GセブンHD Research Memo(2):「オートバックス」「業務スーパー」「精肉」事業が収益の柱
[21/11/29]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■事業概要
G-7ホールディングス<7508>の事業セグメントは、オートバックス・車関連事業、業務スーパー事業、精肉事業、その他事業の4つの事業セグメントで開示している。2022年3月期第2四半期累計の事業別売上高構成比を見ると、オートバックス・車関連事業で20.4%、業務スーパー事業で53.5%、精肉事業で11.5%となり、これら3事業で全体の80%以上を占めている。また業務スーパー事業、精肉事業とその他事業に含まれる「めぐみの郷」や「miniピアゴ」の売上高を加えると、売上高の約7割を食品小売事業で構成していることになる。
1. オートバックス・車関連事業
オートバックス・車関連事業は、「オートバックス」のフランチャイジーでカー用品販売、メンテナンスなどを展開する(株)G-7・オート・サービスを中心に、バイク用品の販売・メンテナンスを行う「バイクワールド」を運営する(株)G-7バイクワールド、マレーシアで「オートバックス」「バイクワールド」を運営するG7 RETAIL MALAYSIA SDN.BHD.、自動車輸出販売事業を展開するG-7.CrownTrading CO., LTD.の4社で構成されている。
売上高の8割強はオートバックス関連で占められ、2021年9月末時点のオートバックス関連の店舗数は国内75店舗(オートバックス68店舗、オートバックスエクスプレス7店舗)、マレーシア2店舗となり、オートバックスグループ(国内585店舗、海外51店舗)のなかでは最大規模のフランチャイジーとなっている。国内の出店エリアは兵庫県、京都府、福井県、岡山県、広島県、千葉県、茨城県となり、なかでも兵庫県には全体の約5割となる39店舗を出店している。従業員1人当たりの生産性や粗利益率、在庫回転率などを重視した店舗運営を徹底しており、オートバックスグループのなかでも高い収益性を維持している。そのほか、「BPセンター」(板金・塗装)9店舗、新車・中古車買取販売の「スズキカーズ大阪」1店舗などを展開している。また、2020年から新業態としてアウトドア用品専門店「FIELD SEVEN」を開始しており、「オートバックス」店舗内に3店舗出店している。
「バイクワールド」は、2021年9月末時点で国内12店舗、マレーシア2店舗の合計14店舗を展開している。また、2017年に子会社化したG-7.CrownTradingは東南アジア向けを中心に自動車の輸出販売を行っており、売上構成比はそれぞれ1割弱となっている。
そのほか、G-7・オート・サービスで、たい焼き専門店「やまや本舗」((株)やまや鯛焼き本舗)3店舗、コインランドリーショップ「マンマチャオ」((株)エムアイエス)6店舗を運営しているが、業績への影響は軽微となっている。
2.業務スーパー事業
業務スーパー事業は、「業務スーパー」のフランチャイジー展開をする(株)G-7スーパーマートの事業となる。出店エリアは関東、中部、関西、九州、北海道地域で、2021年9月末時点の店舗数は170店舗と業務スーパーグループ(942店舗)のなかで最大規模を誇る。地域別店舗数を見ると、関東が68店舗(東京19、神奈川17、埼玉18、千葉14)と最も多く、次いで中部37店舗(愛知26、三重8、岐阜3)、関西34店舗(兵庫23、大阪11)、九州21店舗(福岡15、熊本4、長崎2)、北海道10店舗となっている。特に、2021年3月期以降は九州での出店を加速させている。
3.精肉事業
2015年に子会社化した(株)G-7ミートテラバヤシ(旧 (株)テラバヤシ)の事業となり、精肉小売店「お肉のてらばやし」を全国に展開している。子会社化以降は「業務スーパー」または「めぐみの郷」のテナントとして出店を積極化している。また、2020年4月に精肉卸・小売販売事業を行うアンデス食品を連結子会社化(同年7月に吸収合併しアンデス食品事業部を組織)している。アンデス食品は首都圏で主に飲食業界や給食、総菜業界向けに卸販売しているほか、一部小売販売も行っている。
2021年9月末時点の店舗数は「お肉のてらばやし」が148店舗、アンデス食品が15店舗の合計163店舗となっている。地域別店舗数で見ると、関東が72店舗と最も多く、次いで関西(兵庫県、大阪府)36店舗、東海(愛知県、三重県、岐阜県)26店舗、九州(福岡県、熊本県)14店舗となっている。「お肉のてらばやし」に関しては全体の約9割が「業務スーパー」や「めぐみの郷」等のグループ店舗内で出店している。
4. その他事業
