ポート Research Memo(1):主力3領域が堅調に推移していることから、2021年3月期通期予想の達成は濃厚
[21/03/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ポート<7047>はインターネットメディアを複数運営している。メディアのジャンルは多岐にわたるが、「就職領域」「リフォーム領域」「カードローン領域」の3つの領域を主力としつつ、新規領域として自治体向けや医療系などのメディアも開発・育成している。
1. 業績動向
2021年3月期第3四半期累計(2020年4月〜12月)の連結業績は、売上高が3,082百万円(前年同期比10.7%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)が291百万円(同43.0%減)、営業利益が119百万円(同72.8%減)、経常利益が137百万円(同68.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が92百万円(同68.4%減)となった。就職領域においては、採用ニーズの回復及びオンライン就活への対応を背景に業績は第3四半期(2020年10月〜12月。以下、当四半期)から前年同水準に回復している。リフォーム領域においては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)におけるリフォーム需要の増加や、対面型の営業自粛等によるネット申込の増加を受け、好調に推移した。カードローン領域においては、消費需要の回復などを背景にカードローン需要が増加した。第2四半期(2020年7月〜9月)は戦略的広告投資により事業利益率が低下したものの、顧客予算を確保し、第3四半期ではマッチング効率の最適化により利益率が改善した。
2. 今後の見通し
2021年3月期通期の連結業績は、売上高が4,100百万円〜4,500百万円(前期比0.09%減〜9.66%増)、EBITDAが0百万円〜100百万円(同100.00%減〜87.38%減)、営業損益が130百万円の損失〜0百万円の利益(同118.57%減〜100.00%減)、経常損益が100百万円の損失〜0百万円の利益(同114.11%減〜100.00%減)、親会社株主に帰属する当期純損益が75百万円の損失〜0百万円の利益(同119.59%減〜100.00%減)を予想している。就職領域では、当四半期の売上が前年同水準まで回復しているものの、積極的な投資を実施したことから事業利益率は低下している。しかしながら、2021年3月卒業予定の新卒会員数が50万人を突破したほか、新規顧客契約数も倍増するなど、投資は奏功している。2022年3月期以降は、投資したコンテンツの収益化が進む予定である。リフォーム領域では、2020年7月末に「外壁塗装の窓口」を運営する(株)ドアーズを買収したことから、当四半期の売上が前年同四半期比36%増と堅調な伸びを見せている。また、申込数が同48%増、累計加盟店数が同22%増、ユーザー獲得単価(CPA=ユーザー1人を獲得するためにかかるコスト)が同19%減少と、各KPIで好調な成果を上げていることから、2022年3月期以降、収益性の大幅な改善が期待できると弊社では見ている。カードローン領域では、集客効率の改善及び金融機関とのアライアンス強化を受けて、当四半期の事業利益率が第2四半期比7ポイント上昇していることから、足元のモメンタムは良好だ。投資においてはアカウント投資が奏功し、アライアンスメディアの売上高は順調に拡大している。また、システム投資を受け、マッチング数が前年同四半期比15%増と堅調に伸びており、今後も力強い成長が期待できると弊社では考えている。
3. 中長期の成長戦略
中長期の成長戦略として同社は、今後10年間で売上高のCAGR(年平均成長率)30%以上を目標として掲げている。具体的には、マッチング総数増加に向けてコンテンツ投資、システム投資、アカウント投資を推進する。また、事業利益率の上昇に対する意識も強く、先行投資フェーズの長期継続や多額の経常的費用によって利益がいつまでも低水準または損失になるという可能性が低い点がポジティブであると弊社では考えている。新規事業創出・新規M&Aも注目点で、明確な参入基準の下で吟味した新たな領域について、ノウハウの注入を通じてメディアのパフォーマンスを改善させる方針である。また、各領域で積み上げた会員ユーザーの基盤を生かし、クロスセルも推進する。そのほか、強固なコーポレート・ガバナンスも成長を加速させる。持ち株やストック・オプションを背景とした経営陣と従業員におけるエクイティー・ポジションは大きく、トップマネジメントを筆頭に組織全体で株主利益への非常に強いコミットメントが期待できる。
■Key Points
・2021年3月期第3四半期累計業績は先行投資によって減益となるも、主力3領域が堅調に推移していることから第4四半期には通期予想を上方修正しており、通期計画の達成確度も高い
・主力3領域における投資の進捗は良好で、事業利益率の改善は今後も継続する見通し
・独自ノウハウをベースに、新規事業創造やM&Aなど通じて売上高のCAGR30%以上を狙う
