ヨシコン Research Memo(3):コンクリート製品企業から不動産企業に変革、さらにREITに進出して業容拡大
[22/05/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ヨシコン<5280>の事業概要
1. 不動産企業に変革
創業〜株式公開時の建築・土木用コンクリート製品企業から、マンション・宅地分譲などの不動産企業に変革し、さらにREIT分野に進出して業容拡大を推進している。セグメント区分は、レジデンス事業(マンション分譲・卸売)、不動産開発事業(宅地造成・分譲、商業・工業・物流施設誘致、不動産証券化)、賃貸・管理等事業(資産運用、収益不動産賃貸、マンション管理、設計・工事請負)、マテリアル事業(建築・土木用コンクリート製品の企画・販売)、その他(缶飲料製造など)としている。
セグメント別売上高と営業利益の過去5期間の推移は以下のとおりである。売上高・利益とも不動産関連事業が柱となっている。レジデンス事業の2022年3月期は新築マンションの引き渡しがなく、在庫のみの販売だったため売上高が大幅に減少した。マテリアル事業は2021年3月末にコンクリート製品の製造から撤退して固定費負担が軽減した効果で、2022年3月期は営業黒字に転換した。
2. レジデンス事業
レジデンス事業は、本社のある静岡県及び東海エリアを中心に、マンション・戸建住宅の企画・開発・分譲、及び大手デベロッパー向けマンション1棟卸売を行っている。1996年3月に分譲マンション「エンブル・シティ焼津」を竣工して本格参入し、1次取得層向けを中心として高機能性・デザイン性と高品質を併せ持つ「エンブル」シリーズ・ブランドで展開している。設計から販売、販売後の管理まで地域密着のトータルサービスを強みとしている。大手デベロッパー向け1棟卸売は、自社ブランドの直接分譲に比べて利益率は低くなるが、売れ残りリスクがないというメリットがある。
3. 不動産開発事業
不動産開発事業は、本社のある静岡県及び東海エリアを中心に、総合デベロッパーとして企画から土地開発を手掛け、宅地の造成・分譲、企業の商業・工業・物流施設の誘致を行っている。静岡県内での地域に根差した不動産情報の入手力、土地の仕入力、不動産活用の企画力、不動産情報とニーズ情報とのマッチング力、及び設計技術力などを強みとして、分譲マンションを核とする住居・商業複合施設、工場、物流センター、オフィスビル、冠婚葬祭施設、駐車場など豊富な開発・誘致実績を持つ。
さらに、REIT分野に進出して業容を拡大している。2018年4月に東海道リート・マネジメントを設立、2021年2月に東海道リート投資法人を設立、2021年6月に東海道リート投資法人が東証に上場した。そして2022年3月期からREITへの販売を開始している。
4. 賃貸・管理等事業
賃貸・管理等事業は、資産運用、収益不動産賃貸、同社の分譲マンション「エンブル」シリーズを中心とするマンション管理、及び設計監理・工事請負を行っている。管理戸数の積み上げでストック収益が増加する。
5. マテリアル事業
マテリアル事業は、建築・土木用コンクリート製品の企画・販売を行っている。事業環境変化などで営業赤字が継続していたため、2019年3月に西島工場を閉鎖、2020年3月に遠州工場を閉鎖した。さらに2021年3月末には焼津工場での製品製造から撤退した。これによって固定費負担が軽減した効果で2022年3月期は営業黒字に転換した。今後は工場設備を有しないファブレスとして製品企画・販売を継続する。
6. その他
その他は飲食業、衣料品販売業、広告業、缶飲料製造業などを展開している。
業績は物件引き渡し時期や物件ごとの採算によって変動する可能性
7. 収益特性・リスク要因
不動産関連事業の一般的なリスク要因として、不動産市況(地価、マンション発売戸数、ビル空室率等)、住宅税制、建築コスト変動の影響を受ける可能性があり、さらに物件引き渡し時期、物件ごとの採算性、分譲や工事の大型案件などによって業績が変動する可能性がある。また四半期業績はバラツキやすく、物件引き渡しが年度末の3月に集中する傾向も強いため、第4四半期(1〜3月)の構成比が高い傾向がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 不動産企業に変革
