平山 Research Memo(1):インソーシング・派遣事業を中心に受注は好調、2022年6月期業績は大幅増収増益
[22/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
平山ホールディングス<7781>は、日本のものづくり(製造業)を支える製造支援会社として、インソーシング(請負)・派遣事業や技術者派遣事業、海外事業等を展開している。製造現場の改善につながるコンサルティングサービスをフックにして新規顧客を開拓し成長を続けている。2018年7月に同業のFUN to FUN(株)を子会社化したほか、同年12月に(株)平和鉄工所、2019年6月に(株)大松自動車(現 (株)大松サービシーズ)を子会社化するなど積極的なM&A戦略により事業基盤を拡充している。なお、2022年4月の東京証券取引所市場区分見直しでは、スタンダード市場に移行する。
1. 2022年6月期第2四半期業績の概要
2022年6月期第2四半期(2021年7月〜12月)の連結業績は、売上高で前年同期比23.1%増の13,411百万円、営業利益で同88.5%増の390百万円と大幅増収増益となり、半期ベースでは過去最高を更新した。新規顧客の開拓並びに高単価な派遣案件の受注を獲得できたこと等により、主力のインソーシング・派遣事業の売上高が同21.1%増、営業利益が同32.6%増と好調に推移した。また、赤字が続いていた海外事業もタイでの派遣需要の回復と子会社統合によるコスト削減効果により黒字転換したことも増収増益に寄与した。なお、同社は2021年9月に工場のインフラ設備の保守・メンテナンスを行う日設工業(株)の株式を37.5%取得し、持分法適用関連会社としている。今後のスマートファクトリー化を見据えて、同社が持つAIやITを活用したソリューションを保守・メンテナンスサービスと組み合わせることで、新たな付加価値サービスを提供していくことが狙いとなっている。
2. 2022年6月期業績の見通し
2022年6月期の連結業績は売上高で前期比12.8%増の26,000百万円、営業利益で同27.8%増の680百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で51.6%、営業利益で57.4%と順調に推移しており、足元の受注もインソーシング・派遣事業、技術者派遣事業ともに堅調に推移していること、海外事業についても黒字基調が続いていることから計画の達成は十分可能と弊社では見ている。下期は2023年6月期以降の成長を見据えた人員の採用・育成に注力していくほか、営業拠点の増設による新規顧客の開拓にも取り組んでいく方針だ。
3. 中期経営計画
同社は中期経営数値目標として、2024年6月期に売上高400億円、営業利益率4%の達成を目指している。成長戦略については、1)新規事業(SaaSによるアプリ提供やDXに対応したシステム開発)と既存事業の融合による高付加価値サービスの創造、2)エンジニア派遣の領域拡大に伴う高付加価値人材の育成と多様な人材採用、3)外国人労働者の受入管理受託サービスを全職種で展開、4)国内の人材ビジネスパッケージ(人材派遣・製造請負、改善コンサルティング、人材教育)を横展開(タイ)、5)サービス事業(小売、物流、介護等)顧客の拡大、の5点を基本戦略として取り組んでいく。同社が強みとする製造現場の改善ノウハウにITソリューションを組み合わせることで同業他社にはない高付加価値サービスを提供し、高成長を目指していく。また、外国人労働者の受入管理受託サービスも新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)により2年ほど足踏みが続いたが、外国人の入国規制緩和を受けて、今後本格的に立ち上がってくると見られる。2030年には国内で約640万人の労働力が不足すると言われており、成長期待は大きい。また、現場改善のノウハウを小売や物流など非製造業以外の業種に横展開していくほか、需要が増加しているフィールドエンジニア派遣についても注力していく方針だ。人材採用と定着率の向上といった課題が払しょくできれば、2023年6月期以降も高成長が続くものと予想される。
■Key Points
・2022年6月期第2四半期業績は主力のインソーシング・派遣事業がけん引し大幅増収増益に
・2022年6月期の各利益は2期連続で過去最高業績更新を見込む
・現場改善コンサルティングにITソリューションを組み合わせて高付加価値サービスを創出し、2024年6月期に売上高400億円、営業利益率4%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
