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ザイマックス Research Memo(2):ザイマックスグループの知見・ノウハウを最大限に活用

注目トピックス 日本株
■特徴・優位性

1. 同投資法人の仕組み
ザイマックス・リート投資法人<3488>は、ザイマックス(非上場)を中心とするザイマックスグループがスポンサーの投資法人であり、東京23区や周辺県を中心に、オフィス、商業施設、ホテルなどに投資をしている総合型REITである。2017年9月に設立し、2018年2月に東京証券取引所不動産投資信託証券(J-REIT)市場に新規上場を果たしている。同投資法人では、ザイマックスグループの有する不動産マネジメント力を活用した適切なポートフォリオ運営を行うことにより、不動産が持つ価値を最大限に引き出し、投資主価値の最大化を図ることを基本理念として掲げている。

ザイマックス(XYMAX)のグループ名は、“未知数のX(お客様)とY(同グループ)との関係の最大化”を目指すことに由来する。同グループは、オフィスプロパティマネジメント事業、商業プロパティマネジメント事業、アセットマネジメント事業、ホテル関連事業などを行っており、次のような特徴を持つ。まず、「国内有数の不動産マネジメント受託実績」を有することである。すなわち、不動産マネジメント受託実績では1,009棟・延床面積 約530万坪、同投資法人以外のJ-REITからの受託実績:29社・192物件を有し、人的リソースにおいても不動産マネジメント2,061名、リーシング61名、CRE(企業不動産)営業80名の体制を構築している。次に、「蓄積したデータを活用した不動産運営と、知見・ノウハウを応用した新規事業の展開」をしている。すなわち、成約賃料データ39,779棟/128,747件、募集賃料データ56,237棟/32,798件、工事データ154,621件といった豊富な不動産データストックを活用した不動産運営を実践している。また、不動産運営で蓄積した知見・ノウハウを活用して、会員制サテライトオフィスサービス「ZXY(ジザイ)」や自社ブランドホテル「からくさホテル」などの新規事業を展開している。さらに、「強固な顧客基盤を活用した不動産売却・仲介実績」を有する。不動産オーナーリレーションは約330社に達し、不動産売却・仲介実績では345棟、約5,800億円(2010年4月1日〜2021年3月31日までの累計)の実績を有している。

このように、ザイマックスグループは、不動産マネジメントのリーディングカンパニーの1社である。一般に、ミドルリスク・ミドルリターンと言われる不動産投資において、中長期的に安定した収益を得るためには、グループが有する不動産マネジメント力が必須であると考えられる。

同投資法人は、スポンサーであるザイマックスグループが有する不動産の知見・ノウハウを活用した適切なポートフォリオ運営により、不動産が持つ価値を最大限に引き出し、投資主価値の最大化を図ることを目指している。実際の資産運用はすべてザイマックス不動産投資顧問に委託しており、資産運用についてはザイマックスグループから様々なサポートを得られるのが大きな強みと言えるだろう。

こうしたサポートを最大限に活用し、同投資法人は着実な成長戦略を推進することを目指している。

2. 同投資法人の強み
同投資法人では、スポンサーであるザイマックスグループの知見・ノウハウを以下の「3つの力」として活用し、投資主価値の最大化実現を目指している。

第1に、「見極め力」である。日本全国での不動産マネジメント受託で培った知見と、スポンサーグループが有する独自の膨大な不動産データの分析を掛け合わせることで、対象物件の賃料や管理コストの適正水準を見極め、対象物件の市場におけるポジショニングを的確に判断することが可能である。

第2に、「マネジメント力」である。日々の闊達な議論により、スポンサーグループ内の各専門知識や運営現場の声をダイレクトに生かした運営を遂行する。運営現場との密なコミュニケーションが迅速な判断を可能とし、内部成長の好機を確実に捕捉するとともに、物件のポテンシャルを最大限に引き出すことができる。

第3に、「ソーシング力」である。スポンサーグループが有する不動産オーナーとのダイレクトリレーションを活用し、相対取引での物件取得機会を確実に捕捉する。また、スポンサーグループが提供するCREサービス顧客基盤が持つ不動産売買ニーズを活用し、相対取引での物件取得機会を創出することができる。

こうした「3つの力」を十分に発揮することで、同投資法人は着実な成長を続けることが可能であると見られる。

3. ポートフォリオ
同投資法人では、用途別にはオフィス、商業施設、ホテルを中心に、また投資エリア別では、東京を中心とする首都圏や政令指定都市に集中的に投資をしている。戦略的にポートフォリオの分散を図っていることが、安定した稼働率と収益の源泉になっている。

2021年8月期末時点における同投資法人のポートフォリオの用途別内訳(取得価格ベース)は、オフィス52.7%(8件)、商業施設27.2%(5件)、ホテル12.5%(1件)、その他(住宅)7.6%(1件)となっている。また、エリア別内訳では、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)42.1%、それ以外の東京23区3.3%、東京経済圏(23区を除く東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)31.5%、政令指定都市23.1%である。

このように、同投資法人では、メインアセットと位置付けるオフィス、商業施設、ホテルに92.4%を投資している。また、東京圏(東京23区、東京経済圏の合計)に76.9%を投資しており、オフィスでは74.1%が最寄駅から徒歩3分以内、商業施設では80.7%が駅前型など、立地にも十分に配慮している。人口や企業が集中する好立地の物件に、用途別にバランスよく投資することで、収益性と安定性の双方を追求できるポートフォリオを構築していると言えよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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