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アイリック Research Memo(6):「保険クリニック」店舗数は増加基調

注目トピックス 日本株
■アイリックコーポレーション<7325>の事業概要

6. 主要KPI
来店型保険ショップ「保険クリニック」の店舗数(直営、FC)の推移は以下のとおりである。2022年6月期第3四半期末時点で直営57店舗、FC198店舗、合計255店舗となり、前期末比で直営が5店舗増加、FCが3店舗増加、合計が8店舗増加した。直営店は集客力の高いショッピングモール等から収益性の高い物件を精査・選別して出店し、FCは他業界からの保険代理店業界への参入意欲の高まりも背景として、いずれも増加基調である。なお2022年6月期第3四半期末時点の地域別FC店舗数は、北海道・東北12店舗、関東62店舗、甲信越10店舗、北陸4店舗、東海33店舗、関西28店舗、中国・四国14店舗、九州・沖縄35店舗となっている。

直営店の集客数の推移は以下のとおりである。コロナ禍による外出自粛の影響でショッピングモールへの人の流れがコロナ禍以前の水準に戻っていないため新規来店者数が低迷しているが、Web予約からの集客は好調であり、新規出店効果も寄与して合計集客数は増加基調である。2022年6月期は第3四半期累計時点で9,358件となった。2021年6月期通期の12,497件に対して約75%の水準となり、おおむね順調に推移している。

直営店の成約率の推移は以下のとおりである。2022年6月期は第3四半期累計時点で57.3%となり、2021年6月期通期の61.2%との比較では低下しているが、成約手続き中の顧客も多いため、期末に向けて上昇する見込みとしている。複雑化する保険商品に対応するための教育・研修を強化し、成約率上昇及びコンサルティング能力向上と成約率向上に努めている。

直営店の1世帯当たりの成約単価の推移は以下のとおりである。2022年6月期は第3四半期累計時点で168千円となり、2021年6月期通期の152千円に対して大幅に上昇している。成約単価は保険商品の構成によって変動する傾向が強いが、老後資金に対する関心度が高いため貯蓄型保険商品の販売が好調である。また、保障内容の充実を図るケースや、医療保険・がん保険などのセット販売が増加している。

ソリューション事業AS部門の「ASシステム」シリーズID数の推移は以下のとおりである。2022年6月期第3四半期末時点で合計8,889ID(代理店・銀行が5,053ID、保険会社が3,836ID)となり、2021年6月期期末に対して合計488ID増加(代理店・銀行が372ID増加、保険会社が116ID増加)した。全体として増加基調である。さらに、大手保険会社をはじめとした大型案件が複数継続しており、さらなる新規導入を推進する。


自社開発システムに競合優位性
7. リスク要因
保険販売事業における一般的なリスク要因としては、競合の激化、保険契約の成約率の低下、保険会社による営業政策の変更や保険手数料率の変更、個人情報保護、税務当局による保険商品の税務取り扱いの見直し、法的規制・自主規制などが挙げられる。

市場環境として、保険販売における加入チャネル比率(出所:(公財)生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」)は、かつては90%前後を占めていた生命保険営業員からの加入比率が2018年には53.7%まで低下している。一方で保険代理店からの加入比率が2018年には17.8%まで上昇している。同社にとって市場環境は良好と言えるだろう。ただし保険販売の市場は競合が多く、来店型保険サービス市場に対しては他業種からの新規参入が増加している。これに対して同社は、自社開発システムやワンストップソリューションによって競合優位性を維持している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)




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