リソー教育 Research Memo(5):「TOMAS」「伸芽会」を中心にすべての事業で収益が回復
[21/11/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■リソー教育<4714>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 学習塾事業
学習塾事業の売上高は前年同期比25.4%増の7,456百万円、営業利益は264百万円(前年同期は558百万円の損失)となった。増収要因は、新規開校や既存校における生徒数の増加に加えて、前年同期は緊急事態宣言下で2020年4月に2週間の休校措置を取っていたことや2021年4月より約5%の値上げを実施したことなどにより、生徒当たり売上単価が上昇したことが要因だ。利益面でも、増収効果によって新規出校や拡大リニューアル費用の増加を吸収し大幅増益となった。
2022年2月期第2四半期累計期間における新規出校は、「TOMAS」4校(3月1校、5月1校、7月2校)、「メディックTOMAS」2校(4月2校)、「インターTOMAS」1校(3月1校)の合計7校となっており、このほか「TOMAS」既存校の拡大リニューアルを4校(3月、4月、6月、7月に各1校)実施した。2021年8月末の校舎数は合計で103校(学習塾93校、英会話10校)、学習塾の生徒数は前年同期比8.1%増の13,781人となった。新設校の生徒獲得状況も好調に推移しているようで、同社の徹底した感染防止対策※によって安心・安全な学習環境を整備し、対面型授業で高品質な教育サービスを提供するという考え方が、多くの生徒や保護者から支持されているものと考えられる。
※教室内での感染防止対策に加えて、2021年7月から8月にかけてワクチン職域接種を生徒・講師・社員・家族を対象に約1万人に実施した。
(2) 家庭教師派遣教育事業
家庭教師派遣教育事業の売上高は前年同期比14.4%増の2,358百万円、営業利益は64百万円(前年同期は0.4百万円の利益)となった。増収要因は、新規開校等により生徒数が増加したことが主因となっている。2021年2月期第2四半期はコロナ禍の影響で「名門会」「TOMEIKAI」ともに緊急事態宣言発出により2020年4月に教室での指導を約2週間休止したこともあり生徒数が減少し減収傾向が続いていたが、2022年2月期第1四半期より増収基調に転じている。利益面でも、新規出校費用などを増収効果で吸収し増益となった。
2022年2月期第2四半期累計期間における新規出校は、「名門会」で2校(7月2校)、「TOMEIKAI」で2校(4月、6月各1校)、拡大リニューアルは「名門会」で1校(5月)、「TOMEIKAI」で1校(3月)実施した。2021年8月末の校舎数は「名門会」35校、「TOMEIKAI」11校となり、生徒数は合計で前年同期比15.3%増の4,143人となった。「名門会」の新規出校2校(鹿児島、熊本)については、「TOMEIKAI」が入居しているビル内での開校となっている。なお、「名門会」では外出に不安があり通塾できない生徒や地方在住の生徒への学習対応として、オンラインでの個別指導サービスも前期から提供するなど、幅広い学習ニーズに対応している。
(3) 幼児教育事業
幼児教育事業の売上高は前年同期比42.3%増の3,309百万円、営業利益は同180.9%増の913百万円となった。売上高は「伸芽会」で2020年4月〜5月にかけて約1ヶ月間完全休校を実施していたことによる反動増に加えて、新規開校に伴う生徒数の増加や、「伸芽会」で2021年4月から約5%の値上げを実施したことなどが増収要因となった。利益面でも、増収効果により大きく伸長し、第2四半期累計として過去最高業績を2年ぶりに更新している。
2022年2月期第2四半期累計期間における新規出校は、「伸芽会」で1校(5月)、「伸芽’Sクラブ」の学童・託児をそれぞれ1校(4月)開校し、「伸芽会」で拡大リニューアルを1校(3月)実施した。2021年8月末における校舎数は「伸芽会」で24校、「伸芽’Sクラブ学童」で16校、「伸芽’Sクラブ託児」で7校となっている。また、生徒数については合計で前年同期比13.0%増の4,939人、うち、「伸芽会」は15.6%増、「伸芽’Sクラブ」は同9%増となっている。
