エイシアンスタ Research Memo(1):横浜と上海で事業展開。ASIAN STARプレミアム優待倶楽部を新設
[22/11/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ASIAN STAR<8946>は1979年に神奈川県で創業した不動産会社で、横浜と上海を中心に事業展開している。創業以来長年にわたって自社マンションブランド「グリフィンシリーズ」の開発・販売を主力事業とする不動産販売ビジネスを展開してきたが、現在は収益及び居住用マンションの販売、不動産管理及びその関連事業を行う総合不動産サービス企業へと転換してきた。2022年4月からスタートした東京証券取引所の新市場区分では、「スタンダード市場」に移行した。
1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要
2022年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比37.4%減の1,024百万円、営業損失が40百万円(前期は58百万円の利益)、経常損失が43百万円(同64百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が59百万円(同45百万円の利益)となった。不動産管理事業を中核事業としながら不動産販売事業の業容拡大及び不動産仲介事業と不動産賃貸事業の収益力向上を目指す戦略のなか、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による経済活動の停滞が響いた。売上高に関しては、2021年12月期から連結範囲に加わった上海徳威房地産経紀有限公司(以下、徳威不動産)、上海優宏資産管理有限公司(以下、U-HOME)、上海特庫伊投資管理有限公司(以下、特庫伊投資)の3社(以下、上海徳威グループ)の業績によって不動産管理事業が前年同期と同等の売上高で着地した。一方で、前年同期にあった1棟収益マンション販売の反動があり、前年同期比で不動産販売事業の売上が減少した。利益面に関しては、コロナ禍の影響を受けた。特に上海においてロックダウン政策がとられたことが響いた。同社は横浜及び上海を中心に事業を展開しているためだ。世界的にコロナ禍が落ち着きを見せるなか、今後は中国政府の対コロナ政策も軟化してくことが予想される。ロックダウンが解除され、経済活動が再開するにつれて、同社業績も通常軌道に回復していくと弊社は見ている。
なお、2022年12月期第1四半期から同社は「収益認識に関する会計基準」の適用を開始している。そのため、前年同期との比較は参考値として記載している点に留意が必要である。
2. 2022年12月期業績の見通し
2022年12月期は、売上高が前期比35.2%増の3,439百万円、営業利益が110百万円(前期は3百万円の損失)、経常利益が2,515.1%増の111百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が69百万円(同21百万円の損失)を見込む。不動産販売事業において、戸建て開発にとどまらず、土地やマンションの買取再販の件数増加を目指し、収益不動産やその他事業用地売却により、増収増益と黒字転換を図る。中国事業においても、2022年期末に向けては中国政府の不動産取引抑制施策と対コロナ政策が緩和されることを見込み、仲介件数、管理受託件数の増加を目指す。また、中国におけるゼロコロナ政策が終了後すぐに業績の回復を実現するための準備を進める方針だ。
3. 成長戦略について
2020年12月期よりスタートした中期経営計画の基本方針として、事業基盤である不動産サービス事業を強化拡大するとともに、付加価値創造事業分野と位置付けた5分野(生活・娯楽(ライフスタイル)、医療・健康(ヘルスケア)、教育(エデュケーション)、観光(インバウンド)、エネルギー(再生可能エネルギー))の成長企業とのコラボレーションによるアジア展開を推進し、同社の企業規模の拡大・収益力の向上を目指している。特に医薬品や医療機器にフォーカスし、中国人を対象に日本の高水準の医療健康サービスの提供や医療ツーリズム開始に向け準備を進める。
また、同社は2022年5月に代表取締役会長兼社長に就任した呉分偉(ご・ぶんい)氏の下で、新規事業の創出を推進していく構えだ。新規事業の推進とその推進のための具体策を選定中で、各会社、投資家と協議をし戦略的提携を活用しながら中国人富裕層に対してサービスを提供していくことを計画している。戦略的提携を活用した新事業領域への進出を推進するなか、戦略に合わせて人材・組織の変革も実行していく考えだ。さらに、既存の不動産事業に関してもさらなる効率化を追求し、収益性を高めていく方針である。
4. 株主還元策
収益基盤のさらなる強化を見据えて無配を続けているものの、安定的に収益を確保することで、将来的には配当を予定している。また、個人投資家向けに新たに株主優待制度を導入することを決定した。「ASIAN STARプレミアム優待倶楽部」を新設し、保有株式数(5,000株以上)に応じて優待ポイントを進呈する。ポイントは食品や電化製品など2,000種類以上の商品のほか、共通株主優待コイン「WILLs Coin」とも交換可能となっている。
■Key Points
・2022年12月期第2四半期累計の業績はコロナ禍の影響大
・2022年12月期は、不動産販売事業における買取再販の件数増加や中国事業における仲介・管理受託件数の増加で、増収増益と黒字転換を見込む
・中国人を対象とした日本の高水準医療健康サービス提供を準備中
・新代表取締役会長兼社長である呉氏の下で新規事業創出に注力
・株主優待制度「ASIAN STARプレミアム優待倶楽部」を新設
