ピアラ Research Memo(1):2020年12月期後半のヒット商品が売上をけん引、成長スピードは再加速の見通し
[21/03/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ピアラ<7044>は、ヘルスケア&ビューティ(以下、H&B)及び食品市場のEC及びD2C※事業者へのマーケティング支援を軸に、DX事業を行っている。さらに、他業種やグローバルに展開するなど事業領域の拡大も推進している。新規顧客獲得から育成までのKPIを保証し、マーケティング効果を最大化する「マーケティングコミットカンパニー」を標榜し、成果報酬型のビジネスモデルを展開していることが特徴である。購買行動に影響する消費者の「悩み」に着目し、過去の成功モデルを体系化した「悩み別データ」と分析システムを活用することでヒット商品を創出し、顧客満足度の高いサービスを提供している。グローバル事業では中国、台湾、ベトナム、タイに進出し、日本の商品のマーケティング支援を行っている。2020年7月に東証マザーズ市場から市場第1部に昇格した。
※ D2C(Direct to Consumer)は、自社で企画、製造した商品を自社ECサイトを通じて販売し、顧客管理まで行うビジネスモデルを指す。
1. 2020年12月期の業績概要
2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比7.5%増の14,585百万円、営業利益で同23.4%増の503百万円と過去最高業績を連続更新した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で、ジム・エステ業界からのWeb広告やイベント広告収入等が大きく落ち込んだほか、主要顧客の1社が顧客理由で一時的に営業停止処分を受けた影響等により、売上高で1,954百万円、売上総利益で286百万円のマイナス要因となったため、期初会社計画(売上高15,865百万円、営業利益531百万円)を下回った。しかしながら、これら要因は期初計画の想定外であったことから、同要因がなければ計画を上回っていたものと考えられる。好業績の要因としては、2020年12月期に取引を開始した新規顧客や新規ヒット商品の創出による増収効果や、2019年12月期のヒット商品の増収効果が継続するなど、主力のKPI保証サービスが好調に推移したことが挙げられる。また、2020年12月期は新規事業を複数立ち上げるなど成長投資も実施しており、人件費等が増加するなかでも2ケタ増益を達成したことは評価される。
2. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比25.1%増の18,241百万円、営業利益で同40.0%増の705百万円と大幅増収増益となる見通し。2020年12月期後半に化粧品やヘアケア商品等でヒット商品が数多く生まれており、これらが2021年12月期の売上をけん引していくことになる。また、2021年12月期には機能性表示食品の新規案件も増える見込みとなっており、これらが増収に貢献するほか、前期に落ち込んだ主要顧客の売上が50%程度回復することなどが主因となる。なお、前期にリリースした複数の新規事業については、エンタメ業界向けDX事業で売上総利益1億円程度を見込んでいるが、その他事業については計画に織り込んでおらず、状況次第では上乗せ要因となる可能性がある。また、グローバル事業についても、新たに中国人向けライブコマースに注力するなど拡大していく見通しとなっている。
3. 中期経営計画と新規事業について
同社は2020年12月期から3ヶ年の中期経営計画をスタートしており、2022年12月期に連結売上高235億円以上、営業利益12億円、営業利益率5%以上を目標として掲げている。KPI保証サービスの持続的な高成長に加えて、高粗利ビジネスの新規事業を育成していくことで目標を達成していく。2020年12月期の業績は計画を若干下回ったものの、成長戦略となる新規事業の育成については、エンタメDX事業やマーケティング金融支援サービスなど複数のサービスを立ち上げており、これらのなかから将来成長が見込める事業を選別し、リソースを投下することで一気に伸ばし、収益性の向上も図っていく戦略となっている。なお同社は、2022年4月に東証の市場区分が変更されるにあたって、「プライム市場」を選択する方針としている。プライム市場を維持していくためには流通総額基準のクリアが課題となるが、中期経営計画の業績目標を達成していくことで基準をクリアしたい考えだ。
■Key Points
・2020年12月期は想定外のマイナス要因が発生したものの過去最高業績を更新
・2021年12月期は前期後半にヒットした商品の売上増がけん引役となり、大幅増収増益となる見通し
