インテリックス Research Memo(8):フロー型ビジネスからハイブリッド型ビジネスへと構造転換を図る
[21/02/17]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■今後の見通し
3.中期ビジョン
インテリックス<8940>は中期ビジョンとして、変動の波が大きい不動産市況の影響を受けやすいフロービジネス中心の収益構造から、ストックビジネスの育成によるハイブリッド型ビジネスへ収益構造を転換していくことで、安定性を高めながら収益成長を目指していく方針を打ち出している。現在、フロービジネスとしてはリノヴェックスマンションやその他不動産物件の販売事業に加えて、アセットシェアリング商品やリースバック物件の販売、リノベーション内装事業等が挙げられ、売上高の9割以上、売上総利益の9割弱を占めている。ストックビジネスとしては、リースバック物件も含めた保有不動産から得られる賃貸収入のほか、アセットシェアリング物件の運営管理収入が挙げられる。2021年5月期第2四半期累計ではコロナ禍により運営管理収入が減少したものの、数年間の動きで見るとアセットシェアリング運用物件やリースバック保有物件の増加に伴い、構成比は上昇傾向にある(売上総利益に占める賃貸収入事業の構成比で見ると、2021年5月期第2四半期累計は11.0%と2017年5月期の5.5%から2倍に上昇)。
またフロービジネスについても、リースバック物件を不動産信託受益権として販売する実績ができたことで、今後は自社である程度コントロールしながら収益を作り出すことが可能になった点も注目される。同社では今後も不動産信託受益権としての販売に関しては1案件で20億円前後の規模を想定しており、状況を見ながら流動化を進めていく戦略となっている。同事業が拡大することで、業績変動の波を軽減しながら安定成長を実現していくことが可能になると弊社では見ている。そのほか、成長のために必要となる資金の調達手段として、クラウドファンディングの活用も進めており、新たな投資家層(=顧客)を獲得しながら成長を目指していく戦略だ。
なお、同社は2020年8月27日付で創業者である山本卓也(やまもとたくや)氏が代表取締役会長となり、代表取締役副社長であった俊成誠司(としなりせいじ)氏が代表取締役社長に昇格することを発表した。俊成氏は創業者の娘婿にあたり41歳とまだ若いものの、証券会社や東京証券取引所などで勤務経験があり金融業界に精通している。同社には2011年に入社以降、金融業界での経験を生かしてアセットシェアリング事業やリースバック事業、クラウドファンディングといった、「不動産×金融」のソリューションを先頭に立って育成してきた人材である。今後は山本氏と二人三脚で経営の陣頭指揮にあたることになり、ソリューション事業の更なる拡大を推進していくものと予想される。また、同社はこれまで社内で策定していた中期経営計画について公表は控えていたが、社長交代を機に中期経営計画を公表して、今後の成長戦略を明示していくことを検討している。発表時期については2021年5月期の本決算発表前後になると見られ、その内容が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
3.中期ビジョン
インテリックス<8940>は中期ビジョンとして、変動の波が大きい不動産市況の影響を受けやすいフロービジネス中心の収益構造から、ストックビジネスの育成によるハイブリッド型ビジネスへ収益構造を転換していくことで、安定性を高めながら収益成長を目指していく方針を打ち出している。現在、フロービジネスとしてはリノヴェックスマンションやその他不動産物件の販売事業に加えて、アセットシェアリング商品やリースバック物件の販売、リノベーション内装事業等が挙げられ、売上高の9割以上、売上総利益の9割弱を占めている。ストックビジネスとしては、リースバック物件も含めた保有不動産から得られる賃貸収入のほか、アセットシェアリング物件の運営管理収入が挙げられる。2021年5月期第2四半期累計ではコロナ禍により運営管理収入が減少したものの、数年間の動きで見るとアセットシェアリング運用物件やリースバック保有物件の増加に伴い、構成比は上昇傾向にある(売上総利益に占める賃貸収入事業の構成比で見ると、2021年5月期第2四半期累計は11.0%と2017年5月期の5.5%から2倍に上昇)。
またフロービジネスについても、リースバック物件を不動産信託受益権として販売する実績ができたことで、今後は自社である程度コントロールしながら収益を作り出すことが可能になった点も注目される。同社では今後も不動産信託受益権としての販売に関しては1案件で20億円前後の規模を想定しており、状況を見ながら流動化を進めていく戦略となっている。同事業が拡大することで、業績変動の波を軽減しながら安定成長を実現していくことが可能になると弊社では見ている。そのほか、成長のために必要となる資金の調達手段として、クラウドファンディングの活用も進めており、新たな投資家層(=顧客)を獲得しながら成長を目指していく戦略だ。
なお、同社は2020年8月27日付で創業者である山本卓也(やまもとたくや)氏が代表取締役会長となり、代表取締役副社長であった俊成誠司(としなりせいじ)氏が代表取締役社長に昇格することを発表した。俊成氏は創業者の娘婿にあたり41歳とまだ若いものの、証券会社や東京証券取引所などで勤務経験があり金融業界に精通している。同社には2011年に入社以降、金融業界での経験を生かしてアセットシェアリング事業やリースバック事業、クラウドファンディングといった、「不動産×金融」のソリューションを先頭に立って育成してきた人材である。今後は山本氏と二人三脚で経営の陣頭指揮にあたることになり、ソリューション事業の更なる拡大を推進していくものと予想される。また、同社はこれまで社内で策定していた中期経営計画について公表は控えていたが、社長交代を機に中期経営計画を公表して、今後の成長戦略を明示していくことを検討している。発表時期については2021年5月期の本決算発表前後になると見られ、その内容が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>