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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ポート<7047>はインターネットメディアを複数運営している。メディアのジャンルは多岐にわたるが、「就職領域」「リフォーム領域」「カードローン領域」の3つの領域を主力としつつ、新規領域として自治体向けや医療系などのメディアも開発・育成している。
1. 業績動向
2021年3月期第3四半期累計(2020年4月〜12月)の連結業績は、売上高が3,082百万円(前年同期比10.7%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)が291百万円(同43.0%減)、営業利益が119百万円(同72.8%減)、経常利益が137百万円(同68.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が92百万円(同68.4%減)となった。就職領域においては、採用ニーズの回復及びオンライン就活への対応を背景に業績は第3四半期(2020年10月〜12月。以下、当四半期)から前年同水準に回復している。リフォーム領域においては、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)におけるリフォーム需要の増加や、対面型の営業自粛等によるネット申込の増加を受け、好調に推移した。カードローン領域においては、消費需要の回復などを背景にカードローン需要が増加した。第2四半期(2020年7月〜9月)は戦略的広告投資により事業利益率が低下したものの、顧客予算を確保し、第3四半期ではマッチング効率の最適化により利益率が改善した。
2. 今後の見通し
2021年3月期通期の連結業績は、売上高が4,100百万円〜4,500百万円(前期比0.09%減〜9.66%増)、EBITDAが0百万円〜100百万円(同100.00%減〜87.38%減)、営業損益が130百万円の損失〜0百万円の利益(同118.57%減〜100.00%減)、経常損益が100百万円の損失〜0百万円の利益(同114.11%減〜100.00%減)、親会社株主に帰属する当期純損益が75百万円の損失〜0百万円の利益(同119.59%減〜100.00%減)を予想している。就職領域では、当四半期の売上が前年同水準まで回復しているものの、積極的な投資を実施したことから事業利益率は低下している。しかしながら、2021年3月卒業予定の新卒会員数が50万人を突破したほか、新規顧客契約数も倍増するなど、投資は奏功している。2022年3月期以降は、投資したコンテンツの収益化が進む予定である。リフォーム領域では、2020年7月末に「外壁塗装の窓口」を運営する(株)ドアーズを買収したことから、当四半期の売上が前年同四半期比36%増と堅調な伸びを見せている。また、申込数が同48%増、累計加盟店数が同22%増、ユーザー獲得単価(CPA=ユーザー1人を獲得するためにかかるコスト)が同19%減少と、各KPIで好調な成果を上げていることから、2022年3月期以降、収益性の大幅な改善が期待できると弊社では見ている。カードローン領域では、集客効率の改善及び金融機関とのアライアンス強化を受けて、当四半期の事業利益率が第2四半期比7ポイント上昇していることから、足元のモメンタムは良好だ。投資においてはアカウント投資が奏功し、アライアンスメディアの売上高は順調に拡大している。また、システム投資を受け、マッチング数が前年同四半期比15%増と堅調に伸びており、今後も力強い成長が期待できると弊社では考えている。
3. 中長期の成長戦略
中長期の成長戦略として同社は、今後10年間で売上高のCAGR(年平均成長率)30%以上を目標として掲げている。具体的には、マッチング総数増加に向けてコンテンツ投資、システム投資、アカウント投資を推進する。また、事業利益率の上昇に対する意識も強く、先行投資フェーズの長期継続や多額の経常的費用によって利益がいつまでも低水準または損失になるという可能性が低い点がポジティブであると弊社では考えている。新規事業創出・新規M&Aも注目点で、明確な参入基準の下で吟味した新たな領域について、ノウハウの注入を通じてメディアのパフォーマンスを改善させる方針である。また、各領域で積み上げた会員ユーザーの基盤を生かし、クロスセルも推進する。そのほか、強固なコーポレート・ガバナンスも成長を加速させる。持ち株やストック・オプションを背景とした経営陣と従業員におけるエクイティー・ポジションは大きく、トップマネジメントを筆頭に組織全体で株主利益への非常に強いコミットメントが期待できる。
■Key Points
・2021年3月期第3四半期累計業績は先行投資によって減益となるも、主力3領域が堅調に推移していることから第4四半期には通期予想を上方修正しており、通期計画の達成確度も高い
・主力3領域における投資の進捗は良好で、事業利益率の改善は今後も継続する見通し
・独自ノウハウをベースに、新規事業創造やM&Aなど通じて売上高のCAGR30%以上を狙う
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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