ホットリンク Research Memo(5):2021年12月期第2四半期累計で売上高過去最高を更新(2)
[21/09/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ホットリンク<3680>の業績動向
(2) クロスバウンド事業
クロスバウンド事業の売上高は前年同期比96.2%増の850百万円となった。引き続き訪日中国人向けプロモーション(インバウンド)需要は停止したものの、安定して経済回復を続ける中国市場向けプロモーション(アウトバウンド)において高まる顧客企業の需要を積極的に獲得した。また、越境ECのトランザクション型新開発サービスが2021年12月期第2四半期より売上に寄与した。
そのほかの新たな取り組みとしては、トレンドExpressがマーケティング関連サービスを手掛けるM-Force(株)と協業を開始した。経済産業省「通商白書2021」によると、中国の2020年の実質GDPは前年比2.3%増と主要国で唯一のプラス成長を記録し、小売売上高も2020年8月以降プラス基調を維持するなど、中国市場は世界に先駆けて成長軌道に戻っている。こうしたなか化粧品やラグジュアリー領域の欧米ブランドは、中国に対して果敢なマーケティング投資を実行し、需要取り込みに積極的な姿勢を見せている。そのうえで供給量で欧米企業を上回ることが難しい日本企業にとっては、顧客インサイトの理解に基づいた「質の高い顧客戦略」が求められる。同社傘下のトレンドExpressは中国において消費者行動のビッグデータを活用し、事象だけではなくその背景や顧客インサイトを分析することで、トレンドを見据えた顧客戦略を構築する。また、M-ForceはトレンドExpressが提供するリアルタイムのユーザーボイスに独自のフレームワーク「9segs(R)」を掛け合わせ、中長期目標を達成するための戦略策定に必要な顧客インサイトを分析するほか、自社・競合ブランドの顧客構造と顧客像、購入ドライバーなどを定量的に理解することで、顧客戦略の策定を支援する。この協業により、同社の顧客に対するアウトバウンドでのプロモーション支援サービスの機能はより充実し、足元の好調な受注拡大ペースがさらに早まると弊社は予想する。
(3) DaaS事業
DaaS事業の売上高は前年同期比0.7%増の887百万円となった。SNSデータアクセス権の1つが契約更新されなかったことで、売上の伸びは小幅にとどまった。契約更新されなかったことについては地政学的な問題によるものと捉えている。これにより、期初の年間予算から売上高で約300百万円、営業利益で約10百万円のそれぞれ減少を見込んでいる。ただ、同社としては即時に関連コストを削減することで、減益幅を小さく抑制する対応を取っている。
3. 財務状況と経営指標
2021年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比505百万円増加の6,273百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では売上高の増加などにより現金及び現金同等物が231百万円増加し、非流動資産では有価証券の時価評価や従業員への長期貸付等によりその他の金融資産が197百万円増加したほか、為替換算調整によりのれんが97百万円増加した。
負債合計は前期末比66百万円増加の2,862百万円となった。非流動負債で、借入金が187百万円増加した。また、資本合計は前期末比439百万円増の3,411百万円となった。主な要因は、利益剰余金が178百万円増加したほか、ストックオプションの行使に伴う払い込みにより、資本金が67百万円、資本剰余金が77百万円増加したことである。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す親会社所有者帰属持分比率は前期末の48.4%から51.2%へと上昇し、改善が見られた。有利子負債比率は30.5%から32.3%へと上昇したものの、収益性が向上するなかで利益の積み上げが今後期待できるため、当面の財務的懸念は薄いと弊社は考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<EY>
(2) クロスバウンド事業
クロスバウンド事業の売上高は前年同期比96.2%増の850百万円となった。引き続き訪日中国人向けプロモーション(インバウンド)需要は停止したものの、安定して経済回復を続ける中国市場向けプロモーション(アウトバウンド)において高まる顧客企業の需要を積極的に獲得した。また、越境ECのトランザクション型新開発サービスが2021年12月期第2四半期より売上に寄与した。
そのほかの新たな取り組みとしては、トレンドExpressがマーケティング関連サービスを手掛けるM-Force(株)と協業を開始した。経済産業省「通商白書2021」によると、中国の2020年の実質GDPは前年比2.3%増と主要国で唯一のプラス成長を記録し、小売売上高も2020年8月以降プラス基調を維持するなど、中国市場は世界に先駆けて成長軌道に戻っている。こうしたなか化粧品やラグジュアリー領域の欧米ブランドは、中国に対して果敢なマーケティング投資を実行し、需要取り込みに積極的な姿勢を見せている。そのうえで供給量で欧米企業を上回ることが難しい日本企業にとっては、顧客インサイトの理解に基づいた「質の高い顧客戦略」が求められる。同社傘下のトレンドExpressは中国において消費者行動のビッグデータを活用し、事象だけではなくその背景や顧客インサイトを分析することで、トレンドを見据えた顧客戦略を構築する。また、M-ForceはトレンドExpressが提供するリアルタイムのユーザーボイスに独自のフレームワーク「9segs(R)」を掛け合わせ、中長期目標を達成するための戦略策定に必要な顧客インサイトを分析するほか、自社・競合ブランドの顧客構造と顧客像、購入ドライバーなどを定量的に理解することで、顧客戦略の策定を支援する。この協業により、同社の顧客に対するアウトバウンドでのプロモーション支援サービスの機能はより充実し、足元の好調な受注拡大ペースがさらに早まると弊社は予想する。
(3) DaaS事業
DaaS事業の売上高は前年同期比0.7%増の887百万円となった。SNSデータアクセス権の1つが契約更新されなかったことで、売上の伸びは小幅にとどまった。契約更新されなかったことについては地政学的な問題によるものと捉えている。これにより、期初の年間予算から売上高で約300百万円、営業利益で約10百万円のそれぞれ減少を見込んでいる。ただ、同社としては即時に関連コストを削減することで、減益幅を小さく抑制する対応を取っている。
3. 財務状況と経営指標
2021年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比505百万円増加の6,273百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では売上高の増加などにより現金及び現金同等物が231百万円増加し、非流動資産では有価証券の時価評価や従業員への長期貸付等によりその他の金融資産が197百万円増加したほか、為替換算調整によりのれんが97百万円増加した。
負債合計は前期末比66百万円増加の2,862百万円となった。非流動負債で、借入金が187百万円増加した。また、資本合計は前期末比439百万円増の3,411百万円となった。主な要因は、利益剰余金が178百万円増加したほか、ストックオプションの行使に伴う払い込みにより、資本金が67百万円、資本剰余金が77百万円増加したことである。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す親会社所有者帰属持分比率は前期末の48.4%から51.2%へと上昇し、改善が見られた。有利子負債比率は30.5%から32.3%へと上昇したものの、収益性が向上するなかで利益の積み上げが今後期待できるため、当面の財務的懸念は薄いと弊社は考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
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