見ると、ドメイン・ファンクションコンサルティングは前年同期比7.8%減の1,726百万円となった。ニーズの高いテーマによる高付加価値サービス「チームコンサルティングブランド(TCB)」の推進により、コンサルティング契約1件当たりの平均単価は上昇したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経営環境の悪化などを背景に、サービス提供の一時休止や延期などが発生し、期中平均契約件数で前年同期の482件から443件に減少したことが減収要因となった。同社では、新型コロナウイルス感染症対策としてオンライン化への対応を進めたが、8月に入って感染症第2波が到来したこともあり、回復は限定的なものにとどまった。コンサルティングニーズとしては「ウィズコロナの中期ビジョン策定・推進」「ジュニアボード(次世代経営チーム育成)」「企業再生」等のニーズが継続して高かった。M&Aアライアンス分野については、提携先である全国の金融機関等の顧客支援を目的とした勉強会「経営塾」の売上が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大きく減少した一方で、成長M&Aコンサルティングは、事業承継型や事業再編型のニーズが旺盛に推移し、また、案件紹介チャネルの開拓や体制強化等を図ったこともあり、取扱件数で前年同期比2.4倍増の26件と大きく伸長した。戦略ドメイン&ファンクション研究会については、Webを使ったライブ配信とリアル集合型を併用して対応したものの、第1四半期のキャンセルや一部延期の影響により減少した。
HRコンサルティングの売上高は前年同期比34.0%減の472百万円となった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、期初からコンサルティング契約の一時休止や延期が発生し、オンライン化対応を進めるも8月以降の感染症第2波によって回復も限定的にとどまった。ただ、「FCCアカデミー(企業内大学)設立」については、オンラインベースの人財育成プラットフォームであることから引き合いが強く、導入企業数が前期末の97社から100社超に増加した。FCCセミナー(階層別セミナー)については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、第1四半期にリアル集合型セミナーでキャンセルが発生し、また、一部開始時期の延期による売上計上の遅れも発生した。一方で、オンデマンド配信も新たに開始しており、「ファーストコールカンパニーフォーラム2020」では、2千名を超える経営者・経営幹部の参加があった。
デジタルコンサルティングの売上高は209百万円となった。企業のDX化を追い風に、(株)リーディング・ソリューションが提供するデジタルマーケティングサービスが好調に推移した。
(2) マーケティングコンサルティング事業
マーケティングコンサルティング事業の売上高は前年同期比2.5%増の1,519百万円、営業損失は69百万円(前年同期は51百万円の損失)となった。感染防止対策商品やテレワーク関連商品等のプロモーションが増加したものの、経営コンサルティングサービスの一時休止や延期の影響により、経営コンサルティング事業との連携による提案件数の減少が損益の悪化要因となった。
分野別の売上動向を見ると、マーケティングコンサルティングは前年同期比0.3%減の977百万円となった。デザインプロモーションは感染防止対策商品(マスク・消毒液・飛沫防止用アクリルパネル等)やテレワーク関連商品のプロモーション企画等が好調に推移した。一方、ブランドプロモーションは、イベント等の自粛による大型キャンペーン等が大きく減少したものの、企業の顧客管理データベース化やWebサイト構築等、デジタルを活用したブランディング・プロモーション支援は好調に推移した。
SPツールの売上高は前年同期比19.6%増の446百万円となった。展示会等で使用するプロモーション商品の販売は減少したものの、感染防止対策商品の需要が大きく伸長したことで増収となった。
ダイアリーの売上高は前年同期比26.0%減の95百万円となった。前年同期は消費増税前の駆け込み需要があり、例年よりも売上水準が高かったことに加え、当期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部キャンセルが発生したことも減収要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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