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フォーバル Research Memo(4):21年3月期3Qは累計で減収減益も、3Q単独では増収・営業利益で増益に転換

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. アイコンサービス等の継続サービスは好調維持
フォーバル<8275>の2021年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比2.4%減の36,024百万円、営業利益が同22.4%減の1,733百万円、経常利益が同31.8%減の1,571百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同50.0%減の822百万円となり、コロナ禍での落ち込みから回復が顕著になっているものの、3四半期累計では減収減益となった。

売上高に関しては、緊急事態宣言が出された第1四半期に前年同四半期比6.7%減と落ち込んだが、第2四半期単独では同4.3%減、第3四半期単独では同3.8%増と回復傾向は顕著である。上期の出遅れは、第1四半期に営業自粛や全従業員の約18%にあたる179名を含めグループ会社の一部従業員の休業の実施等で影響が大きかったが、一部の顧客(企業・団体・個人)では投資先送りや個別訪問営業回避等の傾向は継続している。一方で、同社ではコロナ禍においても成長を持続するビジネスを多数保有していることが好材料である。フォーバルビジネスグループでは、アイコンサービスが堅調に推移し、テレワーク環境の整備などの投資が活発であり、従来の事務機器やサーバー等への投資減少を補う。特に第3四半期以降は中小企業向けの行政支援体制も整い、IT投資(DX)が活発化する傾向にあり、アドバイザーとしての同社の活躍の場が拡大している。フォーバルテレコムビジネスグループでは、ISPサービスが減少したが、新電力サービスや保険サービスが好調である。総合環境コンサルティングビジネスグループでは、再生可能エネルギー特別措置法(FIT法)改正の影響により太陽光システム等が減少するが、蓄電池等はコロナ禍でも堅調に推移している。人材・教育部門を含むその他セグメントは、子会社化したカエルネットワークスが寄与したのに加え、技術者派遣なども好調だった。

営業利益に関しては、販管費において経費の削減に取り組んだことで前年同期比618百万円減少(前年同期比5.2%減)となったものの、売上総利益が同1,118百万円減少(同7.9%減)し、累計では減益である。一方で、第3四半期単独の営業利益では前年同四半期比2.2%増と回復傾向である。


健全かつ安定した財務体質を維持。現金及び預金約100億円と潤沢であり、継続的なM&Aが可能
2. 財務状況と経営指標
2021年3月期第3四半期末の総資産は前期末比288百万円増の29,392百万円となった。そのうち流動資産は327百万円減であり、現金及び預金は388百万円増となったものの、受取手形及び売掛金が686百万円減となったことが主な要因である。固定資産は615百万円増であり、のれんの増加にともなう無形固定資産700百万円増などが主な要因である。

負債合計は前期末比592百万円減の17,111百万円となった。そのうち流動負債は813百万円減であり、支払手形及び買掛金の431百万円減や未払法人税等の487百万円減などが主な要因である。固定負債は221百万円増であり、長期借入金及び退職給付に係る負債などの増加が主な要因である。有利子負債の残高は4,224百万円であり、現金及び預金10,131百万円と比較しても低水準にある。

経営指標(2021年3月期第3四半期末)では、流動比率が143.7%(前期末138.1%)、自己資本比率が39.7%(同37.2%)となっており、健全かつ安定した財務状態を維持している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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