「伸芽会」についてはコロナ禍で小学校受験を希望する保護者が増加傾向にあるなかで、徹底した感染防止対策の実施による対面型授業を行っていることや、オンラインでの「受験対策講座」「合格指南講座」などの講演動画の配信、家庭用教材と映像開設をセットにした新教材の提供を開始するなど、多様な顧客ニーズに対応していることも、生徒数の増加につながっているものと考えられる。
(4) 学校内個別指導事業
学校内個別指導事業の売上高は前年同期比84.0%増の968百万円、営業損失は44百万円(前年同期は210百万円の損失)となった。前年同期は2020年3月から5月にかけて学校が休校となったことで「スクールTOMAS」も休校を強いられ、売上高が大きく落ち込んでいたが、2022年2月期は通常運営に戻ったことや導入契約校数の増加並びに導入校における利用学年の拡大が増収要因となった。第2四半期累計としては2年ぶりに過去最高売上を更新している。また利益面では、増収効果に加えてオンライン英会話事業の完全外注化による固定費削減効果(年間で1億円程度)により損失額が縮小した。
導入契約校数については、前期末の70校から2021年8月末は82校と順調に増加している。なお、2021年6月にKDDIまとめてオフィスと業務提携を行い、相互のネットワークを活用して契約導入校数の拡大を進めていく方針を発表した。KDDIまとめてオフィスではタブレット端末等のICT機器を全国約250校に導入しており、これら導入先の学校に対して今後、「スクールTOMAS」の導入提案を進めていく予定となっている。早ければ2022年度から業務提携の効果が顕在化するもの注目される。
(5) 人格情操合宿教育事業
人格情操合宿教育事業の売上高は前年同期比112.0%増の511百万円、営業損失は12百万円(前年同期は107百万円の損失)となった。前年同期はコロナ禍で情操分野を育む体験型ツアーを一定期間自粛したことや、「TOMAS体操スクール」「TOMASサッカースクール」をそれぞれ2020年4月から5月の2ヶ月間にかけて完全休校としていたため、売上高が大きく落ち込んでいたが、当第2四半期累計では体験型ツアーが徐々に回復し、スクールについても通常運営体制に戻ったことから、売上高は回復に転じている。2022年2月期第2四半期累計期間における新規開校スクールはなく、2021年9月に「TOMAS体操スクール」を1校開校している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別動向
(1) 学習塾事業
学習塾事業の売上高は前年同期比25.4%増の7,456百万円、営業利益は264百万円(前年同期は558百万円の損失)となった。増収要因は、新規開校や既存校における生徒数の増加に加えて、前年同期は緊急事態宣言下で2020年4月に2週間の休校措置を取っていたことや2021年4月より約5%の値上げを実施したことなどにより、生徒当たり売上単価が上昇したことが要因だ。利益面でも、増収効果によって新規出校や拡大リニューアル費用の増加を吸収し大幅増益となった。
2022年2月期第2四半期累計期間における新規出校は、「TOMAS」4校(3月1校、5月1校、7月2校)、「メディックTOMAS」2校(4月2校)、「インターTOMAS」1校(3月1校)の合計7校となっており、このほか「TOMAS」既存校の拡大リニューアルを4校(3月、4月、6月、7月に各1校)実施した。2021年8月末の校舎数は合計で103校(学習塾93校、英会話10校)、学習塾の生徒数は前年同期比8.1%増の13,781人となった。新設校の生徒獲得状況も好調に推移しているようで、同社の徹底した感染防止対策※によって安心・安全な学習環境を整備し、対面型授業で高品質な教育サービスを提供するという考え方が、多くの生徒や保護者から支持されているものと考えられる。
※教室内での感染防止対策に加えて、2021年7月から8月にかけてワクチン職域接種を生徒・講師・社員・家族を対象に約1万人に実施した。
(2) 家庭教師派遣教育事業
家庭教師派遣教育事業の売上高は前年同期比14.4%増の2,358百万円、営業利益は64百万円(前年同期は0.4百万円の利益)となった。増収要因は、新規開校等により生徒数が増加したことが主因となっている。2021年2月期第2四半期はコロナ禍の影響で「名門会」「TOMEIKAI」ともに緊急事態宣言発出により2020年4月に教室での指導を約2週間休止したこともあり生徒数が減少し減収傾向が続いていたが、2022年2月期第1四半期より増収基調に転じている。利益面でも、新規出校費用などを増収効果で吸収し増益となった。
