アドバンクリエ Research Memo(1):保険代理店事業の収益性が大きく向上
[21/07/06]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手。「保険市場」サイトを通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面販売(通信販売、ネット完結型販売)や同社直営店舗での販売、提携代理店への送客、オンライン保険相談など、最適な販売チャネルで保険商品の販売を行っている。収益の大半はこの保険契約から得られる代理店手数料収入で占められ、そのほかにASP※事業、メディア事業(「保険市場」サイトによる広告収益)、メディアレップ事業、再保険事業を展開している。
※ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、インターネットをとおして各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと。
1. 2021年9月期第2四半期累計業績の概要
2021年9月期第2四半期累計(2020年10月〜2021年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比3.6%増の5,778百万円、営業利益で同42.5%増の1,221百万円となり、第2四半期累計として過去最高業績を更新した。主力の保険代理店事業において、アポイント数の増加とオンライン保険相談の収益性向上により、直営コンサルティングプラザでの販売実績が前年同期を上回ったことに加えて、AI等を活用したWebプロモーションの実施により原価率が低下したことが増収増益要因となった。特に、これらの取り組みの効果が顕在化した第2四半期の営業利益は前年同期比79.1%増の1,006百万円と急拡大しており、収益性が大幅に向上した点は注目される。
2. 2021年9月期の業績見通し
2021年9月期の連結業績は、売上高で前期比16.1%増の12,200百万円、営業利益で同68.9%増の2,000百万円と3月に上方修正した数値(売上高12,000百万円、営業利益1,800百万円)を6月2日付で再上方修正した。2021年4月、5月と直営コンサルティングプラザにおける販売が好調を持続していることが主因だ。6月以降については新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響について現状の継続を前提に、各種リスクファクターを考慮した数字となっており、依然上振れ余地が残されていると弊社では見ている。なお、同社は自社開発したオンライン保険相談に特化したビデオ通話システム「Dynamic OMO」の外販を2021年3月より開始している。コロナ禍でオフラインの営業が制限され、OMO戦略※の重要性が増すなかで、既に自社で導入効果が確認されているツールであり、保険会社や代理店向けを中心に今後の販売拡大が期待される。
※OMO(Online Merges with Offline)とは、「オンラインとオフラインの融合」を意味し、OnlineとOfflineを1つの大きなマーケットと見なしてサービスや機能を融合させていく考え方のこと。
3. 成長戦略と目標とする経営指標
同社はSNSや動画広告、AIデータ解析等を用いた先進的なマーケティング施策と生産性の高い営業手法を組み合わせることで、保険代理店事業の拡大を目指すほか、自社で蓄積したデジタルマーケティングのノウハウをメディア事業やメディアレップ事業で生かし、またストック型ビジネスとなるASP事業や再保険事業の積み上げによって収益基盤の安定化を図るなど、保険に関するあらゆる収益機会にアプローチしていくことで成長を目指していく戦略だ。同社は若手社員が開発部門・営業部門ともにスピード感を持って新たなことにチャレンジしており、コロナ禍における大幅な収益向上の原動力となっている。今後も先進テクノロジーを積極的に取り入れることで同業他社をリードし、成長を続けていくものと予想される。なお同社は目標とする経営指標として、売上高経常利益率20%以上(2020年9月期実績10.4%)、ROE20%以上(同13.7%)、配当性向50%以上(同74.9%)、自己資本比率80%以上(同54.4%)を掲げているが、売上高経常利益率に関しては第2四半期累計で20.2%と目標水準を達成している。通期においても20%を超える蓋然性が高まっており、そうなればROEについても20%を超えるものと予想される。
■Key Points
・2021年9月期業績は再上方修正した会社計画をさらに上回る可能性
・先端テクノロジーを取り入れたOMO戦略の推進により、インシュアテック企業としてさらなる成長を目指す
・配当性向は50%以上が目安、株式分割実施後も株主優待は従来内容を継続方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
