萩原電気HD Research Memo(1):名古屋を地盤とする半導体・電子部品商社で主要顧客はトヨタグループ
[22/06/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
萩原電気ホールディングス<7467>は名古屋を地盤とする半導体、電子部品、電子機器の商社及び自社製品の開発・製造・販売のメーカーである。売上高の約85%が自動車関連企業向けで、トヨタ自動車<7203>をはじめとしたトヨタグループを主要顧客に持つ。近年はソリューション事業の伸長が著しい。
1. 2022年3月期連結業績(実績)
2022年3月期の連結業績※は、売上高が158,427百万円(前期比23.9%増)、営業利益が4,356百万円(同25.6%増)、経常利益が4,335百万円(同21.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,876百万円(同24.3%増)となった。主要顧客である自動車メーカーの生産が前期に比べて堅調だったことに加え、一部製品の商流移管があったことなどから大幅増収となった。セグメント別では、デバイス事業、ソリューション事業ともに増収増益となった。デバイス事業の売上高比率が高まったことや新商材の拡販等によって全体の売上総利益率は前期比で0.1ポイント低下した。販管費は前期比21.8%増となったが、増収による売上総利益の増加で吸収し、営業利益は大幅増となった。
※2022年3月期から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)(以下、「収益認識に関する会計基準」)を適用している。なお、前期については組替えを行っておらず、前期比は参考値となる。
2. 2023年3月期連結業績(予想)
2023年3月期の連結業績は、売上高で187,000百万円(前期比18.0%増)、営業利益で4,300百万円(同1.3%減)、経常利益で4,250百万円(同2.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で2,600百万円(同9.6%減)と予想されている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響、原材料価格の高騰、世界的な半導体不足など不透明要因が多いことに加え、将来の成長を目的とした人材や新しいビジネスへの投資も継続することから、利益については慎重な予想となっている。ただし、売上高が予想を達成できれば、利益は予想を上回る可能性は高いだろう。
3. 中期経営計画
同社は2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表しており、現時点でこの計画に変更はない。重点戦略として「コア事業拡大」「新高付加価値事業創出」「事業基盤強化」「企業価値向上」を掲げ、2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を数値目標としている。同社を取り巻く環境は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の加速や自動車関連領域におけるCASEの進展、ADAS(先進運転支援システム)、EV化など、事業機会拡大のチャンスと業界の垣根を越えた競争の激化によるリスクが並存しており、大きな変革が進んでいる。このような環境下で、同社は「先進エレクトロニクスで未来を創造するソリューションデザインカンパニー」を新しい経営ビジョンに掲げており、今後の動向に注目したい。
■Key Points
・自動車関連企業向けが売上高の約85%を占める半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2022年3月期は前期比25.6%営業増益を達成したが、2023年3月期は同1.3%営業減益と慎重な予想
・中期経営計画では2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YM>
萩原電気ホールディングス<7467>は名古屋を地盤とする半導体、電子部品、電子機器の商社及び自社製品の開発・製造・販売のメーカーである。売上高の約85%が自動車関連企業向けで、トヨタ自動車<7203>をはじめとしたトヨタグループを主要顧客に持つ。近年はソリューション事業の伸長が著しい。
1. 2022年3月期連結業績(実績)
2022年3月期の連結業績※は、売上高が158,427百万円(前期比23.9%増)、営業利益が4,356百万円(同25.6%増)、経常利益が4,335百万円(同21.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,876百万円(同24.3%増)となった。主要顧客である自動車メーカーの生産が前期に比べて堅調だったことに加え、一部製品の商流移管があったことなどから大幅増収となった。セグメント別では、デバイス事業、ソリューション事業ともに増収増益となった。デバイス事業の売上高比率が高まったことや新商材の拡販等によって全体の売上総利益率は前期比で0.1ポイント低下した。販管費は前期比21.8%増となったが、増収による売上総利益の増加で吸収し、営業利益は大幅増となった。
※2022年3月期から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)(以下、「収益認識に関する会計基準」)を適用している。なお、前期については組替えを行っておらず、前期比は参考値となる。
2. 2023年3月期連結業績(予想)
2023年3月期の連結業績は、売上高で187,000百万円(前期比18.0%増)、営業利益で4,300百万円(同1.3%減)、経常利益で4,250百万円(同2.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で2,600百万円(同9.6%減)と予想されている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響、原材料価格の高騰、世界的な半導体不足など不透明要因が多いことに加え、将来の成長を目的とした人材や新しいビジネスへの投資も継続することから、利益については慎重な予想となっている。ただし、売上高が予想を達成できれば、利益は予想を上回る可能性は高いだろう。
3. 中期経営計画
同社は2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表しており、現時点でこの計画に変更はない。重点戦略として「コア事業拡大」「新高付加価値事業創出」「事業基盤強化」「企業価値向上」を掲げ、2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を数値目標としている。同社を取り巻く環境は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の加速や自動車関連領域におけるCASEの進展、ADAS(先進運転支援システム)、EV化など、事業機会拡大のチャンスと業界の垣根を越えた競争の激化によるリスクが並存しており、大きな変革が進んでいる。このような環境下で、同社は「先進エレクトロニクスで未来を創造するソリューションデザインカンパニー」を新しい経営ビジョンに掲げており、今後の動向に注目したい。
■Key Points
・自動車関連企業向けが売上高の約85%を占める半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2022年3月期は前期比25.6%営業増益を達成したが、2023年3月期は同1.3%営業減益と慎重な予想
・中期経営計画では2024年3月期に売上高1,700億円、営業利益50億円、ROE8.0%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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