その他事業には、農産物直売所「めぐみの郷」を運営する(株)G7アグリジャパンや、食品・飲食店事業を展開する(株)G7ジャパンフードサービス、女性向け健康体操教室「カーブス」((株)カーブスジャパン)や新業態となる自転車販売店「トレジャーサイクル」を運営する(株)G7リテールジャパンのほか、2020年4月に子会社化した99イチバが運営するミニスーパー「miniピアゴ」の事業が含まれる。
「めぐみの郷」については、2021年9月末時点で45店舗を出店している。地域別店舗数を見ると、関西に24店舗(兵庫17、大阪5、奈良2)、関東に15店舗(東京7、千葉3、埼玉3、神奈川2)、中部に6店舗(愛知5、岐阜1)となり、45店舗中34店舗が「業務スーパー」内での出店となっている。また販売方法はエリアによって異なり、関西エリアでは委託販売方式(販売額の約2割を手数料収入として売上計上)となり、中部及び関東エリアは買取販売方式(卸販売事業者からの仕入販売)を採用している。中部・関東エリアでは生産者との直接のネットワークが構築されていないためで、事業リスクの観点で今後の課題となっている。
食品・飲食店事業のうち、食品事業については地域の名産品・特産品を発掘し、百貨店や専門店、ECショップなどで販売しているほか、冷凍食品等の各種PB商品の開発・製造・販売を行っている。飲食店事業に関しては、「いきなり!ステーキ」((株)ペッパーフードサービス)のフランチャイジーとして台湾に1店舗出店しているが、2022年3月末までに閉店予定となっている。また、カスタードアップルパイ専門店「RINGO」1店舗についても2022年1月に閉店予定となっており、飲食店事業についてはすべて撤退することになる。
そのほかフランチャイジーとして、女性向け健康体操教室「カーブス」を25店舗運営しているほか、2021年7月に新業態となる自転車販売店「トレジャーサイクル」を1店舗出店している。なお、インドアゴルフスクール「ステップゴルフ」(ステップゴルフ(株))を3店舗運営していたが、2021年7月末にすべて撤退した。
「miniピアゴ」は東京都、神奈川県で展開しており、2021年9月末時点で71店舗(東京57店舗、神奈川14店舗)を出店している。売上規模は1店舗当たり年間2億円程度で、利益率は1%強と「業務スーパー」と比較すると低く、収益力の向上が課題となっている。99イチバに関しては、現在出資比率が80.0%となっており、2022年4月に残り20.0%をパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>の子会社であるユニー(株)から250百万円で買い取り、完全子会社化する予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
G-7ホールディングス<7508>の事業セグメントは、オートバックス・車関連事業、業務スーパー事業、精肉事業、その他事業の4つの事業セグメントで開示している。2022年3月期第2四半期累計の事業別売上高構成比を見ると、オートバックス・車関連事業で20.4%、業務スーパー事業で53.5%、精肉事業で11.5%となり、これら3事業で全体の80%以上を占めている。また業務スーパー事業、精肉事業とその他事業に含まれる「めぐみの郷」や「miniピアゴ」の売上高を加えると、売上高の約7割を食品小売事業で構成していることになる。
1. オートバックス・車関連事業
オートバックス・車関連事業は、「オートバックス」のフランチャイジーでカー用品販売、メンテナンスなどを展開する(株)G-7・オート・サービスを中心に、バイク用品の販売・メンテナンスを行う「バイクワールド」を運営する(株)G-7バイクワールド、マレーシアで「オートバックス」「バイクワールド」を運営するG7 RETAIL MALAYSIA SDN.BHD.、自動車輸出販売事業を展開するG-7.CrownTrading CO., LTD.の4社で構成されている。
売上高の8割強はオートバックス関連で占められ、2021年9月末時点のオートバックス関連の店舗数は国内75店舗(オートバックス68店舗、オートバックスエクスプレス7店舗)、マレーシア2店舗となり、オートバックスグループ(国内585店舗、海外51店舗)のなかでは最大規模のフランチャイジーとなっている。国内の出店エリアは兵庫県、京都府、福井県、岡山県、広島県、千葉県、茨城県となり、なかでも兵庫県には全体の約5割となる39店舗を出店している。従業員1人当たりの生産性や粗利益率、在庫回転率などを重視した店舗運営を徹底しており、オートバックスグループのなかでも高い収益性を維持している。そのほか、「BPセンター」(板金・塗装)9店舗、新車・中古車買取販売の「スズキカーズ大阪」1店舗などを展開している。また、2020年から新業態としてアウトドア用品専門店「FIELD SEVEN」を開始しており、「オートバックス」店舗内に3店舗出店している。
「バイクワールド」は、2021年9月末時点で国内12店舗、マレーシア2店舗の合計14店舗を展開している。また、2017年に子会社化したG-7.CrownTradingは東南アジア向けを中心に自動車の輸出販売を行っており、売上構成比はそれぞれ1割弱となっている。
