ハウスドゥ Research Memo(5):2021年6月期は売上高が過去最高更新、経常利益は前期比46.4%増(1)
[21/09/21]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2021年6月期の業績概要
(1) 業績概要
ハウスドゥ<3457>の2021年6月期の連結業績は、売上高が前期比18.7%増の39,037百万円、営業利益が同36.7%増の2,589百万円、経常利益が同46.4%増の2,514百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同56.9%増の1,616百万円となった。売上高は過去最高を更新し、経常利益は予想レンジ内で着地した。
2021年6月期における日本経済は、コロナ禍の影響により厳しい状況が続いており、先行き不透明な状況が長期化している。一方で同社の属する不動産業界は、日銀の金融緩和政策継続や住宅取得支援政策を背景に、住宅需要は引き続き堅調に推移した。このような環境下において同社は、フランチャイズ事業では加盟店舗数拡大及びサービスの拡充に取り組んだほか、不動産売買事業では直営店エリアを中心とした販売用不動産の仕入強化に注力した結果、大幅増収増益で着地した。
利益面では、売上総利益が前期比10.9%増となった一方で、積極投資により、成長強化事業を中心に人件費及び広告宣伝費が増加したものの、オンラインやデジタル活用により、その他販管費は効率的にコントロールできた。なお、経常利益増減要因の内訳については、増加要因として増収による売上総利益の増加(1,268百万円)、減少要因として人件費の増加(260百万円)、広告宣伝費の増加(162百万円)、その他販売管理費の増加(130百万円)があった。
(2) 事業別動向
2021年6月期は、経営資源の配分などで環境の変化に俊敏に対応した結果、流動化を抑制した影響で減収減益となったハウス・リースバック事業を除き、各セグメントは増収増益で着地した。特に、フランチャイズ事業及び金融事業は安定して推移し、不動産売買事業は好調を維持した。
a) フランチャイズ事業
成長強化事業であるフランチャイズ事業の売上高は前期比12.5%増の3,335百万円、営業利益は同23.5%増の2,226百万円と大幅に伸長した。集客や営業活動等にオンラインを活用したことにより、業務効率及び生産性が向上した。営業利益率は同5.9ポイント増の66.7%となった。また、新規加盟契約数は同9件増の142件、新規開店店舗数は140店舗となり、累計加盟契約店舗数は702店舗(2019年6月期は602店舗)と好調に推移した。
b) ハウス・リースバック事業
ハウス・リースバック事業の売上高は前期比12.2%減の13,356百万円、営業利益は同16.5%減の1,653百万円となった。新規取得物件数は同26.3%増の801件となったものの、期首の保有物件数が低水準であったことから売却件数は前期末比8.7%減の684件にとどまった。この結果、保有物件数は339件(前期末は217件)となり、賃貸用不動産として運用した。
c) 金融事業
金融事業の売上高は前期比8.6%増の1,094百万円、営業利益は同334.1%増の76百万円となった。リバースモーゲージ保証事業の新規保証件数は同52.4%増の221件、保証残高は同57.2%増の5,343百万円、提携金融機関数は25行(前期末は12行)と好調に推移した。一方、量より質を追求したことにより、不動産担保融資残高は同11.8%減の9,744百万円となった。
d) 不動産売買事業
不動産売買事業は住宅需要の活発な動きにより、売上高は前期比105.7%増の14,624百万円、営業利益は同217.9%増の1,082百万円と計画上限値を超える着地となった。グループシナジーを生かし、直営店エリアの仲介顧客ニーズに合った物件の仕入れ強化に注力したことにより、充実した商品在庫が順調に売却へと進み、取引件数は同112.6%増の710件となった。
e) 不動産流通事業
不動産流通事業の売上高は前期比2.6%増の2,311百万円、営業利益は同3.8%増の596百万円、仲介件数は同2.2%増の3,163件となった。成長強化事業への人員シフト及び強化エリアへの出店のため、3店舗を閉店した一方、グループシナジーによる業績向上が見込まれる沖縄エリアへ新規出店し、首都圏エリアへの出店を予定している。
f) リフォーム事業
リフォーム事業の売上高は前期比3.2%増の2,716百万円、営業利益は同48.4%増の171百万円となった。コロナ禍の影響により期初は低調であったものの、1回目の緊急事態宣言解除後は徐々に受注が回復した結果、契約件数は同9.4%増の1,836件、完工件数は同2.3%増の1,791件となった。
g) 小山建設グループ
連結子会社である小山建設グループの売上高は前期比3.4%増の2,141百万円、営業利益は同24.6%増の127百万円となった。賃貸管理及び収益不動産の安定収益を確保した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<YM>
