アイエスビー Research Memo(3):情報サービスとセキュリティシステムの2事業を展開
[21/03/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
2. 事業内容
アイ・エス・ビー<9702>はソフトウェア受託開発からシステム構築・保守・運用などの情報サービス事業と、入退室管理システムを手掛けるアート及びその子会社のアートサービス(株)によるセキュリティシステム事業の2つのセグメントで情報を開示している。
2020年12月期の売上構成比は情報サービス事業が83.5%、セキュリティシステム事業が16.5%、営業利益の構成比は情報サービス事業が80.6%、セキュリティシステム事業が19.4%となり(いずれも調整額を除いた構成比)、情報サービス事業が収益の柱となっており、直近3年間で構成比に変化は殆ど見られず、両事業ともに成長が続いている。
また、分野別の売上構成比で見ると、「携帯端末」「モバイルインフラ」などの通信分野は合わせて11.8%とここ数年は縮小傾向となっている。顧客である日系携帯電話メーカーが相次いで市場から撤退したことが主因だ。一方で、構成比を高めているのは「業務システム」で2017年12月期の9.9%から2020年12月期は18.4%とほぼ2倍に伸ばしている。クラウドの普及によって企業の業務系システムがクラウドに移行しており、クラウドを含めたシステム開発案件が拡大している。また、「フィールドサービス」についても2017年12月期の10.5%から15.7%に伸ばしている。フィールドサービスとは、ネットワーク/サーバ構築支援とシステムの保守・運用サービスなどが含まれており、2019年にこれらを手掛けているテイクスを子会社化したことが構成比の上昇要因となっている。「フィールドサービス」売上の約50%はテイクスが担っている。「プロダクト事業」はアートの入退室管理システムのほか、同社が開発または外部から導入したソフトウェア製品・サービスが含まれている。大半はアートの売上高となり、同社開発品としてはクラウドサービス型のアクセスコントロールプラットフォームの「ALLIGATE」がストックビジネスとして着実に成長している。
なお、主な子会社の概要を見ると、ISB Vietnamはオフショア拠点としてベトナム(ホーチミン市)に設立され、現在、売上高の90%以上を同社グループからの受注案件で占めている。また、(株)アイ・エス・ビー東北、スリーエス、コンピュータハウスは独自で受注活動を行っているほか、ニアショア拠点としても活用しており、ニアショア売上比率は20%前後となっている。ノックスデータは東京、名古屋に拠点を置き、組込系や情報通信、宇宙分野のソフトウェア開発を主軸に展開している。
テイクスは大手Sierをはじめ多数のIT企業を顧客に持ち、首都圏を中心にサテライトオフィスを含め11拠点を展開しており、子会社のなかではアートと並ぶ事業規模となっている。コンピュータシステムの企画・設計・開発・運用・保守などを行っており、分野別売上高としては「フィールドサービス」のほか、「金融」「業務システム」など幅広い分野を手掛けている。開示情報による直近の業績を見ると、2019年12月期で売上高3,451百万円、営業利益411百万円と収益性も高い。人材育成ノウハウに強みを持ち、未経験者でも一定レベルの水準まで短期間で育成し、派遣先に数十名単位でエンジニアを送り出すことを可能としている。
アートは入退室管理システムで業界のパイオニアとして知られており、ビルや商業施設、公共施設など幅広い分野で同社のシステムが導入されている。子会社のアートサービスも含めて、セキュリティシステムの提案・設計・施工・保守・メンテナンスまでを一括して行っている。また、2017年にはクラウド型アクセスコントロールプラットフォーム「ALLIGATE(アリゲイト)」を開発した。初期費用無料で月額利用料を得るストック型ビジネスであり、クラウド型の勤怠管理システムを提供する企業などともシステム連携することで、顧客企業の業務効率向上を支援するソリューションとして訴求し、導入先を広げている。また、2020年5月には新型コロナウイルス感染症の予防に効果的な、AI搭載サーマルカメラの販売を開始している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業内容