創業〜株式公開時の建築・土木用コンクリート製品企業から、マンション・宅地分譲などの不動産企業に変革し、さらにREIT分野に進出して業容拡大を推進している。セグメント区分は、レジデンス事業(マンション分譲・卸売)、不動産開発事業(宅地造成・分譲、商業・工業・物流施設誘致、不動産証券化)、賃貸・管理等事業(資産運用、収益不動産賃貸、マンション管理、設計・工事請負)、マテリアル事業(建築・土木用コンクリート製品の企画・販売)、その他(缶飲料製造など)としている。
セグメント別売上高と営業利益の過去5期間の推移は以下のとおりである。売上高・利益とも不動産関連事業が柱となっている。レジデンス事業の2022年3月期は新築マンションの引き渡しがなく、在庫のみの販売だったため売上高が大幅に減少した。マテリアル事業は2021年3月末にコンクリート製品の製造から撤退して固定費負担が軽減した効果で、2022年3月期は営業黒字に転換した。
2. レジデンス事業
レジデンス事業は、本社のある静岡県及び東海エリアを中心に、マンション・戸建住宅の企画・開発・分譲、及び大手デベロッパー向けマンション1棟卸売を行っている。1996年3月に分譲マンション「エンブル・シティ焼津」を竣工して本格参入し、1次取得層向けを中心として高機能性・デザイン性と高品質を併せ持つ「エンブル」シリーズ・ブランドで展開している。設計から販売、販売後の管理まで地域密着のトータルサービスを強みとしている。大手デベロッパー向け1棟卸売は、自社ブランドの直接分譲に比べて利益率は低くなるが、売れ残りリスクがないというメリットがある。
3. 不動産開発事業
不動産開発事業は、本社のある静岡県及び東海エリアを中心に、総合デベロッパーとして企画から土地開発を手掛け、宅地の造成・分譲、企業の商業・工業・物流施設の誘致を行っている。静岡県内での地域に根差した不動産情報の入手力、土地の仕入力、不動産活用の企画力、不動産情報とニーズ情報とのマッチング力、及び設計技術力などを強みとして、分譲マンションを核とする住居・商業複合施設、工場、物流センター、オフィスビル、冠婚葬祭施設、駐車場など豊富な開発・誘致実績を持つ。
さらに、REIT分野に進出して業容を拡大している。2018年4月に東海道リート・マネジメントを設立、2021年2月に東海道リート投資法人を設立、2021年6月に東海道リート投資法人が東証に上場した。そして2022年3月期からREITへの販売を開始している。
4. 賃貸・管理等事業
賃貸・管理等事業は、資産運用、収益不動産賃貸、同社の分譲マンション「エンブル」シリーズを中心とするマンション管理、及び設計監理・工事請負を行っている。管理戸数の積み上げでストック収益が増加する。
5. マテリアル事業
マテリアル事業は、建築・土木用コンクリート製品の企画・販売を行っている。事業環境変化などで営業赤字が継続していたため、2019年3月に西島工場を閉鎖、2020年3月に遠州工場を閉鎖した。さらに2021年3月末には焼津工場での製品製造から撤退した。これによって固定費負担が軽減した効果で2022年3月期は営業黒字に転換した。今後は工場設備を有しないファブレスとして製品企画・販売を継続する。
6. その他
その他は飲食業、衣料品販売業、広告業、缶飲料製造業などを展開している。
業績は物件引き渡し時期や物件ごとの採算によって変動する可能性
7. 収益特性・リスク要因
不動産関連事業の一般的なリスク要因として、不動産市況(地価、マンション発売戸数、ビル空室率等)、住宅税制、建築コスト変動の影響を受ける可能性があり、さらに物件引き渡し時期、物件ごとの採算性、分譲や工事の大型案件などによって業績が変動する可能性がある。また四半期業績はバラツキやすく、物件引き渡しが年度末の3月に集中する傾向も強いため、第4四半期(1〜3月)の構成比が高い傾向がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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