クロスマーケ Research Memo(7):2022年6月期業績予想は再上方修正の可能性も
[22/03/29]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■業績予想
1. 2022年6月期の業績見通し
クロス・マーケティンググループ<3675>は2022年6月期の見通しについて、売上高23,500百万円〜24,000百万円、営業利益2,200百万円〜2,400百万円、経常利益2,100百万円〜2,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,350百万円〜1,450百万円と見込んでいる。2021年6月期が6ヶ月の変則決算のため増減率が公表されていないが、2021年6月期業績に2020年12月期下期業績を加えた12ヶ月の業績と対比させた実質ベースだと、売上高で23.4%増〜26.0%増、営業利益で20.4%増〜31.3%増、経常利益で8.2%増〜18.5%増、親会社株主に帰属する当期純利益で38.5%増〜48.7%増という見込みになる。
第2四半期業績の好調を受け、同社は第2四半期決算発表とともに通期業績予想を上方修正した。ドゥ・ハウスやディーアンドエムの好調を主因にデジタルマーケティング事業の売上高が上振れたほか、コロナ禍の影響を考慮して保守的な前提にしていたデータマーケティング事業で海外子会社の売上高が想定以上に回復したことなど、すべてのセグメントで売上高が期初想定を上回った模様である。こうした増収効果に加え、好採算のオンラインサービスの拡大、固定費の抑制などを進めた結果、営業利益が同社期初予想を上回ることとなった。加えて、足もとの2022年6月期第3四半期以降も、主力のデジタルマーケティング事業を中心に好調に推移すると見られることから、同社は通期業績を上方修正することになった。
ただし、第2四半期業績の伸び率に比べて通期の伸び率が低くなっているのは、来期以降の成長に向けて2022年6月期下期に投資を積み増す方針になったためである。また、業績予想にレンジを持たせたのは、第4四半期は季節的に収益が積み上がりにくい閑散期にあたるうえ、コロナ禍の状況が依然として不透明でリスクを勘案したためと思われる。1年前の2021年6月期(1月〜6月の業績で、2022年6月期下期の前年同期にあたる)は売上高と利益が大きく伸び始めた時期ではある。また、成長ステージに入りつつあることを考えると、2022年6月期下期の利益が大幅に減るというのも不自然で、会社予想は保守的に作られたと想像することができ、再上方修正の可能性は否定できないと思われる。なお、収益認識会計基準等を期首より適用している。
マーケティングDXパートナーを目指す
2. 中期経営計画
同社は、「未来をつくろう。」という理念のもと、「『生活者のWhy(なぜ)の解明』を通して、戦略立案からマーケティング施策の実践までを支援し、パートナーとして顧客のビジネスを成功に導く」という長期ビジョンを描いている。こうした長期ビジョンを実現するため中期経営計画「DX Action 2024」を策定し、2022年6月期〜2024年6月期を成長期と位置付けている。具体的には、時代の大きな変化に適応できる「マーケティングDXパートナー」となって成長し、最終年度に売上高300億円、営業利益30億円、当期純利益18億円、EPS(1株当たり当期純利益)90.1円を達成する計画である。そのためにも、これまでのM&Aや新規事業などによって蓄積してきた資産・インフラ基盤を有機的かつ効率的に活用する方針で、成長ドライバーとのシナジーを最大化していく考えである。中期経営計画「DX Action 2024」を足場に、さらに大きな飛躍も目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<ST>
1. 2022年6月期の業績見通し
クロス・マーケティンググループ<3675>は2022年6月期の見通しについて、売上高23,500百万円〜24,000百万円、営業利益2,200百万円〜2,400百万円、経常利益2,100百万円〜2,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,350百万円〜1,450百万円と見込んでいる。2021年6月期が6ヶ月の変則決算のため増減率が公表されていないが、2021年6月期業績に2020年12月期下期業績を加えた12ヶ月の業績と対比させた実質ベースだと、売上高で23.4%増〜26.0%増、営業利益で20.4%増〜31.3%増、経常利益で8.2%増〜18.5%増、親会社株主に帰属する当期純利益で38.5%増〜48.7%増という見込みになる。
第2四半期業績の好調を受け、同社は第2四半期決算発表とともに通期業績予想を上方修正した。ドゥ・ハウスやディーアンドエムの好調を主因にデジタルマーケティング事業の売上高が上振れたほか、コロナ禍の影響を考慮して保守的な前提にしていたデータマーケティング事業で海外子会社の売上高が想定以上に回復したことなど、すべてのセグメントで売上高が期初想定を上回った模様である。こうした増収効果に加え、好採算のオンラインサービスの拡大、固定費の抑制などを進めた結果、営業利益が同社期初予想を上回ることとなった。加えて、足もとの2022年6月期第3四半期以降も、主力のデジタルマーケティング事業を中心に好調に推移すると見られることから、同社は通期業績を上方修正することになった。
ただし、第2四半期業績の伸び率に比べて通期の伸び率が低くなっているのは、来期以降の成長に向けて2022年6月期下期に投資を積み増す方針になったためである。また、業績予想にレンジを持たせたのは、第4四半期は季節的に収益が積み上がりにくい閑散期にあたるうえ、コロナ禍の状況が依然として不透明でリスクを勘案したためと思われる。1年前の2021年6月期(1月〜6月の業績で、2022年6月期下期の前年同期にあたる)は売上高と利益が大きく伸び始めた時期ではある。また、成長ステージに入りつつあることを考えると、2022年6月期下期の利益が大幅に減るというのも不自然で、会社予想は保守的に作られたと想像することができ、再上方修正の可能性は否定できないと思われる。なお、収益認識会計基準等を期首より適用している。
マーケティングDXパートナーを目指す
2. 中期経営計画
同社は、「未来をつくろう。」という理念のもと、「『生活者のWhy(なぜ)の解明』を通して、戦略立案からマーケティング施策の実践までを支援し、パートナーとして顧客のビジネスを成功に導く」という長期ビジョンを描いている。こうした長期ビジョンを実現するため中期経営計画「DX Action 2024」を策定し、2022年6月期〜2024年6月期を成長期と位置付けている。具体的には、時代の大きな変化に適応できる「マーケティングDXパートナー」となって成長し、最終年度に売上高300億円、営業利益30億円、当期純利益18億円、EPS(1株当たり当期純利益)90.1円を達成する計画である。そのためにも、これまでのM&Aや新規事業などによって蓄積してきた資産・インフラ基盤を有機的かつ効率的に活用する方針で、成長ドライバーとのシナジーを最大化していく考えである。中期経営計画「DX Action 2024」を足場に、さらに大きな飛躍も目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<ST>