2022年2月期第2四半期累計期間における新規出校は、「名門会」で2校(7月2校)、「TOMEIKAI」で2校(4月、6月各1校)、拡大リニューアルは「名門会」で1校(5月)、「TOMEIKAI」で1校(3月)実施した。2021年8月末の校舎数は「名門会」35校、「TOMEIKAI」11校となり、生徒数は合計で前年同期比15.3%増の4,143人となった。「名門会」の新規出校2校(鹿児島、熊本)については、「TOMEIKAI」が入居しているビル内での開校となっている。なお、「名門会」では外出に不安があり通塾できない生徒や地方在住の生徒への学習対応として、オンラインでの個別指導サービスも前期から提供するなど、幅広い学習ニーズに対応している。
(3) 幼児教育事業
幼児教育事業の売上高は前年同期比42.3%増の3,309百万円、営業利益は同180.9%増の913百万円となった。売上高は「伸芽会」で2020年4月〜5月にかけて約1ヶ月間完全休校を実施していたことによる反動増に加えて、新規開校に伴う生徒数の増加や、「伸芽会」で2021年4月から約5%の値上げを実施したことなどが増収要因となった。利益面でも、増収効果により大きく伸長し、第2四半期累計として過去最高業績を2年ぶりに更新している。
2022年2月期第2四半期累計期間における新規出校は、「伸芽会」で1校(5月)、「伸芽’Sクラブ」の学童・託児をそれぞれ1校(4月)開校し、「伸芽会」で拡大リニューアルを1校(3月)実施した。2021年8月末における校舎数は「伸芽会」で24校、「伸芽’Sクラブ学童」で16校、「伸芽’Sクラブ託児」で7校となっている。また、生徒数については合計で前年同期比13.0%増の4,939人、うち、「伸芽会」は15.6%増、「伸芽’Sクラブ」は同9%増となっている。
「伸芽会」についてはコロナ禍で小学校受験を希望する保護者が増加傾向にあるなかで、徹底した感染防止対策の実施による対面型授業を行っていることや、オンラインでの「受験対策講座」「合格指南講座」などの講演動画の配信、家庭用教材と映像開設をセットにした新教材の提供を開始するなど、多様な顧客ニーズに対応していることも、生徒数の増加につながっているものと考えられる。
(4) 学校内個別指導事業
学校内個別指導事業の売上高は前年同期比84.0%増の968百万円、営業損失は44百万円(前年同期は210百万円の損失)となった。前年同期は2020年3月から5月にかけて学校が休校となったことで「スクールTOMAS」も休校を強いられ、売上高が大きく落ち込んでいたが、2022年2月期は通常運営に戻ったことや導入契約校数の増加並びに導入校における利用学年の拡大が増収要因となった。第2四半期累計としては2年ぶりに過去最高売上を更新している。また利益面では、増収効果に加えてオンライン英会話事業の完全外注化による固定費削減効果(年間で1億円程度)により損失額が縮小した。
導入契約校数については、前期末の70校から2021年8月末は82校と順調に増加している。なお、2021年6月にKDDIまとめてオフィスと業務提携を行い、相互のネットワークを活用して契約導入校数の拡大を進めていく方針を発表した。KDDIまとめてオフィスではタブレット端末等のICT機器を全国約250校に導入しており、これら導入先の学校に対して今後、「スクールTOMAS」の導入提案を進めていく予定となっている。早ければ2022年度から業務提携の効果が顕在化するもの注目される。
(5) 人格情操合宿教育事業
人格情操合宿教育事業の売上高は前年同期比112.0%増の511百万円、営業損失は12百万円(前年同期は107百万円の損失)となった。前年同期はコロナ禍で情操分野を育む体験型ツアーを一定期間自粛したことや、「TOMAS体操スクール」「TOMASサッカースクール」をそれぞれ2020年4月から5月の2ヶ月間にかけて完全休校としていたため、売上高が大きく落ち込んでいたが、当第2四半期累計では体験型ツアーが徐々に回復し、スクールについても通常運営体制に戻ったことから、売上高は回復に転じている。2022年2月期第2四半期累計期間における新規開校スクールはなく、2021年9月に「TOMAS体操スクール」を1校開校している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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