アドバンスクリエイト<8798>は、国内最大級の保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」を運営する独立系保険代理店の大手。「保険市場」サイトを通して問い合わせのあった見込み顧客に対して、非対面販売(通信販売、ネット完結型販売)や同社直営店舗での販売、提携代理店への送客、オンライン保険相談など、最適な販売チャネルで保険商品の販売を行っている。収益の大半はこの保険契約から得られる代理店手数料収入で占められ、そのほかにASP※事業、メディア事業(「保険市場」サイトによる広告収益)、メディアレップ事業、再保険事業を展開している。
※ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、インターネットをとおして各種アプリケーションを提供するサービスまたはサービスを提供する事業者のこと。
1. 2021年9月期第2四半期累計業績の概要
2021年9月期第2四半期累計(2020年10月〜2021年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比3.6%増の5,778百万円、営業利益で同42.5%増の1,221百万円となり、第2四半期累計として過去最高業績を更新した。主力の保険代理店事業において、アポイント数の増加とオンライン保険相談の収益性向上により、直営コンサルティングプラザでの販売実績が前年同期を上回ったことに加えて、AI等を活用したWebプロモーションの実施により原価率が低下したことが増収増益要因となった。特に、これらの取り組みの効果が顕在化した第2四半期の営業利益は前年同期比79.1%増の1,006百万円と急拡大しており、収益性が大幅に向上した点は注目される。
2. 2021年9月期の業績見通し
2021年9月期の連結業績は、売上高で前期比16.1%増の12,200百万円、営業利益で同68.9%増の2,000百万円と3月に上方修正した数値(売上高12,000百万円、営業利益1,800百万円)を6月2日付で再上方修正した。2021年4月、5月と直営コンサルティングプラザにおける販売が好調を持続していることが主因だ。6月以降については新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響について現状の継続を前提に、各種リスクファクターを考慮した数字となっており、依然上振れ余地が残されていると弊社では見ている。なお、同社は自社開発したオンライン保険相談に特化したビデオ通話システム「Dynamic OMO」の外販を2021年3月より開始している。コロナ禍でオフラインの営業が制限され、OMO戦略※の重要性が増すなかで、既に自社で導入効果が確認されているツールであり、保険会社や代理店向けを中心に今後の販売拡大が期待される。
※OMO(Online Merges with Offline)とは、「オンラインとオフラインの融合」を意味し、OnlineとOfflineを1つの大きなマーケットと見なしてサービスや機能を融合させていく考え方のこと。
3. 成長戦略と目標とする経営指標
同社はSNSや動画広告、AIデータ解析等を用いた先進的なマーケティング施策と生産性の高い営業手法を組み合わせることで、保険代理店事業の拡大を目指すほか、自社で蓄積したデジタルマーケティングのノウハウをメディア事業やメディアレップ事業で生かし、またストック型ビジネスとなるASP事業や再保険事業の積み上げによって収益基盤の安定化を図るなど、保険に関するあらゆる収益機会にアプローチしていくことで成長を目指していく戦略だ。同社は若手社員が開発部門・営業部門ともにスピード感を持って新たなことにチャレンジしており、コロナ禍における大幅な収益向上の原動力となっている。今後も先進テクノロジーを積極的に取り入れることで同業他社をリードし、成長を続けていくものと予想される。なお同社は目標とする経営指標として、売上高経常利益率20%以上(2020年9月期実績10.4%)、ROE20%以上(同13.7%)、配当性向50%以上(同74.9%)、自己資本比率80%以上(同54.4%)を掲げているが、売上高経常利益率に関しては第2四半期累計で20.2%と目標水準を達成している。通期においても20%を超える蓋然性が高まっており、そうなればROEについても20%を超えるものと予想される。
■Key Points
・2021年9月期業績は再上方修正した会社計画をさらに上回る可能性
・先端テクノロジーを取り入れたOMO戦略の推進により、インシュアテック企業としてさらなる成長を目指す
・配当性向は50%以上が目安、株式分割実施後も株主優待は従来内容を継続方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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