ムサシ Research Memo(1):選挙関連機材のトップメーカー。新規事業の育成で事業拡大を図る
[22/07/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ムサシ<7521>は選挙関連機材や金融関連機材の総合メーカーである。また、文書のデジタル化(メディアコンバージョン)事業やスキャナー、非破壊検査機材、業務用ろ過フィルターなどを取り扱う情報・産業システム機材、印刷システム機材、紙・紙加工品などの商社事業も行っている。特に選挙関連機材においては、投開票業務に必要な各種機器から投票箱等の用品・用具、開く投票用紙など幅広い商品をラインナップし、業界のトップシェアを誇る圧倒的な存在である。また、各種文書やマイクロフィルムのデジタル化(メディアコンバージョン)事業においても国内最大級のドキュメントイメージングセンターを展開し、次の収益柱への育成を図っている。商社機能とメーカー機能を併せ持っているのが特長だ。
1. 2022年3月期業績
2022年3月期の連結業績は、売上高36,213百万円(前期比19.7%増※)、営業利益1,746百万円(前期は97百万円の損失)、経常利益1,848百万円(同24百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益981百万円(同28百万円の損失)となった。主力の選挙システム機材において、東京都議会議員選挙や衆議院選挙があったことから、売上高が前期比161.7%増となったことが業績を牽引した。他の事業も新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの回復もあり全般的に堅調であったが、金融システム機材は微減収となった。注力しているメディアコンバート事業(情報・産業システム機材の内数)は、主に官公庁からの受注が堅調に推移したことなどから、売上高は5,371百万円(同33.7%増)となった。好調な業績を反映して年間配当を40円(前期24円)に増配した。
※今期より「収益認識に関する会計基準」等を適用している。前年同期は不適用であるが、影響は軽微であるため、前期比較の数値はそのまま用いている。以下、同様。
2. 2023年3月期業績予想
2023年3月期通期の連結業績は、売上高35,442百万円(前期比2.1%減)、営業利益1,157百万円(同33.8%減)、経常利益1,198百万円(同35.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益753百万円(同23.3%減)と予想されている。減益予想の要因は、主力の選挙システムが減収となるためだ。夏に参議院選挙が予定されているが、予算規模が衆議院選挙に比べて少額であることから、同セグメントは減収を見込んでいる。その他では、情報・産業システムは前期の反動で減収予想、印刷システムは新機種の投入で増収予想、金融システムは汎用システム(金融機関向け以外)の増加が見込めることから増収予想、紙・紙加工品は横ばい予想となっている。配当については、現時点ではベースである年間24円を予定している。
3. 中長期の成長戦略
現在、同社の収益の中心は選挙関連機材となっているが、この分野は安定成長しているものの国政選挙などの実施の有無によって需要にばらつきが出るため、ある意味でシクリカルな事業と言える。そのため、メディアコンバート事業や業務用ろ過フィルター等、選挙サイクルと無関係な分野を一段と強化し、収益基盤の安定化を図る計画だ。特にメディアコンバート事業については、世の中の「DX化」の流れの中で、官公庁における文書のデジタル化需要だけでなく、民間においてもコロナ禍の影響によるテレワークの浸透などで各種データや書類のデジタル化は必須となっており、中長期ではさらなる成長が見込まれる。足元の受注も好調のようで、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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ムサシ<7521>は選挙関連機材や金融関連機材の総合メーカーである。また、文書のデジタル化(メディアコンバージョン)事業やスキャナー、非破壊検査機材、業務用ろ過フィルターなどを取り扱う情報・産業システム機材、印刷システム機材、紙・紙加工品などの商社事業も行っている。特に選挙関連機材においては、投開票業務に必要な各種機器から投票箱等の用品・用具、開く投票用紙など幅広い商品をラインナップし、業界のトップシェアを誇る圧倒的な存在である。また、各種文書やマイクロフィルムのデジタル化(メディアコンバージョン)事業においても国内最大級のドキュメントイメージングセンターを展開し、次の収益柱への育成を図っている。商社機能とメーカー機能を併せ持っているのが特長だ。
1. 2022年3月期業績
2022年3月期の連結業績は、売上高36,213百万円(前期比19.7%増※)、営業利益1,746百万円(前期は97百万円の損失)、経常利益1,848百万円(同24百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益981百万円(同28百万円の損失)となった。主力の選挙システム機材において、東京都議会議員選挙や衆議院選挙があったことから、売上高が前期比161.7%増となったことが業績を牽引した。他の事業も新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの回復もあり全般的に堅調であったが、金融システム機材は微減収となった。注力しているメディアコンバート事業(情報・産業システム機材の内数)は、主に官公庁からの受注が堅調に推移したことなどから、売上高は5,371百万円(同33.7%増)となった。好調な業績を反映して年間配当を40円(前期24円)に増配した。
※今期より「収益認識に関する会計基準」等を適用している。前年同期は不適用であるが、影響は軽微であるため、前期比較の数値はそのまま用いている。以下、同様。
2. 2023年3月期業績予想
2023年3月期通期の連結業績は、売上高35,442百万円(前期比2.1%減)、営業利益1,157百万円(同33.8%減)、経常利益1,198百万円(同35.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益753百万円(同23.3%減)と予想されている。減益予想の要因は、主力の選挙システムが減収となるためだ。夏に参議院選挙が予定されているが、予算規模が衆議院選挙に比べて少額であることから、同セグメントは減収を見込んでいる。その他では、情報・産業システムは前期の反動で減収予想、印刷システムは新機種の投入で増収予想、金融システムは汎用システム(金融機関向け以外)の増加が見込めることから増収予想、紙・紙加工品は横ばい予想となっている。配当については、現時点ではベースである年間24円を予定している。
3. 中長期の成長戦略
現在、同社の収益の中心は選挙関連機材となっているが、この分野は安定成長しているものの国政選挙などの実施の有無によって需要にばらつきが出るため、ある意味でシクリカルな事業と言える。そのため、メディアコンバート事業や業務用ろ過フィルター等、選挙サイクルと無関係な分野を一段と強化し、収益基盤の安定化を図る計画だ。特にメディアコンバート事業については、世の中の「DX化」の流れの中で、官公庁における文書のデジタル化需要だけでなく、民間においてもコロナ禍の影響によるテレワークの浸透などで各種データや書類のデジタル化は必須となっており、中長期ではさらなる成長が見込まれる。足元の受注も好調のようで、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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