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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ASIAN STAR<8946>は1979年に神奈川県で創業した不動産会社で、横浜と上海を中心に事業展開している。創業以来長年にわたって自社マンションブランド「グリフィンシリーズ」の開発・販売を主力事業とする不動産販売ビジネスを展開してきたが、現在は収益及び居住用マンションの販売、不動産管理及びその関連事業を行う総合不動産サービス企業へと転換してきた。2022年4月からスタートした東京証券取引所の新市場区分では、「スタンダード市場」に移行した。
1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要
2022年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比37.4%減の1,024百万円、営業損失が40百万円(前期は58百万円の利益)、経常損失が43百万円(同64百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が59百万円(同45百万円の利益)となった。不動産管理事業を中核事業としながら不動産販売事業の業容拡大及び不動産仲介事業と不動産賃貸事業の収益力向上を目指す戦略のなか、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による経済活動の停滞が響いた。売上高に関しては、2021年12月期から連結範囲に加わった上海徳威房地産経紀有限公司(以下、徳威不動産)、上海優宏資産管理有限公司(以下、U-HOME)、上海特庫伊投資管理有限公司(以下、特庫伊投資)の3社(以下、上海徳威グループ)の業績によって不動産管理事業が前年同期と同等の売上高で着地した。一方で、前年同期にあった1棟収益マンション販売の反動があり、前年同期比で不動産販売事業の売上が減少した。利益面に関しては、コロナ禍の影響を受けた。特に上海においてロックダウン政策がとられたことが響いた。同社は横浜及び上海を中心に事業を展開しているためだ。世界的にコロナ禍が落ち着きを見せるなか、今後は中国政府の対コロナ政策も軟化してくことが予想される。ロックダウンが解除され、経済活動が再開するにつれて、同社業績も通常軌道に回復していくと弊社は見ている。
なお、2022年12月期第1四半期から同社は「収益認識に関する会計基準」の適用を開始している。そのため、前年同期との比較は参考値として記載している点に留意が必要である。
2. 2022年12月期業績の見通し
2022年12月期は、売上高が前期比35.2%増の3,439百万円、営業利益が110百万円(前期は3百万円の損失)、経常利益が2,515.1%増の111百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が69百万円(同21百万円の損失)を見込む。不動産販売事業において、戸建て開発にとどまらず、土地やマンションの買取再販の件数増加を目指し、収益不動産やその他事業用地売却により、増収増益と黒字転換を図る。中国事業においても、2022年期末に向けては中国政府の不動産取引抑制施策と対コロナ政策が緩和されることを見込み、仲介件数、管理受託件数の増加を目指す。また、中国におけるゼロコロナ政策が終了後すぐに業績の回復を実現するための準備を進める方針だ。
3. 成長戦略について
2020年12月期よりスタートした中期経営計画の基本方針として、事業基盤である不動産サービス事業を強化拡大するとともに、付加価値創造事業分野と位置付けた5分野(生活・娯楽(ライフスタイル)、医療・健康(ヘルスケア)、教育(エデュケーション)、観光(インバウンド)、エネルギー(再生可能エネルギー))の成長企業とのコラボレーションによるアジア展開を推進し、同社の企業規模の拡大・収益力の向上を目指している。特に医薬品や医療機器にフォーカスし、中国人を対象に日本の高水準の医療健康サービスの提供や医療ツーリズム開始に向け準備を進める。
また、同社は2022年5月に代表取締役会長兼社長に就任した呉分偉(ご・ぶんい)氏の下で、新規事業の創出を推進していく構えだ。新規事業の推進とその推進のための具体策を選定中で、各会社、投資家と協議をし戦略的提携を活用しながら中国人富裕層に対してサービスを提供していくことを計画している。戦略的提携を活用した新事業領域への進出を推進するなか、戦略に合わせて人材・組織の変革も実行していく考えだ。さらに、既存の不動産事業に関してもさらなる効率化を追求し、収益性を高めていく方針である。
4. 株主還元策
収益基盤のさらなる強化を見据えて無配を続けているものの、安定的に収益を確保することで、将来的には配当を予定している。また、個人投資家向けに新たに株主優待制度を導入することを決定した。「ASIAN STARプレミアム優待倶楽部」を新設し、保有株式数(5,000株以上)に応じて優待ポイントを進呈する。ポイントは食品や電化製品など2,000種類以上の商品のほか、共通株主優待コイン「WILLs Coin」とも交換可能となっている。
■Key Points
・2022年12月期第2四半期累計の業績はコロナ禍の影響大
・2022年12月期は、不動産販売事業における買取再販の件数増加や中国事業における仲介・管理受託件数の増加で、増収増益と黒字転換を見込む
・中国人を対象とした日本の高水準医療健康サービス提供を準備中
・新代表取締役会長兼社長である呉氏の下で新規事業創出に注力
・株主優待制度「ASIAN STARプレミアム優待倶楽部」を新設
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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