サムティ Research Memo(6):2021年11月期予想を増額修正。最終利益では9期連続増益を確保する見通し
[21/08/19]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■業績見通し
1. 2021年11月期の業績予想
2021年11月期の業績予想(レンジ形式)についてサムティ<3244>は、期初予想から2回目の増額修正を実施した。修正後の業績予想としては、売上高を88,000百万円(前期比13.0%減)〜120,000百万円(同18.7%増)、営業利益を10,000百万円(同42.4%減)〜11,800百万円(同32.0%減)、経常利益を12,200百万円(同20.0%減)〜13,600百万円(同10.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益を11,900百万円(同12.1%増)〜12,900百万円(同21.5%増)と見込んでいる。
なお、1回目(2021年3月30日)の業績修正は、1) 売却予定物件を追加したことに加え、2) 「アロフト大阪堂島」の取得により営業外収益(約23億円)及び特別利益(約24億円)を計上したこと、3) 「(仮称)シャングリ・ラ京都二条城」の取得により営業外収益が発生する見込みとなったことが理由である。また、2回目(6月30日)の業績修正については、4) WMIの持分法適用会社化により営業外収益(約6億円)が発生することが理由であり、期初予想から売上高、利益ともにレンジ幅を増額修正する内容となっている。
売上高の下限値が減収となっているのは、中期経営計画の見直しに従い、完成物件の早期売却から賃貸保有へと転換していくプロセスにおいて物件売却数が一時的に減少することが理由である。下限における販売計画(年間)は、開発流動化が21物件(前期は23物件)、再生流動化が32物件(同42物件)、投資分譲が2物件(同5物件)となっている。特に、下期偏重の予算編成となっており、8月3日にはSRR向けに21物件(約240億円)を譲渡済みである。また、重視するインカムゲイン(賃貸収入等)についても、前期比12.5%増の14,795百万円と順調に拡大する見通しである。
利益面では、物件売却数の減少に伴う影響や、ホテル事業における費用増(新規開業に伴う初期費用を含む)等により、営業利益は上限・下限ともに減益を見込んでいる。ただ、親会社株主に帰属する当期純利益については、特別利益の計上等により増益(9期連続)を確保する予想となっている。
また、投資計画については、開発用地に約397億円(前期実績は222億円)、収益不動産に約480億円(同303億円)を予定しており、グループ資産拡大に向けて戦略的投資を継続していく方針である。
2. 弊社の見方
弊社でも、前提となる物件売却計画やインカムゲイン(賃貸収入等)の積み上げに合理性があることから、業績予想の下限値は確実性の高いラインとして捉えており、どれだけ上限値に近いところで着地できるかがポイントになると見ている。注目すべきは、戦略的投資による資産の積み上げやホテルREITの設立及び上場に向けた動き、海外事業の進捗などにある。特に、ホテル事業については、新規開業ホテルの立ち上がりを含め、稼働率の回復への道筋、WMIとの具体的な連携などをフォローしていきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<YM>
1. 2021年11月期の業績予想
2021年11月期の業績予想(レンジ形式)についてサムティ<3244>は、期初予想から2回目の増額修正を実施した。修正後の業績予想としては、売上高を88,000百万円(前期比13.0%減)〜120,000百万円(同18.7%増)、営業利益を10,000百万円(同42.4%減)〜11,800百万円(同32.0%減)、経常利益を12,200百万円(同20.0%減)〜13,600百万円(同10.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益を11,900百万円(同12.1%増)〜12,900百万円(同21.5%増)と見込んでいる。
なお、1回目(2021年3月30日)の業績修正は、1) 売却予定物件を追加したことに加え、2) 「アロフト大阪堂島」の取得により営業外収益(約23億円)及び特別利益(約24億円)を計上したこと、3) 「(仮称)シャングリ・ラ京都二条城」の取得により営業外収益が発生する見込みとなったことが理由である。また、2回目(6月30日)の業績修正については、4) WMIの持分法適用会社化により営業外収益(約6億円)が発生することが理由であり、期初予想から売上高、利益ともにレンジ幅を増額修正する内容となっている。
売上高の下限値が減収となっているのは、中期経営計画の見直しに従い、完成物件の早期売却から賃貸保有へと転換していくプロセスにおいて物件売却数が一時的に減少することが理由である。下限における販売計画(年間)は、開発流動化が21物件(前期は23物件)、再生流動化が32物件(同42物件)、投資分譲が2物件(同5物件)となっている。特に、下期偏重の予算編成となっており、8月3日にはSRR向けに21物件(約240億円)を譲渡済みである。また、重視するインカムゲイン(賃貸収入等)についても、前期比12.5%増の14,795百万円と順調に拡大する見通しである。
利益面では、物件売却数の減少に伴う影響や、ホテル事業における費用増(新規開業に伴う初期費用を含む)等により、営業利益は上限・下限ともに減益を見込んでいる。ただ、親会社株主に帰属する当期純利益については、特別利益の計上等により増益(9期連続)を確保する予想となっている。
また、投資計画については、開発用地に約397億円(前期実績は222億円)、収益不動産に約480億円(同303億円)を予定しており、グループ資産拡大に向けて戦略的投資を継続していく方針である。
2. 弊社の見方
弊社でも、前提となる物件売却計画やインカムゲイン(賃貸収入等)の積み上げに合理性があることから、業績予想の下限値は確実性の高いラインとして捉えており、どれだけ上限値に近いところで着地できるかがポイントになると見ている。注目すべきは、戦略的投資による資産の積み上げやホテルREITの設立及び上場に向けた動き、海外事業の進捗などにある。特に、ホテル事業については、新規開業ホテルの立ち上がりを含め、稼働率の回復への道筋、WMIとの具体的な連携などをフォローしていきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<YM>