ブリッジ Research Memo(7):コロナ禍で生じた需要を積極的に取り込む売上高及び営業利益は過去最高を更新
[21/03/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年12月期業績概要
ブリッジインターナショナル<7039>の2020年12月期業績は売上高3,646百万円(前期比11.8%増)、営業利益438百万円(同13.6%増)、経常利益441百万円(同14.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益293百万円(同13.3%増)で着地した。会社予想に沿った着地となっているが、同社は2020年12月14日に通期予想を上方修正しているため、期初予想比では堅調な着地を見せたことになる。なお、顧客の営業活動のDXを支援するコンサルティング子会社ClieXitoが事業活動を開始したため、2020年12月期第2四半期より連結財務諸表を作成している。そのため、単純比較はできないが、単体2019年12月期の売上高は3,262百万円、営業利益は385百万円となっている。中長期的な成長投資であるAIサービス「SAIN」の減価償却費負担が重荷となるなかでも、連結決算移行後も売上高営業利益率は12 %と安定して推移している。
同社が展開するサービスは、法人営業の現場における電話やメール・Web等を活用した非対面の営業活動(インサイドセールス)導入支援などであることもあり、2020年4月以降の全社的なテレワーク移行をスムーズに行い、コロナ禍による直接的なマイナス影響は限定的だった。逆に、従来の対面型の営業活動が制限されているなか、インサイドセールスの有効性の認知が急速に広がっていることは同社にとって追い風となり、そうした需要を着実に取り込んだ結果、大規模新規(案件)獲得や既存顧客の取引規模拡大等に繋がり、前期(単体)との単純比較では売上高は11.8%増と2桁の増収となった。また、追い風を受けて慢心することなく、経費の抑制なども進んだことで、売上高販管費率も前期から1.3pt低下している。その結果、売上高及び営業利益は過去最高を更新。なお、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、現在は約90%以上がテレワーク活動となっており、当面この体制を継続していくことを示している。
2. サービス別業績
インサイドセールス事業では、「リソースの提供」「しくみの提供」「道具の提供」の3つのサービスを提供している。ストックビジネスの特性から、「インサイドセールスアウトソーシングサービス」が、売上高の89.4%を占めている。
(1) インサイドセールスアウトソーシングサービス
インサイドセールスにおける「リソースの提供」による年間契約により月額手数料を貰うストックビジネス。インサイドセールス需要の堅調な拡大が続き、IT系以外での大規模新規獲得に加え、既存顧客の取引規模拡大が進展し、想定以上の増収となったことで同サービスの売上高は3,257百万円(前期比13.8%増)と成長、売上構成比は89.4%となっている。2020年12月期におけるサービス提供顧客数は101社。
(2) インサイドセールスコンサルティングサービス
アセスメントや研修の提供のほか、営業戦略立案、インサイドセールス導入・設計、MA導入のコンサルティングといった、「しくみの提供」であり、コンサルティング手数料が収益源となる。DX/CXコンサルサービスにおける旺盛な需要はあったものの、案件のクロージングが進まずやや苦戦した一方、内製支援パッケージ「ANSWERS」が好調に推移したことで同サービスの売上高は112百万円(前期比32.2%増)と大幅な増収となった。売上構成比は3.1%、2020年12月期におけるサービス提供顧客数は27社。
(3) システムソリューションサービス
SFA・CRM・MAの実装支援のほか、AI(AIサービス「SAIN」の「コールナビ」機能提供開始による本格販売開始)等のクラウドサービスといった「道具の提供」となり、開発売上とサブスクリプション売上からなる。AIを活用した営業活動支援ツール「SAIN」が33百万円(前期比12.9%増)と全体感としては伸びたものの、コールナビ機能に関して機能修正を実施し、顧客への提供を停止した影響もあり、期初に見込んでいた成長水準は下回る格好となった。また、サービスの全体構造をフロー型からストック型へ移行している関係で、受託開発の縮小なども進み想定どおりの減収となり、同サービス全体の売上高は275百万円(前期比12.2%減)となった。なお、売上構成比は7.6%であった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<NB>