1. 2021年6月期の業績概要
(1) 業績概要
ハウスドゥ<3457>の2021年6月期の連結業績は、売上高が前期比18.7%増の39,037百万円、営業利益が同36.7%増の2,589百万円、経常利益が同46.4%増の2,514百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同56.9%増の1,616百万円となった。売上高は過去最高を更新し、経常利益は予想レンジ内で着地した。
2021年6月期における日本経済は、コロナ禍の影響により厳しい状況が続いており、先行き不透明な状況が長期化している。一方で同社の属する不動産業界は、日銀の金融緩和政策継続や住宅取得支援政策を背景に、住宅需要は引き続き堅調に推移した。このような環境下において同社は、フランチャイズ事業では加盟店舗数拡大及びサービスの拡充に取り組んだほか、不動産売買事業では直営店エリアを中心とした販売用不動産の仕入強化に注力した結果、大幅増収増益で着地した。
利益面では、売上総利益が前期比10.9%増となった一方で、積極投資により、成長強化事業を中心に人件費及び広告宣伝費が増加したものの、オンラインやデジタル活用により、その他販管費は効率的にコントロールできた。なお、経常利益増減要因の内訳については、増加要因として増収による売上総利益の増加(1,268百万円)、減少要因として人件費の増加(260百万円)、広告宣伝費の増加(162百万円)、その他販売管理費の増加(130百万円)があった。
(2) 事業別動向
2021年6月期は、経営資源の配分などで環境の変化に俊敏に対応した結果、流動化を抑制した影響で減収減益となったハウス・リースバック事業を除き、各セグメントは増収増益で着地した。特に、フランチャイズ事業及び金融事業は安定して推移し、不動産売買事業は好調を維持した。
a) フランチャイズ事業
成長強化事業であるフランチャイズ事業の売上高は前期比12.5%増の3,335百万円、営業利益は同23.5%増の2,226百万円と大幅に伸長した。集客や営業活動等にオンラインを活用したことにより、業務効率及び生産性が向上した。営業利益率は同5.9ポイント増の66.7%となった。また、新規加盟契約数は同9件増の142件、新規開店店舗数は140店舗となり、累計加盟契約店舗数は702店舗(2019年6月期は602店舗)と好調に推移した。
b) ハウス・リースバック事業
ハウス・リースバック事業の売上高は前期比12.2%減の13,356百万円、営業利益は同16.5%減の1,653百万円となった。新規取得物件数は同26.3%増の801件となったものの、期首の保有物件数が低水準であったことから売却件数は前期末比8.7%減の684件にとどまった。この結果、保有物件数は339件(前期末は217件)となり、賃貸用不動産として運用した。
c) 金融事業
金融事業の売上高は前期比8.6%増の1,094百万円、営業利益は同334.1%増の76百万円となった。リバースモーゲージ保証事業の新規保証件数は同52.4%増の221件、保証残高は同57.2%増の5,343百万円、提携金融機関数は25行(前期末は12行)と好調に推移した。一方、量より質を追求したことにより、不動産担保融資残高は同11.8%減の9,744百万円となった。
d) 不動産売買事業
不動産売買事業は住宅需要の活発な動きにより、売上高は前期比105.7%増の14,624百万円、営業利益は同217.9%増の1,082百万円と計画上限値を超える着地となった。グループシナジーを生かし、直営店エリアの仲介顧客ニーズに合った物件の仕入れ強化に注力したことにより、充実した商品在庫が順調に売却へと進み、取引件数は同112.6%増の710件となった。
e) 不動産流通事業
不動産流通事業の売上高は前期比2.6%増の2,311百万円、営業利益は同3.8%増の596百万円、仲介件数は同2.2%増の3,163件となった。成長強化事業への人員シフト及び強化エリアへの出店のため、3店舗を閉店した一方、グループシナジーによる業績向上が見込まれる沖縄エリアへ新規出店し、首都圏エリアへの出店を予定している。
f) リフォーム事業
リフォーム事業の売上高は前期比3.2%増の2,716百万円、営業利益は同48.4%増の171百万円となった。コロナ禍の影響により期初は低調であったものの、1回目の緊急事態宣言解除後は徐々に受注が回復した結果、契約件数は同9.4%増の1,836件、完工件数は同2.3%増の1,791件となった。
g) 小山建設グループ
連結子会社である小山建設グループの売上高は前期比3.4%増の2,141百万円、営業利益は同24.6%増の127百万円となった。賃貸管理及び収益不動産の安定収益を確保した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<YM>