平山ホールディングス<7781>は、日本のものづくり(製造業)を支える製造支援会社として、インソーシング(請負)・派遣事業や技術者派遣事業、海外事業等を展開している。製造現場の改善につながるコンサルティングサービスをフックにして新規顧客を開拓し成長を続けている。2018年7月に同業のFUN to FUN(株)を子会社化したほか、同年12月に(株)平和鉄工所、2019年6月に(株)大松自動車(現 (株)大松サービシーズ)を子会社化するなど積極的なM&A戦略により事業基盤を拡充している。なお、2022年4月の東京証券取引所市場区分見直しでは、スタンダード市場に移行する。
1. 2022年6月期第2四半期業績の概要
2022年6月期第2四半期(2021年7月〜12月)の連結業績は、売上高で前年同期比23.1%増の13,411百万円、営業利益で同88.5%増の390百万円と大幅増収増益となり、半期ベースでは過去最高を更新した。新規顧客の開拓並びに高単価な派遣案件の受注を獲得できたこと等により、主力のインソーシング・派遣事業の売上高が同21.1%増、営業利益が同32.6%増と好調に推移した。また、赤字が続いていた海外事業もタイでの派遣需要の回復と子会社統合によるコスト削減効果により黒字転換したことも増収増益に寄与した。なお、同社は2021年9月に工場のインフラ設備の保守・メンテナンスを行う日設工業(株)の株式を37.5%取得し、持分法適用関連会社としている。今後のスマートファクトリー化を見据えて、同社が持つAIやITを活用したソリューションを保守・メンテナンスサービスと組み合わせることで、新たな付加価値サービスを提供していくことが狙いとなっている。
2. 2022年6月期業績の見通し
2022年6月期の連結業績は売上高で前期比12.8%増の26,000百万円、営業利益で同27.8%増の680百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で51.6%、営業利益で57.4%と順調に推移しており、足元の受注もインソーシング・派遣事業、技術者派遣事業ともに堅調に推移していること、海外事業についても黒字基調が続いていることから計画の達成は十分可能と弊社では見ている。下期は2023年6月期以降の成長を見据えた人員の採用・育成に注力していくほか、営業拠点の増設による新規顧客の開拓にも取り組んでいく方針だ。
3. 中期経営計画
同社は中期経営数値目標として、2024年6月期に売上高400億円、営業利益率4%の達成を目指している。成長戦略については、1)新規事業(SaaSによるアプリ提供やDXに対応したシステム開発)と既存事業の融合による高付加価値サービスの創造、2)エンジニア派遣の領域拡大に伴う高付加価値人材の育成と多様な人材採用、3)外国人労働者の受入管理受託サービスを全職種で展開、4)国内の人材ビジネスパッケージ(人材派遣・製造請負、改善コンサルティング、人材教育)を横展開(タイ)、5)サービス事業(小売、物流、介護等)顧客の拡大、の5点を基本戦略として取り組んでいく。同社が強みとする製造現場の改善ノウハウにITソリューションを組み合わせることで同業他社にはない高付加価値サービスを提供し、高成長を目指していく。また、外国人労働者の受入管理受託サービスも新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)により2年ほど足踏みが続いたが、外国人の入国規制緩和を受けて、今後本格的に立ち上がってくると見られる。2030年には国内で約640万人の労働力が不足すると言われており、成長期待は大きい。また、現場改善のノウハウを小売や物流など非製造業以外の業種に横展開していくほか、需要が増加しているフィールドエンジニア派遣についても注力していく方針だ。人材採用と定着率の向上といった課題が払しょくできれば、2023年6月期以降も高成長が続くものと予想される。
■Key Points
・2022年6月期第2四半期業績は主力のインソーシング・派遣事業がけん引し大幅増収増益に
・2022年6月期の各利益は2期連続で過去最高業績更新を見込む
・現場改善コンサルティングにITソリューションを組み合わせて高付加価値サービスを創出し、2024年6月期に売上高400億円、営業利益率4%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>