1. 2020年12月期業績概要
ブリッジインターナショナル<7039>の2020年12月期業績は売上高3,646百万円(前期比11.8%増)、営業利益438百万円(同13.6%増)、経常利益441百万円(同14.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益293百万円(同13.3%増)で着地した。会社予想に沿った着地となっているが、同社は2020年12月14日に通期予想を上方修正しているため、期初予想比では堅調な着地を見せたことになる。なお、顧客の営業活動のDXを支援するコンサルティング子会社ClieXitoが事業活動を開始したため、2020年12月期第2四半期より連結財務諸表を作成している。そのため、単純比較はできないが、単体2019年12月期の売上高は3,262百万円、営業利益は385百万円となっている。中長期的な成長投資であるAIサービス「SAIN」の減価償却費負担が重荷となるなかでも、連結決算移行後も売上高営業利益率は12 %と安定して推移している。
同社が展開するサービスは、法人営業の現場における電話やメール・Web等を活用した非対面の営業活動(インサイドセールス)導入支援などであることもあり、2020年4月以降の全社的なテレワーク移行をスムーズに行い、コロナ禍による直接的なマイナス影響は限定的だった。逆に、従来の対面型の営業活動が制限されているなか、インサイドセールスの有効性の認知が急速に広がっていることは同社にとって追い風となり、そうした需要を着実に取り込んだ結果、大規模新規(案件)獲得や既存顧客の取引規模拡大等に繋がり、前期(単体)との単純比較では売上高は11.8%増と2桁の増収となった。また、追い風を受けて慢心することなく、経費の抑制なども進んだことで、売上高販管費率も前期から1.3pt低下している。その結果、売上高及び営業利益は過去最高を更新。なお、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、現在は約90%以上がテレワーク活動となっており、当面この体制を継続していくことを示している。
2. サービス別業績
インサイドセールス事業では、「リソースの提供」「しくみの提供」「道具の提供」の3つのサービスを提供している。ストックビジネスの特性から、「インサイドセールスアウトソーシングサービス」が、売上高の89.4%を占めている。
(1) インサイドセールスアウトソーシングサービス
インサイドセールスにおける「リソースの提供」による年間契約により月額手数料を貰うストックビジネス。インサイドセールス需要の堅調な拡大が続き、IT系以外での大規模新規獲得に加え、既存顧客の取引規模拡大が進展し、想定以上の増収となったことで同サービスの売上高は3,257百万円(前期比13.8%増)と成長、売上構成比は89.4%となっている。2020年12月期におけるサービス提供顧客数は101社。
(2) インサイドセールスコンサルティングサービス
アセスメントや研修の提供のほか、営業戦略立案、インサイドセールス導入・設計、MA導入のコンサルティングといった、「しくみの提供」であり、コンサルティング手数料が収益源となる。DX/CXコンサルサービスにおける旺盛な需要はあったものの、案件のクロージングが進まずやや苦戦した一方、内製支援パッケージ「ANSWERS」が好調に推移したことで同サービスの売上高は112百万円(前期比32.2%増)と大幅な増収となった。売上構成比は3.1%、2020年12月期におけるサービス提供顧客数は27社。
(3) システムソリューションサービス
SFA・CRM・MAの実装支援のほか、AI(AIサービス「SAIN」の「コールナビ」機能提供開始による本格販売開始)等のクラウドサービスといった「道具の提供」となり、開発売上とサブスクリプション売上からなる。AIを活用した営業活動支援ツール「SAIN」が33百万円(前期比12.9%増)と全体感としては伸びたものの、コールナビ機能に関して機能修正を実施し、顧客への提供を停止した影響もあり、期初に見込んでいた成長水準は下回る格好となった。また、サービスの全体構造をフロー型からストック型へ移行している関係で、受託開発の縮小なども進み想定どおりの減収となり、同サービス全体の売上高は275百万円(前期比12.2%減)となった。なお、売上構成比は7.6%であった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<NB>