そのほか、G-7・オート・サービスで、たい焼き専門店「やまや本舗」((株)やまや鯛焼き本舗)3店舗、コインランドリーショップ「マンマチャオ」((株)エムアイエス)6店舗を運営しているが、業績への影響は軽微となっている。
2.業務スーパー事業
業務スーパー事業は、「業務スーパー」のフランチャイジー展開をする(株)G-7スーパーマートの事業となる。出店エリアは関東、中部、関西、九州、北海道地域で、2021年9月末時点の店舗数は170店舗と業務スーパーグループ(942店舗)のなかで最大規模を誇る。地域別店舗数を見ると、関東が68店舗(東京19、神奈川17、埼玉18、千葉14)と最も多く、次いで中部37店舗(愛知26、三重8、岐阜3)、関西34店舗(兵庫23、大阪11)、九州21店舗(福岡15、熊本4、長崎2)、北海道10店舗となっている。特に、2021年3月期以降は九州での出店を加速させている。
3.精肉事業
2015年に子会社化した(株)G-7ミートテラバヤシ(旧 (株)テラバヤシ)の事業となり、精肉小売店「お肉のてらばやし」を全国に展開している。子会社化以降は「業務スーパー」または「めぐみの郷」のテナントとして出店を積極化している。また、2020年4月に精肉卸・小売販売事業を行うアンデス食品を連結子会社化(同年7月に吸収合併しアンデス食品事業部を組織)している。アンデス食品は首都圏で主に飲食業界や給食、総菜業界向けに卸販売しているほか、一部小売販売も行っている。
2021年9月末時点の店舗数は「お肉のてらばやし」が148店舗、アンデス食品が15店舗の合計163店舗となっている。地域別店舗数で見ると、関東が72店舗と最も多く、次いで関西(兵庫県、大阪府)36店舗、東海(愛知県、三重県、岐阜県)26店舗、九州(福岡県、熊本県)14店舗となっている。「お肉のてらばやし」に関しては全体の約9割が「業務スーパー」や「めぐみの郷」等のグループ店舗内で出店している。
4. その他事業
その他事業には、農産物直売所「めぐみの郷」を運営する(株)G7アグリジャパンや、食品・飲食店事業を展開する(株)G7ジャパンフードサービス、女性向け健康体操教室「カーブス」((株)カーブスジャパン)や新業態となる自転車販売店「トレジャーサイクル」を運営する(株)G7リテールジャパンのほか、2020年4月に子会社化した99イチバが運営するミニスーパー「miniピアゴ」の事業が含まれる。
「めぐみの郷」については、2021年9月末時点で45店舗を出店している。地域別店舗数を見ると、関西に24店舗(兵庫17、大阪5、奈良2)、関東に15店舗(東京7、千葉3、埼玉3、神奈川2)、中部に6店舗(愛知5、岐阜1)となり、45店舗中34店舗が「業務スーパー」内での出店となっている。また販売方法はエリアによって異なり、関西エリアでは委託販売方式(販売額の約2割を手数料収入として売上計上)となり、中部及び関東エリアは買取販売方式(卸販売事業者からの仕入販売)を採用している。中部・関東エリアでは生産者との直接のネットワークが構築されていないためで、事業リスクの観点で今後の課題となっている。
食品・飲食店事業のうち、食品事業については地域の名産品・特産品を発掘し、百貨店や専門店、ECショップなどで販売しているほか、冷凍食品等の各種PB商品の開発・製造・販売を行っている。飲食店事業に関しては、「いきなり!ステーキ」((株)ペッパーフードサービス)のフランチャイジーとして台湾に1店舗出店しているが、2022年3月末までに閉店予定となっている。また、カスタードアップルパイ専門店「RINGO」1店舗についても2022年1月に閉店予定となっており、飲食店事業についてはすべて撤退することになる。
そのほかフランチャイジーとして、女性向け健康体操教室「カーブス」を25店舗運営しているほか、2021年7月に新業態となる自転車販売店「トレジャーサイクル」を1店舗出店している。なお、インドアゴルフスクール「ステップゴルフ」(ステップゴルフ(株))を3店舗運営していたが、2021年7月末にすべて撤退した。
「miniピアゴ」は東京都、神奈川県で展開しており、2021年9月末時点で71店舗(東京57店舗、神奈川14店舗)を出店している。売上規模は1店舗当たり年間2億円程度で、利益率は1%強と「業務スーパー」と比較すると低く、収益力の向上が課題となっている。99イチバに関しては、現在出資比率が80.0%となっており、2022年4月に残り20.0%をパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>の子会社であるユニー(株)から250百万円で買い取り、完全子会社化する予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>