・高粗利ビジネスとなる新規事業の育成等により、成長スピードの加速と収益性向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ピアラ<7044>は、ヘルスケア&ビューティ(以下、H&B)及び食品市場のEC及びD2C※事業者へのマーケティング支援を軸に、DX事業を行っている。さらに、他業種やグローバルに展開するなど事業領域の拡大も推進している。新規顧客獲得から育成までのKPIを保証し、マーケティング効果を最大化する「マーケティングコミットカンパニー」を標榜し、成果報酬型のビジネスモデルを展開していることが特徴である。購買行動に影響する消費者の「悩み」に着目し、過去の成功モデルを体系化した「悩み別データ」と分析システムを活用することでヒット商品を創出し、顧客満足度の高いサービスを提供している。グローバル事業では中国、台湾、ベトナム、タイに進出し、日本の商品のマーケティング支援を行っている。2020年7月に東証マザーズ市場から市場第1部に昇格した。
※ D2C(Direct to Consumer)は、自社で企画、製造した商品を自社ECサイトを通じて販売し、顧客管理まで行うビジネスモデルを指す。
1. 2020年12月期の業績概要
2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比7.5%増の14,585百万円、営業利益で同23.4%増の503百万円と過去最高業績を連続更新した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で、ジム・エステ業界からのWeb広告やイベント広告収入等が大きく落ち込んだほか、主要顧客の1社が顧客理由で一時的に営業停止処分を受けた影響等により、売上高で1,954百万円、売上総利益で286百万円のマイナス要因となったため、期初会社計画(売上高15,865百万円、営業利益531百万円)を下回った。しかしながら、これら要因は期初計画の想定外であったことから、同要因がなければ計画を上回っていたものと考えられる。好業績の要因としては、2020年12月期に取引を開始した新規顧客や新規ヒット商品の創出による増収効果や、2019年12月期のヒット商品の増収効果が継続するなど、主力のKPI保証サービスが好調に推移したことが挙げられる。また、2020年12月期は新規事業を複数立ち上げるなど成長投資も実施しており、人件費等が増加するなかでも2ケタ増益を達成したことは評価される。
2. 2021年12月期業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比25.1%増の18,241百万円、営業利益で同40.0%増の705百万円と大幅増収増益となる見通し。2020年12月期後半に化粧品やヘアケア商品等でヒット商品が数多く生まれており、これらが2021年12月期の売上をけん引していくことになる。また、2021年12月期には機能性表示食品の新規案件も増える見込みとなっており、これらが増収に貢献するほか、前期に落ち込んだ主要顧客の売上が50%程度回復することなどが主因となる。なお、前期にリリースした複数の新規事業については、エンタメ業界向けDX事業で売上総利益1億円程度を見込んでいるが、その他事業については計画に織り込んでおらず、状況次第では上乗せ要因となる可能性がある。また、グローバル事業についても、新たに中国人向けライブコマースに注力するなど拡大していく見通しとなっている。
3. 中期経営計画と新規事業について
同社は2020年12月期から3ヶ年の中期経営計画をスタートしており、2022年12月期に連結売上高235億円以上、営業利益12億円、営業利益率5%以上を目標として掲げている。KPI保証サービスの持続的な高成長に加えて、高粗利ビジネスの新規事業を育成していくことで目標を達成していく。2020年12月期の業績は計画を若干下回ったものの、成長戦略となる新規事業の育成については、エンタメDX事業やマーケティング金融支援サービスなど複数のサービスを立ち上げており、これらのなかから将来成長が見込める事業を選別し、リソースを投下することで一気に伸ばし、収益性の向上も図っていく戦略となっている。なお同社は、2022年4月に東証の市場区分が変更されるにあたって、「プライム市場」を選択する方針としている。プライム市場を維持していくためには流通総額基準のクリアが課題となるが、中期経営計画の業績目標を達成していくことで基準をクリアしたい考えだ。
■Key Points
・2020年12月期は想定外のマイナス要因が発生したものの過去最高業績を更新
・2021年12月期は前期後半にヒットした商品の売上増がけん引役となり、大幅増収増益となる見通し
・高粗利ビジネスとなる新規事業の育成等により、成長スピードの加速と収益性向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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