アイ・エス・ビー<9702>はソフトウェア受託開発からシステム構築・保守・運用などの情報サービス事業と、入退室管理システムを手掛けるアート及びその子会社のアートサービス(株)によるセキュリティシステム事業の2つのセグメントで情報を開示している。
2020年12月期の売上構成比は情報サービス事業が83.5%、セキュリティシステム事業が16.5%、営業利益の構成比は情報サービス事業が80.6%、セキュリティシステム事業が19.4%となり(いずれも調整額を除いた構成比)、情報サービス事業が収益の柱となっており、直近3年間で構成比に変化は殆ど見られず、両事業ともに成長が続いている。
また、分野別の売上構成比で見ると、「携帯端末」「モバイルインフラ」などの通信分野は合わせて11.8%とここ数年は縮小傾向となっている。顧客である日系携帯電話メーカーが相次いで市場から撤退したことが主因だ。一方で、構成比を高めているのは「業務システム」で2017年12月期の9.9%から2020年12月期は18.4%とほぼ2倍に伸ばしている。クラウドの普及によって企業の業務系システムがクラウドに移行しており、クラウドを含めたシステム開発案件が拡大している。また、「フィールドサービス」についても2017年12月期の10.5%から15.7%に伸ばしている。フィールドサービスとは、ネットワーク/サーバ構築支援とシステムの保守・運用サービスなどが含まれており、2019年にこれらを手掛けているテイクスを子会社化したことが構成比の上昇要因となっている。「フィールドサービス」売上の約50%はテイクスが担っている。「プロダクト事業」はアートの入退室管理システムのほか、同社が開発または外部から導入したソフトウェア製品・サービスが含まれている。大半はアートの売上高となり、同社開発品としてはクラウドサービス型のアクセスコントロールプラットフォームの「ALLIGATE」がストックビジネスとして着実に成長している。
なお、主な子会社の概要を見ると、ISB Vietnamはオフショア拠点としてベトナム(ホーチミン市)に設立され、現在、売上高の90%以上を同社グループからの受注案件で占めている。また、(株)アイ・エス・ビー東北、スリーエス、コンピュータハウスは独自で受注活動を行っているほか、ニアショア拠点としても活用しており、ニアショア売上比率は20%前後となっている。ノックスデータは東京、名古屋に拠点を置き、組込系や情報通信、宇宙分野のソフトウェア開発を主軸に展開している。
テイクスは大手Sierをはじめ多数のIT企業を顧客に持ち、首都圏を中心にサテライトオフィスを含め11拠点を展開しており、子会社のなかではアートと並ぶ事業規模となっている。コンピュータシステムの企画・設計・開発・運用・保守などを行っており、分野別売上高としては「フィールドサービス」のほか、「金融」「業務システム」など幅広い分野を手掛けている。開示情報による直近の業績を見ると、2019年12月期で売上高3,451百万円、営業利益411百万円と収益性も高い。人材育成ノウハウに強みを持ち、未経験者でも一定レベルの水準まで短期間で育成し、派遣先に数十名単位でエンジニアを送り出すことを可能としている。
アートは入退室管理システムで業界のパイオニアとして知られており、ビルや商業施設、公共施設など幅広い分野で同社のシステムが導入されている。子会社のアートサービスも含めて、セキュリティシステムの提案・設計・施工・保守・メンテナンスまでを一括して行っている。また、2017年にはクラウド型アクセスコントロールプラットフォーム「ALLIGATE(アリゲイト)」を開発した。初期費用無料で月額利用料を得るストック型ビジネスであり、クラウド型の勤怠管理システムを提供する企業などともシステム連携することで、顧客企業の業務効率向上を支援するソリューションとして訴求し、導入先を広げている。また、2020年5月には新型コロナウイルス感染症の予防に効果的な、AI搭載サーマルカメラの販売を開始している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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